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2017-06-28

iOS 11 Programming -- 技術書クラウド・ファンディング出資募集中

PEAKS が iOS 11 の新機能に内容を絞った技術書のクラウド・ファンディングを開始した。PEAKS が技術書クラウド・ファンディングを行なうのは、今回が 2 度目 (1 度目は出資数未達により不成立)。出資体系は 2 つ: 電子版 + 製本版が 5,500 円、電子版のみが 4,000 円。クレジット・カード支払い。500 人の出資でプロジェクト成立。2017-06-27 (水) 9:05 現在 285 人が出資済。〆切は2017-07-28 23:59。目標人数に達しなかった場合、プロジェクト不成立。決済は行なわれない。

以下、プロジェクト概要より抜粋:

2017年6月5日、WWDC 2017 において発表された「iOS 11」はiOS 7のようなUIの派手な変更こそないものの、ARKit, Core MLなどの新しいフレームワークや新機能・アップデートが多く、大きな話題を呼んでいます。 しかし近年のiOSは複雑さを増しており、その全容を把握するのは困難となっています。

そこで本書はiOS11の新機能・アップデート内容を把握し、応用できるような内容を目指します。

PEAKS(ピークス)|堤 修一 吉田 悠一 池田 翔 坂田 晃一 加藤 尋樹 川邉 雄介 岸川 克己 所 友太 永野 哲久 - 第一線の開発者陣による「iOS 11 Programming」執筆プロジェクト! より引用

期待の執筆者は次の 9 人 (/ の後に担当する章を記述):

  • 堤 修一 / ARKit; Metal 2
  • 吉田 悠一 / Core ML
  • 池田 翔 / Swift 4
  • 坂田 晃一 / Xcode 9
  • 加藤 尋樹 / Drag and Drop; Files and Document Based Application
  • 川邉 雄介 / UIKit Guideline, AutoLayout
  • 岸川 克己 / Core NFC; PDFKit; SiriKit
  • 所 友太 / HomeKit
  • 永野 哲久 / 概略; Audio and Media

iOS どころでは有名な人達ばかりなので、とても楽しみ。各著者の説明や過去の著作については提さんのブログ記事にまとまっている。

とても面白そうなので、ぼくは昨夜のうちに出資してみた。期待を込めて、電子版 + 製本版の方を! プロジェクトが成立すると良いな。

ref.

2017-06-13

iPad Pro 12.9 第 1 世代と第 2 世代のスペック比較

2017-06-06 (火) の WWDC 2017 において iPad Pro 12.9 インチの第 2 世代が発表された。遅まきながら、第 1 世代とのスペックを比較してみた。

iPad Pro 12.9 インチ第 1 世代と第 2 世代の比較

例によって、優れている点を青字にした。

第 1 世代第 2 世代
プロセッサーApple A9X + M9Apple A10X Fusion + M10
メモリー4 GB
ストレージ32 / 128 / 256 GB64 / 256 / 512 GB
ディスプレイ12.9 インチ (2,732 x 2,048)
True Tone ディスプレイなしあり
解像度264 ppi
リフレッシュ・レート60 Hz最大 120 Hz (可変)
バックカメラ8 MP12 MP
バックカメラ (ビデオ撮影)1080p HD4K
フロントカメラ1.2MP7 MP
フロントカメラ (ビデオ撮影)720p HD1080p HD
ジャイロスコープあり
GPSあり
気圧計あり
指絞認証Touch ID (第2世代)
NFCなし
Qiなし
高さ305.7 mm
220.6 mm
厚さ6.9 mm
重量 (Wi-Fi)713 g677 g
重量 (Wi-Fi + Cellular)723 g692 g
コネクターLightning コネクター
スピーカー4 個
Wi-Fi802.11 a/b/g/n/ac, MIMO
Bluetooth4.2
Apple SIM (Wi-Fi + Cellular)なしあり

あとがき

iPad Pro 12.9 インチ第 1 世代が発表されたのは 2015-09-10。iPhone の発表イベントで iPad Pro も発表された。このイベントでは発売日は 11 月とだけ伝えられ、実際は 2015-11-11 に発売が開始された。遅れること半年、2016-03-22 のイベント「Loop You In」で iPad Pro 9.7 インチが発表された。予約開始は 2016-03-24 だった。

