chumby の日本正規代理店である ジークスが chumby サービス終了のお知らせを出している。
chumby社に関しまして、すでにWeb上でいくつかニュースが流れていますように、事実上業務を中止している模様です。chumby社より入ってきた情報によりますと、サービスの提供は6月末で終了する可能性が高いというとのことです。認証を含めたすべてのサーバが停止しますので、chumbyが使えなくなります。従いまして、弊社の提供しているchumbyに関するすべてのサービスも6月末をもちまして、停止させて頂きます。
chumby | 株式会社ジークス より引用
思い出
ブログの記事を遡ってみる。ぼくは chumby を 2008-05-21 に入手した。
chumby の魅力に取りつかれたギークたちが並行輸入。その一人として、ぼくも chumby を入手した。chumby の特長は 2 つあった。
- ハードウェアがオープン・ソースだったこと
- ソフトウェアが Adobe Flash Lite 3.0 で開発可能だったこと
1 つ目の特長は、組み込み業界に驚きを与えた。iPhone であれ、TV であれ、カメラであれ、炊飯器であれ、中身を公開する企業はいない。どんな回路構成で作っていて、どんなチップを使っているか。chumby はそういった情報を公開した。それは他人が chumby と同じ「モノ」を作れることを許してしまう。その代わり、回路に詳しい人が、こ回路はこうする方が良いんじゃないか? とアドバイスをしたり、この回路構成なら、こういう外付け機器を取り付けられる、といった可能性を提示した。正にベンチャーらしい製品だった。
2 つ目の特長は、chumby アプリを誰でも開発できたこと。時は 2008 年 5 月。初代 iPhone が発売されたのが 2007 年 6 月 (国内未発売)。日本初の iPhone (iPhone 3G) は、2008 年 7 月に発売された。iTunes Store でアプリが発売される様になったのは、iPhone 3G から。こうしてみると、「ユーザーの手でアプリが作れる家電」である chumby の革新性が伺える。
特に、当時は Adobe Flash Lite 3.0 でアプリが作れることが皆の興味をひいた。それは、フラッシュで物作りをしていたウェブ屋さんが、すぐにアプリ開発できることを意味していた。
据え置き型ながら、Wi-Fi でデータ受信。アラーム機能、インターネット・ラジオ機能を標準装備。各種アプリを利用可能・自作可能。可能性を感じるガジェットだった。
chumby 消える...
そんな cuhmby が消える。最大のライバルは iPhone アプリだったと思う。
スマートな外観。モバイル性。アプリの種類の多様さ。開発の自由度の高さ。chumby が持っていないものを、iPhone は持っていた。私見を言えば、「こんなアプリを作ったよ!」と開発者にやる気を出させる基盤が、chumby より iPhone の方がしっかりしていた。
約 4 年の歳月をもって chumby は消える。4 年前の熱さを覚えている身としては、冷たい風が吹き込んできた気分。
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