2012-11-24

AMN パートナー・ブログ (10 月分) を Google Reader に一括登録する

clmemo@aka でも AMN のパートナー・ブログが発表されたことを記事にした。

19 のブログがパートナー・ブログとなったわけだけど、これらのブログを全て登録するのは手間がかかる。そう思っていたら、OPML ファイルを作って下さった方が出た。

OPML ファイルの登録方法

OPML ファイルは、ブログを一括登録する時に使うファイル。これを使って Google Reader に登録する方法を書いておく。

  1. 上記サイトから OPML ファイル「amn-2nd.xml」をダウンロードする
  2. Google Reader を開き、「設定」ページを開く
  3. 「Import/Outport」タブを開く
  4. Select an OPML file: でファイル「amn-2nd.xml」を選択し、「Upload」ボタンを押す

以上で全 19 ファイルを登録終了。この方法で追加したフィードには「AMN2」というラベルが付いている。Google Reader で AMN のパートナー・ブログだけを読みたい時に便利。

OPML の作者も次の様に書いている。

ブログの記事を楽しむ方法は色々とあるかと思いますが、私はまずは一括で登録して何日か読んでいく中であまり読まないブログをフィードから外したりする傾向がありますので、皆さんもまずは一度全て登録して記事を読んでみては如何でしょうか?

AMN の新規パートナーブロガー19サイトを各種リーダーへ一括登録できるOPMLファイルを作った: Podcast journal - ポッドキャストジャーナル より引用

Google Reader で AMN2 なブログだけを読み、自分の趣味に合わないブログを外してゆく方が効率的かと思う。

2012-11-16

一日限定ソーシャル断ち

最近は、ソーシャル情報を眺めてるだけでニュースが飛びこんでくる。最近では、オバマ大統領が再選を果たしたのを最初に知ったのが Twitter だったし、楽しみにしていた個展の招待は Facebook からだったし、遡ればマイケル・ジャクソンが亡くなった日にリアルタイムで情報を追っかけたのも Twitter だった。

一方で、目に入れたくない情報が飛びこんでくるのもソーシャル・サービス。そんなわけで、ぼくは今日の午後から明日の正午までソーシャル断ちをする。

理由? それは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版: Q」が明日公開されるから。

ぼくは (本当に好きな人と比べるとヒヨコちゃんだけど) エヴァが好き。そして、ぼくの希望を言えば、エヴァの映画は前情報なしで観たいと。劇場で「初めて」の感動を味わいたい。

他のエヴァのファンと同じく、一分一秒でも早くエヴァ Q の中身が見たくてしょうがない。そして情報を漁りたい。リーク情報がないかと調べたい。でも、そこはグッと我慢。もちろん、そうやって情報を手に入れるのもアリだと思う。でも、それと同じ様に、初めて劇場で感動を味わう楽しさ、というのもアリだと思う。ぼくは今回、エヴァに関して後者を選択した。

そんな理由でソーシャル断ち。これはこれでワクワクが止まらない。

Denon の BD プレーヤー DBP-1611UD と AV アンプ AVR-1713K で高音質に映画を楽しむ

5ch のシアター・システムでバッドマンの映画「ダークナイト」を観させてもらった (ぼくの家ではないのが残念。いいもん、いつかシアター・システム組むもん)。その際、「高音質なサウンド再生」の設定が為されていなかったので、取扱説明書をパラパラめくってぼくが設定を行なった。もう一度やってと言われても、その頃には忘れてそうなのでメモ。

ダークナイト [Blu-ray]

B003GQSYCG
ワーナー・ホーム・ビデオ 2010-04-21
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BD 版「ダークナイト」には 3 種の主音声が収録されている。

  1. DOLBY Digital 5.1 (英語)
  2. DOLBY TrueHD 5.1 (英語)
  3. DOLBY DIGITAL 5.1 (日本語)

音声は Dulby TrueHD の方が DOLBY DIGITAL より良い。

使用機器

BD プレーヤーは Denon DBP-1611UDK。定価 5 万円台のプレーヤー。

AV アンプは Denon AVR-1713K。こちらも定価 5 万円台のプレーヤー。

BD プレーヤー DBP-1611UDK から HDMI ケーブルで AV アンプ AVR-1713K へ接続。AV アンプからは画像をプロジェクターへ HDMI で送り出す。音声は AV アンプからスピーカー・ケーブルで 5 つのスピーカーに接続。プロジェクターとスピーカーのメーカー及びモデルは失念した。サブウーファーを使っていたのかどうかは不明。

