2012-03-10 (土)。なお&トラさん邸を訪問した。2011-05-16 の訪問以来、約 10 か月ぶり。4 回目の訪問。
といっても目的はオーディオじゃなかった。なお&トラさんの知人繋がりで、ストラディヴァリウスのヴァイオリンを聴けるという。その演奏を開くのが目的。いや、実は、サプライズでストラディヴァリウスを弾かせてもらったりもしたんだけれどもね :)。
13 時集合。17 時過ぎまで楽しいミニ・コンサートを堪能した。
その後、何人かが残ってなお&トラさんのオーディオ・システムを聴いた。なにぶんストラディヴァリウスのコンサート後ということもあって、集中力を欠いてしまったが、10 か月の変化ぶりは大きなものがあったので備忘録として記事に残しておく。
Thiel CS5
メイン・システムのスピーカーが Thiel CS5 に変わっていた。CD プレーヤーが繋がれていた。アンプは塚田アンプ (新バージョン?)。
Thiel はアメリカのスピーカー。CS5 は 6 つものスピーカー・ユニットを持つ。Axiss のサイトによると、CS5 のリリースは 1989 年。トールボーイ・タイプの走りだったという。
初めてなお&トラさんのお宅に伺った時。目的はこの Thiel CS5 を聞くことだった。ところが、直前にダイヤトーンの 2S-3003 を購入。メイン・スピーカーが変わっていた。結局、過去の訪問では Thiel はただ突っ立っているだけのオブジェになっていた。お付き合いから 1 年半弱の期間を間に挟んで、Thiel CS5 初試聴。
一言で言えば「自然」。変に力が入っているところはなく、広めの音場が展開される。バッハの無伴奏の CD では、スッとヴァイオリンの音が流れ出てくる。リストの曲を聴きながら、コーヒーを (ダイニングで!) 頂いたが、リスニング・ルームから流れてくるピアノの音が会話の邪魔にならない。ついついかぶりつきで聴きたくなるオーディオが多いなか、ゆるやかに心に入り込むオーディオ・システムに仕上がっていた。
低音の膨らみはなく、嫌味なく下へと音が伸びる。ピアノを聴くと、低音の量感は感じさせないが、低音のピアノの音が耳に入って来る。生のピアノ演奏はこうなんだろうな、と思わせる。これがぼくの言いたい「自然さ」。
なお&トラさんは、スピーカー・ユニットが多すぎることを気にかけて、ダイヤトーンを購入したと聞いている。今回の試聴ではユニットの存在を特に感じることはなかった。スピーカーの上から下まで、奇麗に音が繋がっている様に思った。ただ、聞いた CD がヴァイオリン・ソロ、ピアノ・ソロだったので、CD 選盤にも助けられていたのかもしれない。オーケストラを鳴らしたら、なお&トラさんの不満点が出てきたのかな? それとも、不満点が出ないだけの向上を見たから、メイン・スピーカーに復活したのかな? 疑問は次回の訪問で確かめられる... といいな。
ダイヤトーン 2S-3003
今までメインのオーディオ・ルームに在ったダイヤトーンが、サブのオーディオ・ルームに移った。LP を聴かせてもらう。今回、リスナーの主役が他に居たので、ぼくは少し脇によけて音楽を鑑賞した。
一番大きな変化はスケール感の変化。部屋が近さくなった。スピーカー間隔が狭くなった。スピーカー・セッティングとルーム・チューニングの変更は、ダイレクトに「音楽」のスケール感に影響を与える。それがいけないわけじゃない。部屋を変えれば、その部屋に合ったセッティングをすべきだし、ダイヤトーンのスピーカー移動は成功している。
問題になるのは過去のオーディオ・システムからの変化を考える時。スケール感が小さくなったことを考慮に入れて、それ以外で良くなった点・悪くなった点を伝えたい。ここからは言い訳になるけれども、ぼくはその挿し引きを入れて物が言えるほどの人間じゃあない。だから、誤りもあると思う。謝りを先に入れた上で、ダイヤトーンの奏でる音の変化について書いてみる。
初めて聞いた時、ダイヤトーンはゆったりとした音を出していた。柔らかい。聞き疲れしない。これが二度目の訪問になると、パリッとしてエッジのはっきりした音へと変貌していた
。過去の記事を引用してみる。
以前の音をよく描けた「絵」だとするなら、今回の音は「写真」に近い。
三度目の訪問で洗練を見る。スピーカーの音を感じさせない
。第三回訪問記から引用。
初回の印象よりも音の響きが抑え目になったかもしれない。二回目の印象と比べると、モニター系の「切れる」様な音でなくなった。ただ、そんな違いを論じるのは、今回の音を聞けば無意味に近い。スピーカーの存在を気にしなくなり、そこに音楽があるという感覚。
さて、四度目の訪問。感想。これまた「自然」。なお&トラさんの目指す音は、自然であることなのかもしれない。ぼくの拙い文章能力で描写するならば、今回の音は森を写真に撮った様な自然さ。比べて三度目の訪問時の音は、CG で作った森を見る感じ。パッと見た目、CG の方が見栄えが良い。クッキリ、ハッキリ感も高い。美しい。そして細部をずっと見ていると、感動が薄くなる。人工物だな... と気付く。自然を撮った「自然さ」がないことに気が付く。好みは CG よりも「自然」。全く素晴らしい音に仕上げて下さること。凄い!
かけたアルバム
LP は売っていないものもあるので、CD 盤で...。Something Else から枯葉、Eagles の Hell Freezes Over からホテル・カリフォルニア、西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」と「コーヒー・ルンバ」。他にもかけたけれども、メモを取っていないので。ごめんなさい。
あとがき
初 Thiel 体験。ダイヤトーンの進化。オーディオでも楽しませてもらった。今回は、別企画がメインということで自分の CD を持参しなかった。音の違いは、自分の愛聴盤で聞くと分かり易い。次回は CD を持って伺いたいところ。
今回、イベントで出会った方々には、是非うちのオーディオも聴きに来て欲しいと思うのだけれども、なお&トラさんのオーディオ・システムと比べると遥か格下なので、誘う勇気が出ない。困ったもんだ。
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