2012-10-12

オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 6 回)

2012-10-11 (木)、なお&トラさん邸をけろさんとともに訪問した。2012-05-13 の訪問以来、5 か月ぶり。6 回目の訪問。

実は九月中に訪問する予定だったものの、なお&トラさんの体調不良で延期。次の訪問日を確定しないで日々を過ごしていたところ、先日のけろさん邸訪問で話が盛り上がってあっという間にスケジューリングが終わってしまった (けろさん、ありがとう)。

夜 19:00 時にお邪魔して、22:30 までたっぷり 3 時間半。素晴らしい音楽、ぼくが買ってきたケーキとなお&トラさん家の美味しいコーヒーで楽しんだ。

前半は CD を聴き、後半は LP を聴いた。

CD システムの感想

  • CD プレーヤー: 塚田改 CD プレーヤー
  • パワー・アンプ: emuju アンプ
  • スピーカー: Thiel CS5

Thiel のスピーカーを聴く。なお&トラさんに、もしかして私が Thiel を聴くのは初めてではないか? と訊いたら、Yes との答え。けれど、ブログを漁ってみたら第 4 回に聴いていたことが判った。ただ、第 4 回はストラディヴァリウス・ミニ・コンサートがメインだったので、Thiel を本気で聴いていなかった。本気で聴く Thiel は初めてとなる。

一緒に行ったけろさんが、沢山の CD をかけて下さった。ぼく好みのオーディオ・システムだった。その感想は、ぼくが愛聴盤にしているワルター指揮によるベートーヴェンのコリオラン序曲だけで十分だと思う。

まず音が柔らかい。それでいて緻密な音を聴かせる。Esoteric の K-01 の様な高い解像度ではない。ぼくが知る中では、Playback Designs MPS-5 (約 250 万円) の音作りに近い。今回聴く CD プレーヤーは以前のものに更にチューンナップを加えたものという。けれど、鳴らしているスピーカーが違うので、その違いを認識することは出来なかった。

次に音が遠い。音場は Thiel の後方に展開する。弦楽器は両翼から弧を描く様に後ろに配置され、管楽器・ティンパニーが更に後ろから聴こえる。蛇足ながら、ボーカルものはボーカリストがスピーカーよりやや後ろに立つ感じ。なお&トラさんに聞くと、「S 席の一番後ろから聴く感じ」を狙っている、というか好みとのこと。なるほど、椅子から見える音像は、正に遠くのオーケストラを一望するイメージに近い。それでいて、音は分離しきらず、混ざり合わず。絶妙のバランスで包みこむ様に聴こえてくる。

コリオラン序曲のヴァイオリンが主旋律を歌うのは当然として、ヴィオラ (かな?) が内声部を歌っているのがちゃんと聴こえる。トランペットは遠くから、奥行きを持って音を届けてくれる。ティンパニーも芯を通した低音が出て気持ち良い。ワルターが何やら楽譜をガサゴソやっているらしい雑音も聞こえてくるので、解像度は高いはずなのに、そういった「オーディオ・マニア」的な「良さ」はさり気なく流させてしまう。

好みを言えば、左右の壁にのめり込む位い音場が広がって欲しい。でも、S 席後ろの音場ってそうなのかな? 違う気がする。ぼくが求めているのは、S 席の前方の音像かな? すると、なお&トラさんとぼくの目標は似ている様で違っていることになる。翻って考えてみると、「S 席後方」という理想を掲げるのはなかなか出来ることじゃない。理想を掲げるスタート地点において、なお&トラさんはぼくのずっと前に居る様に感じた。

LP システムの感想

  • LP プレーヤー: Linn LP12
  • フォノイコライザー: ?
  • パワー・アンプ: emuju アンプ
  • スピーカー: ダイヤトーン 2S-3003

LP システムの音は解像度が高かった。CD システムよりも解像度が高いと感じた。そして質も上だと感じた。クッキリとした輪郭。音は包み込むというより直線的に飛んで来る。CD システムでは音楽ホールに居る感じがしたけれども、こちらはまるでスタジオのモニター・ルームの様。響きも定位も音楽性も申し分ない。けれど疲れちゃう。

そこでなお&トラさんに質問をした。CD システムと LP システムで、どちらの音を求めているのか? と。

その答えが、前半に書いたなお&トラさんの理想。「S 席の一番後ろ」だった。そして、LP システムは理想への発展途上である... と。今回の LP システムの音は、今までのなお&トラさんの音とは随分違っていたので、ぼくはなお&トラさんの好みを把握し損ねていたのかと心配したが、そうではなかった。一安心。

更に踏み込んで説明をしてもらう。曰く「Thiel は素晴らしいスピーカー。だけど、ユニットの数が多い。ネットワークが複雑になる。これを改善できないかと、中身を見てみたが、手を出せる代物ではないと締めた。そこでユニット数の少ないもの (ダイヤトーン 2S-3003) で Thiel と同じ方向性を求めた」。フムフム。納得。

そして最後に、真空管の聴き比べをした。パワー・アンプに挿さっている真空管を取り換えて、同じ曲を聴く。

最初の真空管は解像度の高い音。二つ目の真空管はフワッとした空気感。三つ目は最初と二つ目の間。四つ目は CD の様な音が出る。その場に居た人間は、皆、二つ目の真空管が好きだと言った。この真空管が、一番 CD システムの音に近かった。最初から、二つ目の真空管を使っていてくれればとも思ったけれども、最初の真空管に疑問を持ったから真空管の聴き比べが出来たのかな。そう考えると、まんざら悪くもない。

あとがき

CD も LP も音楽を楽しむことができた。来月も会いたいね、という話をしたけれども、はてさてどうなることやら。

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