最初の設定

最初、映画を見る時に聞かせてもらった設定を書いておく。

映画が再生されたら BD プレーヤーのリモコンを操作し、BD の音声メニューを出して「DOLBY TrueHD」を選択。

AV アンプのディスプレイには「MULTI CH IN」の文字と「PCM」マークが出ていた。

AV アンプの表示がおかしい。「MULTI CH IN」は「マルチ・チャンネルの PCM ソースを入力している」ことを表す。AV アンプの「MOVIE」ボタンを長押しすると、リスニング・モードの選択が出来る。ここで、AV アンプが選択可能な入力信号を選択できる。本来なら、ここに「DOLBY TrueHD」が選択肢として現れなければいけない。ところが、選択メニューに「DOLBY TrueHD」はなく「MULTI CH IN」等があるだけだった。

DOLBY TrueHD で聞く

BD プレーヤーのリモコンから「MODE」ボタンを押す。すると、「HD Audio Output」という項目が見つかる。この項目値を見ると「Mix Audio Output」になっていた (デフォールト設定は Mix Audio Output らしい)。これを上下ボタンを押して「HD Audio Output」へと切り替える。ここがキモ。

もう一度 BD の音声メニューを出して「DOLBY TrueHD」を選択する。AV アンプのディスプレイには「TrueHD」の文字が現れ、「PCM」マークが消えた。音もグッと厚みを増して良い感じ。

あとがき

BD プレーヤーと AV アンプがあると高画質・高音質に BD を楽しむことができる。その代わり設定が大変。今回はたまたま気がつくことができたので良かったけど、もし気付かなければ DOLBY TrueHD が再生できるのに DOLBY TrueHD の高音質を聞くことなくずっと過ごしていたかもしれない。そしたら、せっかくの BD プレーヤーも AV アンプも、そして DOLBY TrueHD に対応している「ダークナイト」も本来の実力を発揮できず、もったいない。

この手の音声設定は「Setup」画面から出来る様になっているもの。まさか映画観賞中に「MODE」ボタンを押すとは思わなかった。とはいえ、これは Denon を責めているわけじゃない。今回 Denon の製品を例に出したのは、そこで使っていた機器が Denon 製だったから。他意はない。ぼくは Marantz の BD プレーヤーを使っているけど、やっぱり設定画面が複雑。

思うに、シアター周りの規格が多すぎる。画像関連の規格もそうだし、音声関連の規格もそう。必然、再生機器の設定も複雑になる。ましてや、プレーヤーとアンプが別れていては、どちらの設定ミスか (もしかしたら両方の設定ミス) 分からない。願わくば、少しでも分かり易い設定画面を作られんことを!!

最後に本エントリーが、もし BD を再生していて同様のトラブルに嵌っていたり、知らずに高額のシアター・システムの実力を活かしきれていない人達への「気付き」の一助となったならば嬉しい。

ref

2012-11-10

clmemo@aka の文体

丸谷才一とあらえびす

2012-10-13、作家の丸谷才一 (まるや さいいち) 氏が亡くなった。享年 87。心不全とのこと。お悔み申し上げる。

このブログを始める時、悩んだのが文体だった。「だ・である調」の常体を用いるか、「です・ます調」の敬体を用いるか。口語調にするか、文語調にするか。

ぼくが文体の参考にしたのは、丸谷才一あらえびすだった。丸谷才一のエッセイは旧かなづかひを用いている。それでいて、軽快な語り口。最初は仮名遣いに戸惑うかもしれないけれど、一編、二編と読み進めると気にならなくなる。旧かなづかひを使う癖に、旧漢字を使わないのも読み易さに一役買っている。そして話はめっぽう面白い。こんな文章を書きたいと思った。

