日本経済新聞社が新しいサービスを発表した。その発表に対するパネル・ディスカッション・イベントが開かれたので、ブロガーとして聴講してきた。といっても肝心のサービス発表は、イベントに遅れてしまったので聞けなかったのだけど...
日経新聞 電子版
この電子版は月 4000 円で提供される。千円多く払うと、新聞の宅配も行なってくれる。
サービスの特徴は次の通り:
- 3/25 からサービス開始
- 朝刊・夕刊の最終版を提供
- 記事は 1 週間分閲覧可能
- 過去 5 年分の記事を検索可能 (月 25 件まで; 以降は有料)
- キーワード登録で記事のフィルタリングができる
- 記事 100 件までを保存できる
iPhone 版の「産経新聞」との違いは、「産経新聞」は一日分しか楽しめないこと。一週間分の閲覧はできないし、検索も不可能、記事の保存もできない。ただし、iPhone という携帯デバイスへの対応度は高い。
言い換えれば、ウェブ・サービスとしての日経新聞 電子版は機能は豊富だけど、携帯デバイスへの対応が低いと言えそう (あくまで iPhone 版 産経新聞と比べてね)
パネル・ディスカッション
流れが早すぎて、まとめきれない。箇条書きで、つらつらと気になった発言を取り上げてみる
- 四千円を払うだけの価値を見出せない
- Twitter を始めとするオープンなプラットフォームとの連携ができないのは面白くない
- Kindle のように自動配信されるのは楽である
- 5 インチから 10.5 インチのデバイスには「用途」が決まっていないし、「勝者」が決まっていない。
- 電子版は「新聞」の延長なのか「電子媒体」の一つなのか? 両者は相いれない。
あとがき
最近 (昔も?) 新聞を読んでいない。一番の原因は時間がないこと。
時間がないことへの対策としてぼくは、最新のニュースを Twitter で、まとまったニュースや意見をフィードリーダーで集めている。それでも時間が余ったら Google News を覗いている。
紙の新聞はポストに取りに行く暇がないし、読む機会がない。家で読む時間があればブログを書いているし、電車の中では Twitter か Google Reader (mobile) を見ている。それ以外の時間は仕事している。仮に読む機会があったとして、新聞の中から興味のある記事を見つけるのが大変。面白い記事を読んでも、活用するのが大変。スクラップ・ブックを作る時代じゃない。
電子版は「紙」の媒体の欠点を補う。
ただ悲しいかな、今のぼくは PC で新聞を読む時間すらおしい。その時間は、もっと他の作業を行ないたい (大きな画面で DVD を見るとか、ブログを書くとか、プログラムを書くとか)。「活字を読む」という作業は、PC に座らないと出来ない作業じゃない。もっと隙間時間でやりたい。
少し話は変わるけど、ぼくは大のマンガ好き。ところがサンデーの一部のマンガがネット版 (クラブ・サンデー) に移籍してしまった。iPhone からクラブ・サンデーは見られない。PC からでないとマンガが見れない。以来、ぼくはそのマンガを読まなくなった。大好きだったのに。理由を考えたんだけど、おそらく PC で読むにはプライオリティーが低すぎるんだと思う。
いわんや新聞をや。
もっとアクセスし易くして欲しい。そのアクセスのし易さが、Twitter, Google Reader, Google News にある。日経新聞に限らず、新聞に限らず、「活字」な文化は、いかにアクセスしやすくするかがポイントではないかと思う。それはモバイルであれば良いし、ソーシャル的であれば尚良い。アクセスしやすくなるから。まずアクセスし易くないと、ぼくは「新聞」を読めないなぁ。
課金について
アクセス性が高くなるとフリー (無料) でないといけない? するとサービスとしてやっていけない?
でもそれじゃ、ぼくはお金を払わない。だってアクセス性が悪いままだから。何故アクセス性が悪いか? 「囲い込み」が新聞社だけで行なっているから。
例えば Twitter のような大きなプラッフォームで「課金」してくれるとアクセスが「楽」になる。日経新聞を全文読めるなら、Twitter プロ版もありだと思う。それなら従量課金でもいいよ (高すぎなければね)。そういう大きなプラットフォームと連携して行く道を開いてみてはどうかしらん。