2013-04-09 (火)、Fans:Fans 経由でロジクールの新作イヤフォン・ヘッドフォン タッチ&トライ ブロガー・ミーティングに参加した。
概略
イベントの概略は下記の通り:
- 日時: 2013-04-09 (火) 19:30-21:00
- 場所: 東京都渋谷区神南 1-17-5 クーラビル B1F (JINNAN CAFE)
- 定員: 不明
- 主催: ロジクール株式会社
最初にスライドで、簡単な社歴とブロガー・ミーティングで触らせてくれる商品の説明が成された。その後は、スタッフが各テーブルを周りながら、新作の商品を持ち回った。時間配分を明確にしており、合図でテーブルに商品が配られる。時間が経つと、また合図があって商品は回収され、他の商品が配られる。このようにして、全てのテーブルに全ての商品が満遍なく、ほぼ均等な時間触れる配慮が成されていた。とてもスムーズな進行だったと思う。
商品は大きく分けて 3 つ。Bluetooth スピーカー 2 機種。ヘッドフォン 3 機種。イヤフォン 1 機種。
イヤフォン、Bluetooth スピーカー、ヘッドフォン (下位機種から順に上位機種へ) の順番で試聴した。以下、順番に感想を書く。
Logitech Ultimate Ears UE900
Ultimate Ears ブランドのイヤフォン。参考価格 39,800 円。
最初は、イヤフォンが耳から落ちてしょうがなかったけど、スタッフの人が装着方法を教えてくれたら、ピタリと耳に納まった。iPhone に圧縮音源で入れていた以下のアルバムの曲を聴く。
FAKIE の「To The Limit」から To The Limit。ギターとボーカルだけのシンプルな楽曲。特に女性ボーカルが太めに力強く聴こえる。
「スタジオジブリの歌」から「天空の城ラピュタ」の 君をのせて。ボーカルが入る前のアンサンブルが聞きもの。ダダダダ、ダ・ダン。という低音が厚く無理なく聴こえた。低音が出てるんじゃなくて、低〜い低音を上手くカットして音量を大き目にしている。イヤフォンという小さな「スピーカー」ゆえの処理だと思うけど、低音が汚くなっていない点がイイ。高音やボーカル以外の周りの音が少し聞きとりづらい。電車の中でボーカルを聞くなら、とても良いチューニングだと思った。
トランス・シベリアン・オーケストラの「Beethoven's Last Night」から Mephistopheles' Return。メタル・オーケストラに男性ソロと二声の男声合唱、加えて少年合唱にクワイアが加わる大編成曲。音楽は聴けるものの、迫力という面ではいま一つ。編成が大きすぎて、細かい音を聴きとりきれない。
手嶌葵の「The Rose」から What Is A Youth? ニーノ・ロータが作曲を手がけた映画「ロミエとジュリエット」の主題歌。手嶌葵の少しかすれ気味のボーカルが前面に押し出されて聴こえる。途中から入るピアノの低音・高音が美しい。
全体的に、ボーカルを前面に押し出す感じのイヤフォン。声には厚みがあり力強い。その代わり周りの音は少し手が回っていない。クラシック曲などには向かなさそう。
Boombox WS800 & Mobile Boombox WS500
Bluetooth スピーカー WS800 と WS500。ぼくは、この商品の旧作に当たる (であろう) Mini Boombox のレビューを過去に書いている。むしろ、こちらをお読み頂きたい。
- clmemo@aka: Logicool Mini Boombox レビュー (1) モニター商品到着
- clmemo@aka: Logicool Mini Boombox レビュー (2) 音質編
- clmemo@aka: Logicool Mini Boombox レビュー (3) 操作編
本商品は今日発表。4/19 より発売開始とのこと。今回のイベントの目玉だったのかもしれない。値段は WS800 が 24,800 円。WS500 が 9,800 円。ぼくはこのうち WS800 のみ聞いた。
特徴は、Bluetooth で同時にペアリングできる機種が複数台持てること。普通、Bluetooth スピーカーと再生装置のペアリングは一対一で行なう。だから、A さんの iPhone と B さんの iPhone で音楽を交互に聴きたいと思ったら、A さんの iPhone とのペアリングを解除した後、B さんとペアリングして、ようやく B さんの iPhone から音楽が聞ける。
この機種を使うと、ペアリングを複数台維持できるので、A さんと B さん二人の iPhone を同時にペアリングできる。A さんの iPhone で音楽を聞いたら、すぐに B さんの iPhone から音楽を流せる。これはちょっと便利。ただし、2 つの iPhone から同時に音楽を鳴らすことは出来ないとのこと。
