2011 年、SNS が乱立し消滅している。ぼくの頭の中は混乱気味。頭を整理するために、2011-07-14 現在の SNS について考えをまとめてみる。
SNS とは
SNS は Social Network Service の略称。日本語にかみくだくと、社会的なネットワークを構築するインターネット・サービス。大雑把に掴えれば、友達関係を作れるサービス。
SNS には色々なタイプがある。まず SNS のタイプを挙げて、次にタイプごとに SNS を整理してみたい。本エントリーで扱う SNS のタイプは以下の通り:
- 汎用 VS 特化型
- 公開型 VS 閉鎖型
- 招待制 VS オープン
- 実名 VS 匿名
- 友達 VS フォロー
汎用 VS 特化型
汎用 SNS
汎用 SNS は、一般に SNS として知られているサービス。日本では mixi, gree が、海外では Facebook が有名。
汎用 SNS は淘汰が激しい。Yahoo! Japan が始めた Yahoo! Days は 2011-10-03 にサービス終了を宣言しているし、Google の orkut はブラジルなど一部の国でしか人気がない。米国の SNS MySpace は一時期米国でトップを走っていたものの、Facebook に抜かれ、2011-06-29 Specific Media に売却された。
SNS が日本で普及し始めた 2005 年頃。Mixi の勢力が圧倒的に強かった。海外の SNS 勢は全く日本に上陸できなかった。しかし、Gree の台頭と Facebook の上陸で Mixi 一強の時代は去った。
特化型 SNS
特化型 SNS (とここでは便宜的に呼ぶが) は、何かしらに特化したサービスに「ソーシャル・ネットワーク」な機能が付いたもの。サービス内で「友達」を作ることも出来るが、最近は Twitter や Facebook をハブとして使うサービスが増えている。
特化型 SNS で目につくものを挙げてみる:
- 地域: foursquare, Google Latitude
- 写真: Flickr, Picasa Web Albums
- 物: byflow, メディアマーカー, Socialtunes*,
- 本: ブクログ, 本棚.org, 読書メーター
- 音楽: Last.fm, iLike, 音楽メーター
- 映画: Gacchi, 鑑賞メーター
- マンガ: MangafulDays, マンガ読もっ!
- マイクロブログ: Twitter, Google Buzz
汎用のサービスと比べて、趣味 (興味範囲) を最初から限定できるのが特徴。汎用 SNS では得られない友人関係を作ることができる (可能性を大きく持つ)。
公開型 VS 閉鎖型
SNS には内容が公開されている公開型と、サービスにログインしないと中身を見られない閉鎖型がある。mixi や gree など汎用 SNS の多くは閉鎖型。一方、特化型の SNS は公開型と閉鎖型が半々といった感じか。
招待制 VS オープン
初期の汎用 SNS は大半が招待制だった。Mixi しかり。Orkut しかり。
2011 年現在、ぼくの知る限り招待制 SNS は存在しない。招待制には「招待者」が保証人の代わりになる安心感があったけれど、会員数が増えてくると招待者のモラルも低下して (例えば、つきあいで招待を断われない場合など) 招待制のメリットがなくなってしまった。
唯一例外を挙げるなら、サービス・イン前の SNS がベータ・テストと称して招待制を採用している。もちろん、サービス・インすれば招待制は廃止することを前提に。
実名 VS 匿名
海外の SNS は実名登録が多いらしい。汎用 SNS の Facebook、ビジネス用に特化した SNS の LinkedIn は実名が原則となっている。
一方、日本国内では匿名 (もちろん実名でも OK) が許容されている。2ch の文化なのか、日本人の気質なのか、匿名でないと嫌という人が多い。必然、国内の SNS も匿名 OK となっている。
友達 VS フォロー
SNS の強みとして、「友達」関係を築く機能がある。一般に、片方が友達申請を行ない、相手が許諾する形を取る。mixi, gree, facebook, LinkedIn, foursquare, Flicker etc. がこの方式を採用している。メリットは (表向き) 自分の気に入った相手とだけ「関係」を築くことができること。デメリットは、気に入らない相手から友達申請されたときに困ること。
相互の承諾を必要とする「友達」方式に代わって力を伸ばしているのが、Twitter で有名なフォロー方式。友達よりも緩く、互いの承諾を必要としない。気になる相手がいれば勝手に「フォロー」できる。これは一方的な友達関係で、相手の情報を自分が受け取ることしか出来ない。自分の情報を相手に受け取ってもらうためには、相手が「フォロー」してくれないといけないけれど、フォローしたからといって相手がフォローする義務はない。メリットは相手の承諾が不要なこと。デメリットは自分の意思に関わらずフォローされること (サービスによってはブロックする機能がある)。フォロー方式を採用しているサービスは Twitter, byflow, 読書メーター, 音楽メーターなど。
あとがき — これからの SNS
Facebook と Twitter の勢いが凄まじい。各種サービスが、これらのサービスと連携を図っている。結果、Facebook/Twitter が情報のハブと化し始めた。すると Facebook/Twitter を使う人も増える。正のスパイラルに入っている。
こうなった大きな原因は、Facebook/Twitter が API を公開したことが大きい。SNS はユーザーを囲い込むサービスだけれども、あえて全てを自分のサービスで行なわず、他のサービスと連携する道を選んだことが今の結果となっていると思う。
最後に、Google+ について。2011 年 6 月末にベータ版 (招待制) が始まっている Google の新しい SNS。Twitter と Facebook の良い所取りをしていると言われたりもしている。二週間でユーザー数が 1000 万人を越えたとも聞く。Google+ 用の API が公開準備中だと噂されるし、既に iOS 用 Google+ アプリは申請済とか。実際、使ってみて面白いと思う。Google+ がコケるか、Focebook/Twitter の競合となるか。2011 年のキーポイントになりそう。