オーディオ・システムをある程度揃えると、周りに目を向ける様になる。スピーカー・セッティング、ルーム・チューニング、各種オーディオ・ケーブルのグレード・アップ etc.。その一つに電源の強化がある。
オーディオ機器は電源に敏感で、(日本なら) 100V の「キレイ」な電源が来ることを想定して作られている。ところが、夏のマンション住まいではエアコンの消費が激しく電源は 100V を切る。インバーター製品を使うと、電源にノイズが乗る。他にも色々な問題があって、本当に「キレイ」な電源を得ることができない。
そこで、クリーン電源や(電源の)アイソレーションなどといった機器が発売されている。価格は安いもので 10 万円台。高いものは 50 万円を越えてくる。
そんなに高い物に手は出ないよ! と諦めていた所、面白い記事を見つけた。
家庭内の電気ノイズに目をつけて対策を行なうというもの。普通は、オーディオ専用の「電源」機器をオーディオ・システムに繋ぐのだけどれども、逆の発想で「ノイズ・フィルター」をノイズを出しそうな機器のコンセントに繋いでオーディオ側にノイズを回さない様にしようというアイデア。
買ってみた
上記エントリーで紹介されていた機器を買ってみた。
ELECOM OAタップ(雷サージ対応) KT-180
ヤザワ ノイズフィルター集中SW付3個口1m黒 SHV1513BK
ELECOM のタップは 527 円。ノイズ・フィルター付。コンセントの数は 2 つ。
ヤザワのタップは 800 円。ノイズ・フィルター付。コンセントの数は 3 つで、集中コンセント・スイッチ付。
効果のほどは...
ELECOM のタップは、常に起動している冷蔵庫に使った。ヤザワのタップは、電源のノイズを沢山出しているという PC 系のタップとして使った。
これらのタップを挿すと、音楽が力強くなった。グッと押し出す感じが強くなる。ボリュームを大きくした時にようやく聞ける迫力が、普段の音量で楽しめる。ちょっとしたクリーン電源を買ったのかと思うほど。
欠点もある。スピードが遅くなった。音の立ち上がりが鈍くなった。ピアノを打鍵した時、今まで聞いてた音よりも音の出が遅くなっている。
あとがき
長所と短所がはっきりしているので、好みに合わせて使い方を考えれば良い。スピード感のあるジャズやロック、クラシックを聞くには不向き。だけど、同じロックでもボーカルを力強く聞きたい場合は OK。という具合。
値段が千円を越えないのも嬉しい。一つ買って、ワン・トライ。駄目でもそれほど財布に響かない (10 万円を越えるオーディオ専用電源と比べて)。
もう一点。既に家の中で「ノイズ・フィルター」付のタップを使用していないか? ちょっとチェックしてみる。もし使っていて、音楽がどうも今一つ「楽しくない」と思っているなら、一旦タップを外してみる。これで音楽が楽しくなるなら、「ノイズ・フィルター」なしのタップに買い換えたら良い。
ちなみにぼくは、短所の方が気になってこれら「ノイズ・フィルター」付タップの利用は止めた。新しく電源タップを買う時も、ノイズ・フィルターのない物を選んで買っている。
蛇足
回路に詳しいひと二人にこの話をしてみた。
一人は、家全体を回路だと簡略化して考えてみると、ノイズ・フィルター付きのタップを導入するのは回路にコンデンサーを付けるのと同等になるのではないか? との意見。回路のことは分からないけれども、上に書いた様な長所・短所が現れることになると言う。
もう一人はもっとオーディオと回路に詳しい人の話。「家庭の電源回りは、家々で違っていて一般論がないんだよね」とのこと。結局、家全体を回路として考えれば良いという話は同じなんだけど、家によってその「回路」が大きく違う。だから、自分の家で効果があっても他の家でも効果がないかもしれない。オーディオの電源を取るコンセントの位置と、ブレーカーの位置と、ノイズ・フィルターを付ける位置。やりよう次第では悪影響なしに効果を出すことも出来るかもしれない、し、できないかもしれない。
そういうわけで、オーディオをやっている人は、こういうやり方もあるんだな... 程度で受け取めてもらえれば嬉しい。
No comments:
Post a Comment