イベントにおいて、この WS800 と WS500 が非常に残念な感じを生んでいた。第一に、色んな場所でこのスピーカーが鳴るので、自分の音楽を鳴らしてもよく聞こえない。第二に、ヘッドフォンは左右から音が聞こえるので音に広がりがあるけれども、WS800 はあくまで一体型のスピーカーなので音の広がりがない。
どんなに音が良くっても、周りの音に埋もれちゃあ正しい評価は出来ないし、せっかくの高音質もヘッドフォンとの方向性の違いが顕著に現れて大きな不利だった。
ヘッドフォンとは別イベントで商品発表した方が良かったと思う。また、できればブース式にして他のテーブルの音を遮音するなりして欲しい。音楽が混ざってよく分からなくなる。過去にぼくのブログでやった様に、モニター商品として家庭でゆっくり使ってもらうのも良かったかも。
UE4000
Ultimate Ears のヘッドフォン。参考価格 9,800 円。
FAKIE の To The Limit を一聴してイヤフォン UE900 との差を感じた。ボーカルは UE900 と比べると細み。けれど、それはぼくが家のスピーカーで聴いているボーカルのイメージに近いもの。UE4000 を聴くと、イヤフォン UE900 が「音を作っている」と感じる。
周りの音とのバランスも良くとれている。人によっては、UE900 にあったボーカルの力強さがなくなって、平坦な音になったと思うかもしれない。それは好みとして、クラシック音楽の様な曲には、UE4000 はオススメと思った。イヤフォンにこだわる必要がなければ UE4000 の方がコスト・パフォーマンスは高い。
手嶌葵の What Is A Youth? では、深い低音とより美しい高音が楽しめた。これも、重低音感がなくなったと思う向きもあるかもしれない。でも、本当のピアノの低音は UE900 が表現する様な量感は持たないもの。UE4000 の方がよりリアルなピアノの音だった。
UE6000
おそらく、今回のイベントで最も音の良かったヘッドフォン。参考価格 19,800 円。
「おそらく」と付けたのは、まともに評価できなかったから。というのも、iPhone に入っている音源は昔にエンコードした圧縮音源。これを良いオーディオで聴くと、音がシャリシャリしたり、変にエコーがかって聞こえる。UE6000 では当にその症状が現れた。とてもじゃないけど、聴くに堪えない。自分の持ってる音源の「音のアラ」を見事に映し出された。
こんなこともあろうかと、可逆圧縮の音源を持参するつもりだったけど、MacBook Air 到着の忙しさにかまけて用意を怠った。そのツケが来た。
とにかく、この「アラ」を出せるヘッドフォンは質がイイ。出来れば、ちゃんとした音源を用意して聴きたかった。
UE9000
ヘッドフォン 3 機種中、一番高機能で高価格な一品。参考価格は 34,800 円。
Bluetooth 対応。ノイズ・キャンセリング対応。加えて、ケーブルを繋げることで有線ヘッドフォンとしても利用可能。
Bluetooth の無線方式は音楽の圧縮を行なう。必然、有線方式より音が悪くなる。UE6000 でまともに音楽が聴けなかったので、スタッフに有線ケーブルを借りる。無線方式には目もくれない。
今回のイベントには、ぼくのブロガー友達でオーディオ友達であるけろさんも顔を出していた。彼なら無圧縮の音源を持っているはず!! ヘッドフォン片手にけろさんのテーブルに驅け寄り事情を話すと、待ってましたとばかりに iPhone と Walkman を貸してくれた。中に入っているのは、無圧縮音源。
山下達郎のベスト・アルバム「Opus」(三枚組) から 3 枚目より映画「サマーウォーズ」のエンディング・テーマ 僕らの夏の夢 を聴く。
UE4000 とは比較にならない表現力。UE4000 だと「いっぱいいっぱいで頑張ってます」って感じを受けたけど、UE9000 は余裕を持って音楽を聴かせる。
UE9000 には、UE6000 にない Bluetooth 機能やノイズキャンセリング機能が付いている。こういった複雑な回路が入れば入るほど、音は悪くなる。UE6000 と UE9000 を直接比較できなかったのは痛いけれど、二機種の価格差がこういった「機能」の差なのだとしたら、単純な音質では UE6000 の方が高いかもしれないと思った。
ちなみに、スタッフに質問を投げたところ、UE6000 と UE9000 では音作りの方向性も違うとの答えが返ってきた。もしそうならば、どちらが好みかは「音作りの方向性」が合うか合わないかで決まりそう。
あとがき
4 万円近いイヤフォン UE900 には少しの失望を。一方、2 万円弱のヘッドフォン UE6000 には高いコスト・パフォーマンスを感じた。できることなら、自分の好きな曲をちゃんと可逆圧縮で iPhone に入れて再試聴にのぞみたい。
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