発売日で考えれば 1 年半のサイクルで iPad Pro 12.9 インチは第 2 世代が登場したことになる。

iPad Pro 9.7 インチには 12.9 インチ第 1 世代にはないスペックが色々と盛り込まれていた。True Tone ディスプレイ、Siri ハンズフリーへの対応、Apple SIM 内蔵等々。これらのスペックが 12.9 インチにも搭載される。Kindle の大画面マンガを True Tone ディスプレイで読んだり、置きっぱなしの iPad にむかって Hey Siri と呼びかけたり、海外に出かけた時もサクっと Apple SIM からデータ通信パックを購入したり... そういったことが可能になる。ありがたい。

iPad Pro 12.9 インチの大きさは第 1 世代と変わらないけど、重量が軽くなっている。Wi-Fi モデルで 36 g 減の 677 g、Wi-Fi + Cellular モデルで 31 g 減の 692 g。サイズから考えれば iPad Pro 12.9 インチの重さは軽いのだけど、マンガを何時間も読み続けていると手が疲れる。わずかでも軽くなってくれるのは嬉しい。

iPad Pro 12.9 インチ第 2 世代ではリフレッシュ・レートが最大 120 Hz。表示物によって可変になると言う。リフレッシュ・レートの最大値が増えることで、アニメーションはより滑らかになるだろうし、タッチの反応も良くなることが期待できる。リフレッシュ・レートが可変になることで、静止画を多く見る場合はバッテリーの消費が下がるという予測が立つ。その効果のほどはまだ予想にすぎない。早く実物を触って体験してみたい。

2017-06-10

32bit アプリとさようならする Apple

WWDC 2017 のセッション「Platforms State of the Union」で 32 bit アプリについて言及していたのでメモ。開始 3 分 30 秒頃。

  • iOS 11 では 64 bit アプリしか動かない
  • High Sierra は 32 bit アプリをサポートする最後の macOS になる
  • Mac App Store
    • 2018 年 1 月: 新しいアプリは 64 bit 必須
    • 2018 年 6 月: 全てのアプリ / 全てのアップデートは 64 bit 必須

macOS でも 64 bit 化の波はやってくる。

ちなみに iOS の App Store は現在既に 64 bit 対応していないアプリは申請できない。iOS 11 は 64 bit アプリしか動かないということは、32 bit な端末に iOS 11 が入らないことを意味する。具体的には次の端末は、実質 iOS 11 へのアップデートが出来ない:

  • iPod Touch: 第 5 世代以前
  • iPhone: iPhone 5, iPhone 5c 以前 (iPhone SE は iPhone 5 以降の端末なので大丈夫)
  • iPad: 第 4 世代以前 (iPad Air 1st が出る前のモデル)
  • iPad mini: 第 1 世代

ザクザク古いモノを切り捨てるのは、開発の注力分野を強制的に限定することで、開発サイクルを上げることにつながると思うので、個人的に好き。

2017-06-06

iOS 11 の新機能 〜 WWDC 2017 から

2017-06-06 (火) に開催された WWDC 2017 で iOS 11 の新機能が発表された。

簡単にまとめてみる。

iMessage

iMessage が iCloud に対応する。メッセージは全て自動的に同期され、どのデバイスからでもアクセスが可能になる。

Apple Pay

iMessage と Apple Pay を利用した個人間送金が可能になる。

Siri

Siri の音声がより滑らかになる。Machine Learning をバックグラウンドで使っているとのこと。また Siri はデバイスごとに学習して、候補などを出すようになる。

Siri を使って翻訳も可能になる。英語から中国語・フランス語・ドイツ語・イタリア語・スペイン語への翻訳が発表された。日本語は含まれていなかった。

H.265

H.265 をサポートする。これによって動画のサイズが半分ほどに減ることを期待できる。

Photos

メモリーがより賢くなる。メモリー再生中にデバイスを回転させても、画像を最適化してくれるとのこと。

Control Center

コントロール・センターはシングル・ページに戻る。単純にシングル・ページにしたのでは iOS 10 の全ての機能は表示できないので、よく使うものをメインに出し、詳細は 3D タッチでアクセスするようになる。