あらえびすは本名を野村長一といい、野村胡堂 (のむら こどう) というもう一つのペンネームを持っている。世間では野村胡堂の方が有名。あの「銭形平次捕物控」の作者ね。氏は音楽愛好家でもあり、数多い SP 盤を所有していた。レコードのエッセイを書く時に使っていたのが、あらえびすというペンネーム。ぼくはあらえびすの著書は「名曲決定盤」しか読んだことがないのだけど、何十年も前の録音なのに聴いてみたいとひきつけられた。ひきつけたのは、音楽の力じゃなくて、文章の力。彼の文章を真似したかった。

そんなわけで、このブログは旧かなづかひを交えた文体でスタートした。

ただし、その文体は今ではほとんど残っていない。第一に、ぼくが俄か旧かなづかひ使いだったこと。第二に、フィードリーダーでブログを読む時、このブログだけ旧かなづかひになっているのは読者に優しくないと反省したこと。書きやすさ・読みやすさを優先させて旧かなづかひは次第に減っていった。その名残は、時々、読者にここはゆっくり読んでもらいたいと思う箇所に現れる程度で残ってる。

常体/敬体の排除

もう一つ、clmemo@aka には大きな特徴がある。それは「だ・である調」の常体も「です・ます調」の敬体も使っていないこと。

「だ・である調」はなんか権威者ぶっている気がした。ぼくは自分のメモをブログとして綴っているのであって、こう上からの物言いはしたくない。他の人は、「だ・である調」で親しみある文章を書くことも出来るかもしれないけれど、ぼくには無理だと思った。

「です・ます調」はまどろっこしい。ブログ開始当初、ネットの技術的な話題を多く扱うと思ってた。技術的文章と「です・ます調」はあまり合わないと常々感じていた。

事実や技術を書くのは常体が良いかと思う。でも、常体は使いたくない。

で、常体も敬体も使わない文体で統一した。このブログで、引用文を除けば「だ・である」で終わっている文はない。「です・ます」で終わる文も一部例外 (コメントへのお礼等) を除いて書いていない。現在形・過去形を用い、体言止めや形容詞で終わる文でブログを綴った。

強いていえば、順接の接続詞に「ですから」ではなく「だから」を多く使うので「だ・である調」に近いと思う。でも、文末については頑なに「だ・である調」を排してきた。

あとがき

文体については、ブログを書き始めて二年目くらいからエントリーにしようと思ってきた。この度、丸谷才一氏死去の報を聞き、ようやっと記事にすることができた。

読んで分かる通り、丸谷才一・あらえびすといった両大家の文章には及びもつかない駄文を書いている。常体・敬体の排除も、書いてて時々しんどくなる。わざわざ、こんな文体にこだわる必要ってあるのかな? なんて疑問も浮かぶ。でも、これが clmemo@aka の味だから。そう自分を納得させながら、今日もブログを書いている。

蛇足

ぼくが持ってるあらえびすの「名曲決定盤」は 1981 年に中公文庫で出版されたもの。原著は 1949 年に出版された。一度、オリジナルの名曲決定盤を図書館で見つけてページを開いてみたけれど、漢字が旧くて読めなかった。ぼくが参考にしているあらえびすの文体は、現代向きに読み易くした 1981 年版であることを記しておきたい。

AMN パートナー・ブログ、10 月度分発表

ブロガーと企業を結びつけて、新しいことを作ろうとしている会社 Agile Media Network (以下 AMN)。ブロガー・イベントを開催したり、ブログ向けウィジェットやサービスを提供してきた。その活動の一環に「パートナー・ブログ」制度というのがある。

AMN とパートナーシップを結んでいるブログのことで、AMN にとっては人柱もとい新サービスへのアルファ・テスターといった旨味が、ブロガーにとっては AMN が「認定している」という後盾とイベント等に優先的に呼ばれたり (もしかしたら TechTalk の話が回ってきたり) するんじゃないかと思う。「思う」と書いたのは、ぼくは AMN のパートナー・ブログではないし、AMN も Facebook や Twitter の台頭からブログのあり方を考え直し、「パートナー・ブログ制度」を刷新したので、これからどういう風にこの制度が動いていくのか分からないため。

