先日、お宅訪問させて頂いたけろさんの計らいで、なお&トラさん邸にお邪魔する機会を得た。18 時半から 22 時まで、ほぼ 3 時間半に渡って (一番良い席で) 音楽を聞かせて頂いた。けろさん、なお&トラさんの他、なお&トラさんの師匠 (?) も加わっての 4 人でのオフ会と相成った。
なお&トラさんのオーディオ・システム
なお&トラさんはアナログ (LP) の再生が専門とのこと。CD プレーヤーもあったが、メインは LP ということで、今回の訪問でも LP を中心に聞いた。アナログ・システムの概要は以下の通り:
(写真はクリックすると大きくなります)
- LP プレーヤー: Linn LP12 (改: サブシーャーシをニュージーランドの CETECH 製に変更)
- フォノイコライザー: 塚田フォノイコライザー (モノラル・フォノイコライザー)
- パワー・アンプ: 塚田アンプ
- スピーカー: 三菱 ダイヤトーン 2S-3003
- スピーカー: Thiel CS5
まず注目すべきは、プリ・アンプがないこと。フォノイコライザー・アンプから直結でパワー・アンプに繋いでいる。従って、音量調整は出来ない。音質を優先させた結果とのこと。
使っているアンプは市販されていない「塚田アンプ」。また音が良いらしい。
スピーカーは、手前にあるのがダイヤトーン (右スピーカーの上に小さなオブジェが乗ってる)。奥にあるのが Thiel CS5。今回は、ダイヤトーンで聞かせてもらった。
試聴タイム
普段はメモを取りながら音楽を聞くんだけど、一曲目から素晴らしい音だったので、メモを取るのも忘れて聞き入ってしまった。以下に示すのは記憶を頼りに作った曲目リスト。これでもまだ抜けがある (まず最初にかかった曲名を憶えていない!)。
CD タイトルは Amazon へのリンクになっている。もちろん、かかったのは LP なので、同じ曲の CD 版という位置付けと考えて欲しい。ちなみに、「西田佐知子」の LP だけ分からなかったので、聞いた曲を収録しているベスト盤へのリンクとした。
- Both Sides Now 〜 「シンガーズ・アンリミテッド: ア・カペラ」
- シャコンヌ 〜 「バッハ: 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」グリュミオー
- 「バッハ: フーガの技法」グールドより
- 第 1 楽章 〜 「ベートーヴェン: ピアノ協奏曲第5番」ゼルキン (p)、小澤指揮ボストン交響楽団
- Stardust 〜 「Nat King Cole: Love Is the Thing」
- 第 4, 5 楽章 〜 「ベルリオーズ: 幻想交響曲」ミュンシュ指揮パリ管 (オリジナル盤)
- Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band 〜 「The Beatles: Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」
- Within You Without You 〜 「The Beatles: Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」
- 大序曲「1812 年」 〜 「チャイコフスキー:1812年/イタリア奇想曲、他」オーウェン・ケネス指揮ロンドン交響楽団
- Hotel California 〜 「The Eagles: Hell Freezes Over」
- 「ストラヴィンスキー: 春の祭典」コリン・デイヴィス指揮コンセルトヘボウ管弦楽団より
- 第 1 楽章 〜 ウィエアニフスキ「ヴァイオリン協奏曲第 1 番」
- アカシアの雨がやむとき 〜 西田佐知子
- コーヒー・ルンバ 〜 西田佐知子
非常にゆったりとしたオーディオ・システムだった。三時間半、聞き続けても疲れない。とても柔らかい音だった。
最初は低音が良く出て高音が小音量な「ピラミッド型」の音を出すのかと思ったけど、さにあらず。シンガーズ・アンリミテッド、ナット・キング・コール、西田佐知子を始めとしたボーカルものでも、声が前面に出てくる感じ。声のニュアンスも聞きとれた。低音から高音まで、非常にバランスが良い。
音像定位も明確で、ベルリオーズの「幻想交響曲」では前面にオーケストラの配置がモノクロームな感じに描かれる。第一ヴァイオリンが左側で、管楽器が右奥で、低弦が右前で鳴ってと、左右だけでなく奥行きのある音場で、しかもそれがブレない。音の鳴る位置の分かるシステムは多いけれど、位置のブレないシステムは少ない。
音の分解能 (解像度) も高く、ホテル・カリフォルニア (ライヴ) の観衆の拍手や口笛が一つ一つの音として聞こえる。また、「幻想交響曲」の第5楽章でピッツィカートがパラパラ鳴るところもヴァイオリン一台一台別の音として聞こえた。並のシステムだったら、音が固まって団子のやうになってしまうのに。
響きも適度に乗っていて心地良い。グリュミオーの無伴奏パルティータやシンガーズ・アンリミテッドの合唱で、音の余韻がス〜ッと部屋のどこかに消えて行く様は絶妙だった。
最後に音に「雑味」がない点を強調したい。出てくる音が素直。変な色や味付けが加わっていない。
雑味のないことが音の柔らかさに繋がり耳に優しい。音像定位がピタリとしていることで安心して聞ける。解像度が高いと、つい疲れる聞き方をしてしまうけど、「音の柔らかさ」と「音像定位の良さ」が長時間聞いていても疲れないシステムへと変貌させているとみた。
あとがき
少しセッティングをいじると CD も聞けるので、もし次回伺うことがあれば自分の CD を持って行きたい。あと、後ろにあった Thiel CS5 の音も聞ける日が来ることを楽しみにしています。
シンガーズ・アンリミテッド、ビートルズ、グリュミオー、グールドについては同じものを CD で持っているので、自宅のオーディオ・システムで聞き比べて、反省の材料にさせて頂く。スピーカー・セッティングをもっと練らなきゃなぁ。。。
ご訪問下さり有難うございました。まだまだ導入して間もないダイヤトーン2S-3003ですので、納得するところまでいってません。どんな音がするのかも聴かずに買いましたので、やっとこんな音がするのか、という感じです。しかし聴いてもらえるレベルまで来ましたので、お越しいただいた、というところです。是非これからも定期的にいらしてください。ある進化をもって聴いてもらえるようにしておきます。それから次回はTHIEL CS5も聴いてください。
ReplyDeletenao_torachan さん、こんにちは。こちらのブログでは初めまして。
ReplyDeleteあの音で「納得していない」ことにびっくり、「どんな音がするかも聴かずに買った」で更にびっくりです。nao_torachan さんがよろしいのであれば、是非、定期的に伺わせて下さいませ。
そうそう。THIEL CS5 の音も楽しみにしています。
次回伺う際は、少しですが、自分の CD も持っていくようにします ;)
ダイヤトーン2S-3003のネットワークを変更しましたので、劇的な変化をしました。これには師匠と二人で驚きました。是非聴きに来てください。
ReplyDeleteなんと! それは素晴らしい。是非、訪問させて下さい。
ReplyDelete当方、現在休職中で、体調さえ良ければ (あと他の予定とブッキングしなければ) いつでも大丈夫です。
nao_torachan さんの都合に合わせるのがよろしいのかな? と存じます。きっとけろさんも聞きたいと思うので、けろさん経由で日程調整するのがベストかな? 新ネットワークの実力を聞けることを楽しみにしています。
# 私のメアドはお渡しした mini card に書いてあるのでご存じですよね? 何かあれば、そちらに直接メールして下さっても構いません。