Live Photo

ライブ・フォトの編集が可能になる。キー・フォトの指定が可能になったり、ループやバウンス (逆再生) なども指定できるようになる。

Maps

空港のフロア・マップに対応する。

ナビ機能には車線案内が付く (らしいけど、日本ですぐに対応するかどうかは不明)。

HomeKit

ホームキット対応デバイスにスピーカーが加わる。

合わせて AirPlay 2 が発表された。複数のスピーカー操作が可能になる。マルチ・ルームで音楽を再生できるようになる。AirPlay 2 については API も公開予定。AirPlay 2 には複数のスピーカー・メーカーが対応を表明している。例えば Bang & Olufsen、naim、BOSE、Devialet、Dynaudio、beats、polk、DENON、McIntosh、marantz、B&W、Libratone、Definitive Technology、Bluesonud。

Apple Music

自分の聴いている曲を友達に知らせる機能が付く。

App Store

App Store はデザインが刷新する。パッと見、Apple Music のようだと思った。

Today, Games, Apps, Updates, Search の 5 つのタブが用意される。

iPad

iOS 11 は iPad 向けの新機能が熱い。

Dock (iPad only)

Mac のようなドック機能が付く。ドックの中にはアプリ・アイコンが一列に並び、アイコンを選ぶとアプリが起動する。よく使うアプリのアプリ・スイッチャーとしても使える。

ドックの右横は特別なスペース (Predictive Area) になっていて、これから使いそうなアプリが数個並んでいる。

ドックからドラッグしたアプリは、スライド・オーバーとして開くことも可能。

New App Switcher (iPad only)

アプリ・スイッチャーが刷新される。カバー・ビューみたいだったアプリ・スイッチャーは、平面にアプリがタイル状にならぶ形へと進化する。もし、スプリット・ビューで 2 つのアプリを開いている場合は、その状態をそのまま切り替えることが可能。

Drag & Drop (iPad only)

ドラッグ & ドロップがサポートされる。対象はテキストや画像 etc.

アプリ内だけでなく、スプリット・ビューを使って隣のアプリへ... アプリ・スイッチャーから別のアプリへと、自由度にあふれている。

QuickType Key (iPad only)

キーボードをフリップすることで、記号キーに「シフト・キー」なしでアクセスできる機能。iPhone には来ないのかな?

WWDC 2017 Overview

2017-06-06 (火)、日本時間 2 時から 4 時にかけて Apple の WWDC が開催された。今回の WWDC は 6 つのメイン・トピックを掘り下げていくスタイルで展開された。メイン・トピックは次の通り:

  1. tvOS
  2. watchOS 4
  3. macOS High Sierra
  4. iOS 11
  5. iPad Pro
  6. HomePod

WWDC では開発者向けのカンファレンスで、通常ソフトウェア寄りの発表がおこなわれる。ハードウェアの発表は例外に当たる。今年は「例外」な年だった。iMac や MacBook のアップデート。Mac Pro の後継機 iMac Pro。次世代 iPad Pro に当たる iPad Pro 2。そして Apple の新製品スマート・スピーカー HomePod が発表された。なお、ネットで騒がれていた次世代 iPhone (iPhone 7s もしくは iPhone 8) の発表はなかった。

以下、各トピックについて簡単にまとめてみる:

1. tvOS

Apple TV に Amazon Prime Video が対応する。アプリのリリースは今年後半。

Amazon Prime Video 用のアプリは今まで Amazon の機器 (Amazon FireTV) でしかリリースされていなかった。Google の Chromecast も Apple の Apple TV も対象外だった。どうしても見たければ、iPhone や iPad から AirPlay でスクリーン・シェアするかし方法がなかった。Amazon Prime Video の専用アプリが tvOS にリリースされることで、手軽に Amazon Prime Video を楽しめるようになる。

2. watchOS 4

新 Watch Face

watchOS 4 では新しい Watch Face (文字盤) が 3 種登場する。

1 つ目は Siri の Watch Face。Siri はユーザーの好みや知りたいであろう情報を予測するように進化する (Google Now のように)。Siri の Watch Face では、カレンダー情報やチケット、ニュース、写真、天気予報など最新情報が自動的に表示される。

