2006-06-23

6 次の隔りとケビン・ベーコン数

「6 次の隔り (Six Degrees of Separation)」という言葉をご存じかしらん。「世界中の人々は、平均 6 人の友達を通じて、みんな繋がっている」という考え。世界は人々が思っているよりも、ずっと狭かった。いわゆる「スモール・ワールド (ネットワーク / Small World Network)」という科学の話をする時に、外せない用語の一つ。

1967 にスタンレー・ミルグラム博士がアメリカ国内で行った実験に端を発する。とはいえ、ここ 30 年、研究は下火になっていた。事態が変わったのは、ここ数年。インターネットという絶好の研究対象とコンピューターの性能向上があって、研究が盛んに行われている。

ケビン・ベーコン数

それで、ケビン・ベーコン数ってのは映画俳優ケビン・ベーコン (Kevin Bacon) を例に、六次の隔りについて調べる遊び。ケビン・ベーコンと共演した俳優、その俳優と共演した俳優、またその俳優と共演した... と辿っていき、何人の共演俳優を辿るとケビン・ベーコンと共演しているかを表す。

The Internet Movie Database (IMDb) のデータを使ったケビン・ベーコン数を調べるサイトが出来たことで「ケビン・ベーコン数」は一躍有名になった。

例を一つ。「アル・ジョルソン (Al Jolson)」のケビン・ベーコン数を調べてみやう。

Al Jolson は、1927 年の映画「ジャズ・シンガー (The Jazz Singer)」 (一般に最初のトーキー映画と言われる) で主演を務めた伝説的俳優。作曲家ジョージ・ガーシュウィンを世に送り出し、「お楽しみはこれからだ (You ain't heard nothin' yet!)」という名台詞を残した。

彼は、1930 年に「Show Girl in Hollywood」で Walter Pidgeon と共演。Pidgeon は 1973 年に「The Neptune Factor」で Michael J. Reynolds と共演。そして、Raynolds は 2005 年の「Where the Truth Lies」でケビン・ベーコンと共演している。従って、アル・ジョルソンのベーコン数は 3。案外小さな数でせう。ケビン・ベーコン数の場合、ほとんどの俳優は 2〜4 人の共演者で繋がっているらしい。映画の世界は、六次の隔りより狭いということか!

7 comments:

  1.  面白かったです。
    >「お楽しみはこれからだ (You ain't heard nothin' yet!)」
     これはアル・ジョルソン (Al Jolson)の台詞だったのですか!
     って、アル・ジョルソンさんを知ったのはこの投稿が初めてだったりして=)。

     ひょっとしてxpotechiさんのSeven Degreesって、6 次の隔り (Six Degrees of Separation)から来てるのかなぁ?
    Six Degrees + One ってな感じで…。
     って、@akaさんに聞いても仕方ないですね=)。

    ReplyDelete
  2. > 面白かったです

    嬉しいなぁ。これを期に、是非アル・ジョルソンの出演する映画をレンタルしてみて下さい。大きなビデオ屋さんなら、「ジャズ・シンガー」(初のトーキー映画)、「アメリカ交響楽」(ジョージ・ガーシュインの伝記映画)、「ジョルソン物語」(アル・ジョルソンの伝記映画) などが手に入り易いと思います。

    > xpotechiさんのSeven Degreesって、

    う〜ん、どうなんでしょうね。
    ブログのスミからスミまで読んだら答えが書いてあるかもですね ;)

    ReplyDelete
  3. This comment has been removed by the author.

    ReplyDelete
  4. (書き損じたわい。えい、再投稿)
    そです、そです、6次の先。旧ブログのプロフィに書いてました。ってワタシが答えても仕方ないですね=)

    ところでベーコン。ハリウッドのヒエラルキーでは669位なんだそうです。最もベーコン数が小さい蛸足な俳優は179本映画出まくりのジョン・ウェインではなく○○○。

    というクイズを書こうと思ってcame acrossしました、書いたらLINKしますね、ほいじゃ~。

    (答えは"The Tipping Point"p.47だよ)

    ReplyDelete
  5. ほほう。Long Tail World に旧ブログがあったとは!

    さてさて。satomi さんの出した問題の答えが気になる。

    The Tipping Point は 2002 年の本ですね。フムフム、Amazon の「なか見! 検索」で調べましたよ。答えは、ズバリ Rod Steiger (ロッド・スタイガー)。

    ウーム。私は出演作が 250 を越えるクリストファー・リーかと思ってた。

    ReplyDelete
  6. @akaさん、大正解。なか見検索か…やられた。旧ブログは7°さんのですよん。

    ReplyDelete
  7. > なか見検索か…やられた。

    フフフ。やった :)

    > 旧ブログは7°さんのですよん。

    7°? ブログ・サービス? わ、分かんない ^^;

    ReplyDelete