2017-06-06 (火)、日本時間 2 時から 4 時にかけて Apple の WWDC が開催された。今回の WWDC は 6 つのメイン・トピックを掘り下げていくスタイルで展開された。メイン・トピックは次の通り:
- tvOS
- watchOS 4
- macOS High Sierra
- iOS 11
- iPad Pro
- HomePod
WWDC では開発者向けのカンファレンスで、通常ソフトウェア寄りの発表がおこなわれる。ハードウェアの発表は例外に当たる。今年は「例外」な年だった。iMac や MacBook のアップデート。Mac Pro の後継機 iMac Pro。次世代 iPad Pro に当たる iPad Pro 2。そして Apple の新製品スマート・スピーカー HomePod が発表された。なお、ネットで騒がれていた次世代 iPhone (iPhone 7s もしくは iPhone 8) の発表はなかった。
以下、各トピックについて簡単にまとめてみる:
1. tvOS
Apple TV に Amazon Prime Video が対応する。アプリのリリースは今年後半。
Amazon Prime Video 用のアプリは今まで Amazon の機器 (Amazon FireTV) でしかリリースされていなかった。Google の Chromecast も Apple の Apple TV も対象外だった。どうしても見たければ、iPhone や iPad から AirPlay でスクリーン・シェアするかし方法がなかった。Amazon Prime Video の専用アプリが tvOS にリリースされることで、手軽に Amazon Prime Video を楽しめるようになる。
2. watchOS 4
新 Watch Face
watchOS 4 では新しい Watch Face (文字盤) が 3 種登場する。
1 つ目は Siri の Watch Face。Siri はユーザーの好みや知りたいであろう情報を予測するように進化する (Google Now のように)。Siri の Watch Face では、カレンダー情報やチケット、ニュース、写真、天気予報など最新情報が自動的に表示される。
2 つ目は万華鏡 (kaleidoscope)。アナログ盤の背景が万華鏡のようになっているもの。
3 つ目はトイ・ストーリーの Watch Face。ミッキー・マウスの Watch Face のトイ・ストーリー版。キャラは 3 人用意されているけれども、トイ・ストーリーを見たことがないので良く分からなかった。
ワークアウト
ワークアウトは、ジムのマシンと通信できるようになる。シムのマシンにワークアウトの情報を渡したり、ジムのマシンからワークアウトにデータを渡すことができる。対応するジム (のマシン?) は 7 社。「Connect to Apple Watch」と表示されているところに Apple Watch を近づけると、データのやり取りが出来るようになるらしい。
ワークアウトに「+」ボタンが追加され、異なるワークアウトへ (例えばウォーキングからサイクリングへ) 簡単に移ることができるようになる。
ワークアウトは Apple Music アプリとも連携する。ワークアウトを開始したら、自動再生するプレイリストを選べる。また、ワークアウト中にスワイプすると Apple Music の再生画面が現れる。
Apple Music
自動同期機能が追加される。自動更新されるプレイリストも、新しい曲が自動的に同期される。
アルバムはカバー・フロー表示をサポートする。
3. macOS High Sierra
macOS
新しい macOS の名前は High Sierra。パフォーマンスの向上が図られている。Safari はより高速に。FileSystem は HFS から APFS (Apple File System) に変更され、大容量データのコピーがあっという間に終わるデモが行なわれた。ビデオでは H.265 をサポートし、Metal2 が発表された。Metal2 は Machine Learning での利用も視野に入れられている。
iMac & MacBook
iMac と MacBook で第 7 世代 CPU (Kaby Lake) がサポートされ、最大メモリーが 21.5 インチ版 iMac で 32 GB、27 インチ版 iMac で 64 GB へと増えた。今日から発売。
iMac Pro
Mac Pro の後継機 iMac Pro が発表された。価格は $4,999 から。発売は 2017 年 12 月を予定している。主なスペックは次の通り:
- 最大 18 コア Xeon プロセッサー
- Radeon Pro Vega GPU
- 最大 128 GB メモリー
- 最大 4 TB SSD
- 10 Gbps Ethernet
- Thunderbolt 3 ポート x4
4. iOS 11
iOS 11 の変更点は多いので別記事にする。Apple Pay による個人間送金機能と iPad 対応が大きく目を引いた。
5. iPad Pro
iPad Pro 2 が発表された。ラインナップは 2 つ。12.9 インチと 10.5 インチ。ベゼルが小さくなったことで、9.4 インチ・サイズとほぼ同サイズで 10.5 インチ版 iPad Pro が登場する。ストレージ・サイズは 64 GB, 256 GB, 512 GB。今日から予約開始。
大きな変更点は次の通り:
- 6 core の A10X CPU
- ディスプレイのリフレッシュ・レートが 120 Hz になった
- 用途に合わせてリフレッシュ・レートを自動調整 (24 Hz, 48 Hz etc.)
- Apple Pencil のレイテンシーが 20 ms へ
- バック・カメラは 12 MP (iPhone 7 と同じ)
- USB 3 用アクセサリー対応 (USB 3 - ライトニング・ケーブル等)
スペックの比較は別記事で。
6. HomePod
Apple のスマート・スピーカー。価格は $349 で、2017 年 12 月にアメリカ、イギリス、オーストラリアで発売開始。日本は初期発売国に含まれていない。
主なスペックは次の通り:
- A8 チップ搭載
- 6 個のマイク
- 7 個のツイーター
- Siri (英語のみ) & Apple Music 対応
高さ 17.2 cm、直径 14.2 cm の円筒状。重さは 2.5 kg。
Siri 経由で天気・ニュース・スポーツの結果などを尋ねることができる。AirPlay 2 を最初からサポートしていて、マルチ・ルームでの音楽再生に対応している。また、Apple TV と同じように HomeKit の母艦としても働く。
HomePod は周りの環境をスキャンして、サウンドを最適化する。これの音質がどの程度かは WWDC では分からなかった。