2 つ目は万華鏡 (kaleidoscope)。アナログ盤の背景が万華鏡のようになっているもの。

3 つ目はトイ・ストーリーの Watch Face。ミッキー・マウスの Watch Face のトイ・ストーリー版。キャラは 3 人用意されているけれども、トイ・ストーリーを見たことがないので良く分からなかった。

ワークアウト

ワークアウトは、ジムのマシンと通信できるようになる。シムのマシンにワークアウトの情報を渡したり、ジムのマシンからワークアウトにデータを渡すことができる。対応するジム (のマシン?) は 7 社。「Connect to Apple Watch」と表示されているところに Apple Watch を近づけると、データのやり取りが出来るようになるらしい。

ワークアウトに「+」ボタンが追加され、異なるワークアウトへ (例えばウォーキングからサイクリングへ) 簡単に移ることができるようになる。

ワークアウトは Apple Music アプリとも連携する。ワークアウトを開始したら、自動再生するプレイリストを選べる。また、ワークアウト中にスワイプすると Apple Music の再生画面が現れる。

Apple Music

自動同期機能が追加される。自動更新されるプレイリストも、新しい曲が自動的に同期される。

アルバムはカバー・フロー表示をサポートする。

3. macOS High Sierra

macOS

新しい macOS の名前は High Sierra。パフォーマンスの向上が図られている。Safari はより高速に。FileSystem は HFS から APFS (Apple File System) に変更され、大容量データのコピーがあっという間に終わるデモが行なわれた。ビデオでは H.265 をサポートし、Metal2 が発表された。Metal2 は Machine Learning での利用も視野に入れられている。

iMac & MacBook

iMac と MacBook で第 7 世代 CPU (Kaby Lake) がサポートされ、最大メモリーが 21.5 インチ版 iMac で 32 GB、27 インチ版 iMac で 64 GB へと増えた。今日から発売。

iMac Pro

Mac Pro の後継機 iMac Pro が発表された。価格は $4,999 から。発売は 2017 年 12 月を予定している。主なスペックは次の通り:

  • 最大 18 コア Xeon プロセッサー
  • Radeon Pro Vega GPU
  • 最大 128 GB メモリー
  • 最大 4 TB SSD
  • 10 Gbps Ethernet
  • Thunderbolt 3 ポート x4

4. iOS 11

iOS 11 の変更点は多いので別記事にする。Apple Pay による個人間送金機能と iPad 対応が大きく目を引いた。

5. iPad Pro

iPad Pro 2 が発表された。ラインナップは 2 つ。12.9 インチと 10.5 インチ。ベゼルが小さくなったことで、9.4 インチ・サイズとほぼ同サイズで 10.5 インチ版 iPad Pro が登場する。ストレージ・サイズは 64 GB, 256 GB, 512 GB。今日から予約開始。

大きな変更点は次の通り:

  • 6 core の A10X CPU
  • ディスプレイのリフレッシュ・レートが 120 Hz になった
  • 用途に合わせてリフレッシュ・レートを自動調整 (24 Hz, 48 Hz etc.)
  • Apple Pencil のレイテンシーが 20 ms へ
  • バック・カメラは 12 MP (iPhone 7 と同じ)
  • USB 3 用アクセサリー対応 (USB 3 - ライトニング・ケーブル等)

スペックの比較は別記事で。

6. HomePod

Apple のスマート・スピーカー。価格は $349 で、2017 年 12 月にアメリカ、イギリス、オーストラリアで発売開始。日本は初期発売国に含まれていない。

主なスペックは次の通り:

  • A8 チップ搭載
  • 6 個のマイク
  • 7 個のツイーター
  • Siri (英語のみ) & Apple Music 対応

高さ 17.2 cm、直径 14.2 cm の円筒状。重さは 2.5 kg。

Siri 経由で天気・ニュース・スポーツの結果などを尋ねることができる。AirPlay 2 を最初からサポートしていて、マルチ・ルームでの音楽再生に対応している。また、Apple TV と同じように HomeKit の母艦としても働く。

HomePod は周りの環境をスキャンして、サウンドを最適化する。これの音質がどの程度かは WWDC では分からなかった。