とはいえ、ブログを書いてる身としては、こういう制度に取り上げられたブログに目を向けるのは面白いと思う。

今回は、300 件以上の応募の中から 19 のブログが選考された。

以下、ブログ・サイトを列挙する。

う〜ん、知らないブログばかり。逆に考えよう。今まで知らなかった良ブログに出あえたんだと。

AMN は一年間で 100 のブログをパートナーとして選ぶ予定だとか。今回は 10 月選考分の発表とのこと。まだまだ選考は続いてる。ページビューとかの制限はないので、自分が「トガッてる」ブログを書いてる自負のある方は、一つ応募してみては如何。

iPhone 5 の連絡帳/カレンダーを Google Cantacts / Calendar と同期する

iPhone の連絡帳とカレンダーを Google と同期する設定メモ。連絡帳の同期には CardDAV、カレンダーの同期には CalDAV を使う。これにともない、iCloud や Google Sync を使ったデータ同期を止めた。

連絡帳の同期

CardDAV を使って、Google Contacts と iPhone の連絡帳を同期させる。

  1. iPhone の「設定」アプリを開く
  2. 「メール/連絡先/カレンダー」を開く
  3. 「アカウントを追加...」を選択する
  4. 「その他」を選択する
  5. 「CardDAV アカウントを追加」を選択する
  6. アカウント情報の入力
    • サーバー: google.com
    • ユーザー名: Google アカウント (@gmail.com まで含めて)
    • パスワード: Google アカウントのパスワード
    • 説明: 適当にどうぞ (ぼくは「Google」としている)
  7. 画面上部の「次へ」を選択

以上。

Google Sync では Google Contacts の一部の情報が削られていたりしたけれど、CardDAV を使うと全ての情報を取ってきてくれるらしい。CardDAV を使ってみて Google Sync より劣っている点は今のところ見当たらないので、こちらに本格移行。

カレンダーの同期

CalDAV を使って、Google Calendar と iPhone のカレンダーを同期させる。

  1. iPhone の「設定」アプリを開く
  2. 「メール/連絡先/カレンダー」を開く
  3. 「アカウントを追加...」を選択する
  4. 「その他」を選択する
  5. 「CalDAV アカウントを追加」を選択する
  6. アカウント情報の入力
    • サーバー: google.com
    • ユーザー名: Google アカウント (@gmail.com まで含めて)
    • パスワード: Google アカウントのパスワード
    • 説明: 適当にどうぞ (ぼくは「Google Calendar」としている)
  7. 画面上部の「次へ」を選択

以上。デフォールトだとメインのカレンダーだけしか同期されない。ほとんどの人は複数のカレンダーを使っているだろうから、これは困る。そこで、以下のページにアクセスして「その他の同期するカレンダー」を選択する。

CalDAV を使うと、Google Calendar で設定したカレンダーの色がそのまま反映される。これは Google Sync では出来なかったこと。デスクトップ PC とモバイル端末でカレンダーの色が変わっているのは混乱の元だったので、この配慮は嬉しい。

あとがき

本エントリーのタイトルには iPhone 5 と書いたけど、この設定は iPad でも出来る。

ぼくの場合、連絡先とカレンダー情報は全て Google のサービスに集約している。一つのサービスに情報を集中しておくと、管理が楽になる。Apple の iCloud も魅力的だけど、Android や他デバイスとの同期を考えてみると、今は Google が一番ぼくに合っている。

2012-11-04

2012 東京インターナショナル・オーディオ・ショー 雑感

2012-11-02 (金)、東京国際フォーラムで開かれた東京インターナショナル・オーディオ・ショーに行ってきた。自分用メモに訪ねたブースの様子を書いておく。

リンジャパン

さらりと聞いただけ。リンらしい端正な音を聞いた。

フューレン・コーディネート

17:30-18:30 の和田博巳・潮晴男両氏による講演をメインに聞く。お題はオールディーズ。潮さんが 60 分の講演で一枚に 15 分も話して、和田さんから突っ込まれるなどフレンドリーな講演だった。ハイ・エンドとはハイ・プライスのことではないよ、という和田さんのお話も興味深かった。かかった曲は、ぼくの知らない曲ばかりでコメントしづらい。ジャッキー・エヴァンコの「私のお父さん」だけかな。知ってた曲は。講演の最初と最後に、和田さんが書いた「ニアフィールドリスニングの快楽」の宣伝を入れていたのも面白かった。

