友達と電話で雑談してたら、Social Bookmark の話になった。彼もぼくの blog を読んでくれてるのだが、前の二回の記事で SBM の魅力が伝わっていない。まあ、それもそのはず。あれは実験的な記事で、ぼく自身 SBM がどんなものか分かっていなかった。それ以前に SBM をまだ使ってなかった。 そこで、無謀は承知。今のぼくに書ける SBM の魅力をまとめてみる! あくまで私見。対象は Spurl と はてなブックマークなので悪しからず。
アウトラインは、(1) 今までのブックマークで何ができなかったか (2) SBM でどう解決されたか (3) SBM の SNS 的な魅力 という感じ。
ブラウザーのブックマークの不満
ウェブ・ブラウザー付属のブックマーク機能に何が不満か。ぼくは次のような制限に不満を感じる。
- ブックマークがブラウザー単位で管理されている。
- ブックマークに保存 (or 閲覧) できる情報が少ない。
- 探しているブックマークが見付からない。
SBM による解決
「ブックマークがブラウザー単位で管理されている」という事は、ブラウザーの数だけブックマークがあるということ。ブックマークの追加・修正・削除作業はブラウザーの数だけ必要。ブックマークのインポート・エクスポート機能を使ってもこれは大変。それに、出張先やネットカフェみたいに「自分のブラウザー」が使えないと「自分のブックマーク」が使えない。 SBM は、ブックマークをネット上で一元管理している。だからブックマークの修正も一回で済むし、ネットさえ繋がればどこでも見る事ができる。
次に、ブラウザーのブックマークの情報量の少なさ。基本的にブラウザーのブックマークはウェブページのタイトルと URL を保存する。でもブックマークの数が増えてくると、タイトル情報だけじゃ少なすぎる。ブックマークにコメントが残せるブラウザーもあるけれど、メニューからブックマークを見る時、コメントは読めない。その点、ほとんどの SBM は残したコメントはブックマークと一緒に表示されるようになっている。さらに、 はてなブックマークは「詳細」ボタンを押せば、 はてなブックマークはブックマーク先を一部抜粋して表示してくれるし、 Spurl では snip という名前でウェブページを抜粋するフォームが用意されている。つまり、ブックマークを見返した時、「ブックマーク先」を容易に思い出せる。
そして、ブックマークが見付からない問題。干し草の中で針を見付けるのが大変なように、ブックマークの森の中から目的のブックマークを探すのは大変。その為に、フォルダーなんか作って階層化したりするけれども、それは「どのフォルダーにブックマークを入れたか?」という問題に変わってしまう。結局、目的のブックマークは見付からないまま。この問題解決には SBM が一番力を入れていて、サービスごとの違いがよく現れていると思う。
はてなブックマークは二つの方法を提供している: (1) コメント検索 (2) タグ。コメント検索は自分のコメントに対して検索がかけられるというもの。検索キーワードにヒットしたブックマークが一覧表示される。「タグ」は、 del.icio.us という SBM が始めたもので、好きなキーワードをブックマークに付けられる。タグの一覧は はてなブックマークの右サイドに置かれ、使用回数の多い「タグ」ほど大きく、最近使われた「タグ」ほど色が変わって表示される。もちろん、「タグ」をクリックすれば、その「タグ」の付いたブックマークが一覧表示される (検索キーワードを入力しない簡易検索と考えてもよいかも)。これは自分のブックマーク (ひいては自分の興味) の傾向を目で見られるので面白い。
Spurlは (1) 検索 (2) カテゴリー分け (3) タグ をサポート。検索は、タイトル・コメント・snip・本文 (キャッシュしたテキストを検索しているのか?) に対してかけられ、マッチしたブックマークが一覧表示される。カテゴリーは階層分けされたフォルダーのようなもの。カテゴリー分けというと、「どのカテゴリーに分類すべきか?」という問題があるけれども、 Spurl は複数のカテゴリーにブックマークを登録できるので (あまり) 困らない。そしてタグ。 はてなブックマークのように、よく使う・最近追加したタグを強調表示することはないけれど、複数のタグの AND 検索ができる。この他、「最もよく使うブックマーク」「最近訪れたブックマーク」「最近追加したブックマーク」の一覧がある。
SNS としての楽しみ方
上に挙げた SBM の特徴は、ブックマークを 便利に使う機能。でも、ブックマークを 楽しんで使う機能こそ、 SBM の醍醐味と言える。
SBM の面白さ、それはブックマークを公開することにある。
そこには、公開されたブックマークを見る側と見られる側のメリットがある。見る側のメリットは、ブックマークを付ける人の「個性」というフィルターのかかった情報を得られる事。それは Google のような万人向けの検索結果ではない。「音楽」と「映画」を愛する人の興味と「絵画」と「建築物」を勉強する人の興味は自ずと違ってくるはず。そんな個性の差が思わぬ発見を生み出す。共通の興味を持つ人のブックマークは、自分の代わりに良いページを見つけてくれるようなもの。
公開ブックマークを見られる側は、「見られる」などと考えず、「情報を発信する」、つまり公開ブックマークを小さなブログと考えるといい。今はトラックバック機能こそないけれど、ブックマークを見た人からのフィードバックはある (と思う...)。 SBM によって、ブックマークを非公開にもできる (少くとも はてなブックマークと Spurl はできた)。
思わぬ所で、人と人が繋がるのは SNS と同じ楽しみ。
それぞれのサービスについて書くと、 はてなブックマークでは、同じページをブックマークしている人数が表示される。人数が多い程、面白いページだと考えられる。また、ユーザーのリンクを辿って同じ興味を持つ人を見つけ易い。あと、はてなダイアリーのキーワードとも連携が取れていて面白い。
Spurl は、自分のブックマークを解析して (?)、 Spurl がお勧めのブックマークを表示してくれる。ブックマークの数が多くなれば、お勧めの精度が上がるそうなので楽しみ。そして、 Spurl が面白いのは、ブックマークされた情報をベースにした検索エンジン Zniff。検索ロボットの替わりに人力を使ってしまおうという発想。昔、ソーシャル・キャッシュ・サービスを作って、キャッシュ情報を基に検索エンジンが作れないものか、と考えたものだけど、似たアイデアは実用化されていたのかとちょっと悔しい。
まとめ
まずは、マイナーで面白いページを自分でブックマークしてごらんなさい。そして、そのページをブックマークしている人の数をチェックする。他の誰からそのページをブックマークしたら、その人のブックマークを訪ねてみよう。きっとその中に、面白いリンクが見付かるはず。
SBM は他人のを見るより自分で作る方が楽しい!
ref
- はてなブックマーク
- Spurl
- Zniff
- 2005-07-19 Spurl 始めました
- 2005-07-18 はてな Bookmark へのリンクを追加
SBMの魅力、よく伝わりましたよ。早速わたしもはてなに登録し、試しにclmemo@akaをブックマークしてみました。
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