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和田 博巳

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スピーカーは PIEGA の Master One、アンプは Octave の新アンプだったと思う。どちらも好きなブランドなので、音楽を楽しむことができた。自然な音作りで和む。

太陽インターナショナル

Avalon のスピーカーが鳴っていた。かかっていた曲はグールドのゴルトベルク変奏曲 (1981 年録音)。やたら音が良いので尋ねてみたら、やはりガラス CD だった。定価 136,500 円のやつね。デモにこういう超高音質盤を使うのはどうかと思うけど、めったに聞けないガラス CD を聴けたのは収穫。

エレクトリ

Magico のスピーカーを、Hegel のプリとパワーで鳴らしていた。ふわっと広がった草原にうっすら霧がかかり、その中から音が届けられる様な印象を受けた。Hegel は B. M. C. に次いで購入希望なアンプなので、良い音を聞けて一安心。今回のインターナショナル・オーディオ・ショーで一番良い音を聞けたブースだった。

アーク

Franco Serblin のスピーカーが鳴っていた。なつかしの Sonas faber の音がした。弦の音が魅力的。ただ、部屋に対して音量が大き過ぎに感じた。

ノア

Sonas faber のスピーカーを Burmester のアンプで鳴らしてた。どっちも素晴らしい素質を感じる。ただ、ぼくの好みではソナスとブルメスターがミスマッチしている様に感じた。

ナスペック

部屋に入ったのは覚えているんだけど、何のスピーカーが鳴っていたのか覚えていない。楽しめる音だった記憶はある。

ロッキー・インターナショナル

Quad のスピーカーを聞く。アンプは Accuphase かな? Quad のスピーカーは Sonas faber と並んで大好き。独特の音がたまらない。

トライオード

Spendor のスピーカーを聞く。50, 60 年代のロックを聞くと良い音を聞かせてくれるんだよね。席に着いて聞きながら、ホッと一息ついた。

ユキム

ELAC のスピーカー、どっかの LP プレーヤー。インターナショナル・オーディオ・ショー全体で、低音がもごもごしてる印象 (絨毯の影響かな?) があったけど、ユキムのブースはキビキビした低音だった。ELAC のスピーカーはコスト・パフォーマンスが高くて良いね。

アクシス

あとがき

今年は例年に比べてハイ・プライスな大物が少なかった。お財布の寂しいので、気を楽に会場を回ることができたかな。基本的に好みのメーカーのブースに長く居て、他は行かないか短時間の滞在しかしなかった。疲れにくい回り方。まあ、そういう回り方もあって良いよね。

2012-11-03

B. M. C. Audio に心掴まれる

2012-11-02 (金)、東京インターナショナル・オーディオ・ショーに行ってきた。昨年、ぼくの心を震わせたオーディオ・メーカー B. M. C. の音を聞き、開発者の Carlos Candeias 氏と話をしてきた。

音楽を聴く

まず会場入りして、いの一番に Axiss のブースを訪ねる。「今日、B.M.C. の試聴会はあるのか?」「Mr. Candeias は来ているのか?」。答えは両方ともイエス。14:30 から一時間、B.M.C. のための時間があると聞き出した。それまでは、他社のブースを巡る。14 時頃に Axiss のブースへ。丁度、B.M.C. の前の試聴会が終わったところだった。

B.M.C. の試聴会で使われた機器は以下の通り。

  • CD トランスポート: B.M.C. BDCD 1.1
  • DAC: B.M.C. Dac1Pre
  • パワー・アンプ: B.M.C. AMP CS2
  • スピーカー: Wilson Audio Sphia 3
  • ケーブル: Transparent

席は 2 列目の中央に陣取った。

オーディオ機器はほぼ去年と同じ。パワー・アンプがモノラル・パワー・アンプの B.M.C. M1 からステレオ・インテグレーテッド・アンプの B.M.C. CS2 (新製品) に変わっていた。

音楽は Axiss が用意した CD と、Candeias 氏が用意した PC 音源。まずはボーカルやクラシック曲を聴く。印象は以前と変わらない。去年一度聴いているので、より冷静に音を聴くことができたのではないかと思う。スピード感のある音。フレッシュなサウンドは相変わらず。自然な音場が展開される。ヴァイオリンの音がやや艶に欠ける。低域の弦は良いのだけど、ドラム系の低音は少しキレが足りない。試聴会後、ブースの後ろの方で聴こえてきたヴァイオリンの音に不満を感じなかったので、リスニング・ポジションが悪かったのかもしれない。直接音ばかり聞いていたのでは? というのは一緒に音楽を聴いたばーそんさんの説明。

続けて、Candeias 氏の PC 音源を聴く。Candeias 氏曰く、CD の音は (特に古い録音は) あまり良くないよね。マスタリングが昔向けなんだよね。今は、そういうのを直すことができる様になった。だから自分で直しちゃったよ。

ン? 自分でリマスタリングしたってこと?! ソースが CD なのかマスター音源なのか分からないけど、やっちゃったらしい。昔、ぼくが B.M.C. の音に感動したと言ったら、オーディオに詳しい人が助言してくれた。「ドイツのオーディオはやばいよ。ドイツ人のエンジニアって限界ギリギリまでやるんだ。他の国の人は越えない一線を越えちゃうんだ。だから、ドイツのオーディオは、ギリギリにチューンされた F1 カーを扱うくらいの気概がないと扱いきれないよ」。その言葉の意味が分かった。かかったのはマリア・カラスのカルメン。ノックダウンした。リアリティーが段違いだった。今までの CD の音が霞んだ。

ぼくの隣に座るばーそんさんはブルーズの愛聴者。SOULNOTE の代表・鈴木哲さんが試聴会でこうおっしゃった。「ハイ・エンド・オーディオで鳴らすのが難しいのは 50,60 年代のロック。音楽が持ってる荒々しさも、滑かにしてしまう」。これにばーそんさんは「ブルーズの方が難しいですよ」と言ったら、「ブルーズは誰も聴かないから」。そして二人は笑った。鈴木さんもばーそんさんもブルーズが好き。けど、ブルーズを聴く絶対数は少ない。だから、試聴会ではあえてブルーズについて言及はしなかった。そういった事情を二人して笑っていた。

Candeias 氏がマリア・カラスの次にかけると言ったのはブルーズだった。この時、ばーそんさんは自分の耳を疑ったという。音楽がかかるまで、自分の耳を信じることができなかったと。そして一聴。ブルーズだと認識した。やや透明感のあるブルーズだったけれど、今までぼくが聴いたブルーズでも群を抜いていた。ぼくは初めて、ばーそんさんがブルーズの曲を (自宅のシステム以外で) 聴いて「ありえない」という風情で頭を抱えるのを見た。

Candeias 氏とのお話

試聴会の後、Candeias 氏に会いに行った。「Do you remember me?」と問うぼくに、ブログを書いてくれた人だよね、と答えてくれた。覚えてもらっていて、ちょっと感動。いくつか質問させて欲しい、とお願いしてブースの入口付近へ移動。

B.M.C. AMP M2

大きく宣伝してなかったけど、モノラル・パワーアンプがバージョン・アップしていた。B.M.C. AMP M2。前モデル M1 との違いは何かと聞いた。Candeias 氏の答えはこう。

「音が良くなったよ。CS2 を聴いたかい? あれはインテグレーテッド・アンプにもなるし、パワー・アンプにもなる。C1 を持ってる人はインテグレーテッド・アンプとしてしか使えなかった。S1 を持ってる人はパワー・アンプとしてしか使えなかった。CS2 は 2 つの機能を合わせたんだ。インテグレーテッド・アンプとしても使えるし、パワー・アンプとしても使える。B.M.C. の DAC と繋げば自動的に電流伝送のパワー・アンプになるよ。CS2 は M1 より音が良いんだ。その技術を M2 にもフィードバックさせているよ」

ぼくの英会話能力が正しければ、そう言った。ぼくは「That's great」としか答えられなかった。

B.M.C. ARCADIA

B.M.C. はスピーカーも発売した (CD プレーヤー、DAC、フォノイコ、スピーカーを作る上にリマスタリングまで手がけるなんて、マルチ・タレント過ぎる!!)。Axiss の人に聴くと、現在、このスピーカーを輸入する予定はないとのこと。

このスピーカー、写真を見ると、側面にスピーカーが付いている。サイド・ウーファー。ぼくの使っている Bösendorfer スピーカーと同じ。興味を引く。日本にサイド・ウーファーのスピーカーは少ないからね。輸入されないとしても、開発者の人と話が出来るのはありがたい。

さて、写真には当然片面しか写らない。このスピーカーのサイド・ウーファーは片側だけなのか? それとも両面に付いているのか? あと、説明を読んでもよく分からないことがある。説明文にはバイポーラー・スピーカーとか書いてあって、ツイーター 2 つ、スコーカー 4 つとか書いてある。おいおい、それじゃあ、スピーカーの後ろにもスピーカー・ユニットが付いてることになっちゃうよ。説明文間違ってるよ... なんて思ってた。

その疑問を Candeias 氏にぶつけてみると、

「このスピーカーは両面サイド・ウーファーだよ。バイポール型のスピーカーでね。後ろにもツイーターが付いてるよ。こうしてやると、臨場感がとても良く出るんだ」

うん。ベーゼンドルファーを使ってるから知ってる。サイド・ウーファーを適切にスピーカー・セッティングすると、臨場感が素晴らしいね。でも、後ろにもスピーカー・ユニットって... どれだけスピーカー・セッティングがシビアになるのか!! 上手くセッティングした時の音は素晴らしいでせう。「ドイツ人は限界ギリギリまでやる」。そんな言葉を思い出した。

日本に輸入して、果たして何人がこのスピーカーをちゃんと鳴らせるか? でも、怖いもの見たさに Axiss さんには輸入をして欲しいとも思う。

CD メカについて

B.M.C. の CD トランスポート (及び CD プレーヤー) はベルト・ドライブを使っている。ベルト・ドライブの CD プレーヤーというと、C.E.C. が作っているのを知っているくらい。Candeias 氏は C.E.C. の開発にかかわっていたので、この CD メカは C.E.C. の OEM 提供かと聞いた。というのも、もし OEM 提供なら C.E.C. が提供を止めたら CD プレーヤーの製造も出来なくなっちゃうから。

答えはノー。メカも B.M.C. の自社開発。

これは嬉しい。ぼくは CD の数が多いから、(たとえ将来、PC オーディオに移行したとしても) 沢山ある CD ライブラリーをなるべく聴き続けたい。メカも自社開発しているなら、外部からの影響で CD 開発が止まることはない (B.M.C. 自身が CD プレーヤーの開発を止めない限りね)。

新シリーズ予告

参考出品で DAC が出ていた。スーパーリンクなし。ヘッドフォン端子あり。XLR/RCA 出力あり。B.M.C. のパワー・アンプと電流伝送で接続可能。

まだ正式には決まっていないので、あくまで参考情報だけども、若者向けに値段を下げたシリーズを出すとのこと。アンプ、フォノイコも開発中。発売は 2013 年 3 月を予定。気になる DAC の値段は 15 万円以下!! 言葉を失うね。

そして背面に見える USB 端子。青いの。

Candeias 氏に聴く。もしかして USB 3.0 端子? 「Yes!」 USB 3.0 のオーディオ規格は決まっていないので、USB 2.0 の Asynchronous Audio 規格を使うよ、とのこと。初めて USB 3.0 を積んだ DAC を見た。そんな Candeias 氏が使うタブレットに入っているのは Arch Linux。いやいやいやいや。

あとがき

B.M.C.。去年は音の素晴らしさに耳を奪われ、ユニークな技術に目を引かれた。今年は (去年、音を聴いているので) 音について感動は去年ほどではなかった。でも、今年の方が心を掴まれた。