2010-07-10

IdeaPad S10-3 と iPad 3G を比べる

今話題の iPad 3G と IdeaPad S10-3 を比べてみた。

まずは簡単なスペック比較から

IdeaPad S10-3iPad
タイプ折り畳み式ノート PCタブレット
サイズ (mm)268x24.4x168242.8x189.7x13.4
重量 (g)1200730
OSWindows 7iPhone OS 3.2
ディスプレー1024x600 (10.1 インチ)1024x768 (9.7 インチ)
CPUIntel Atom N450 (1.66 GHz)Apple A4 (1 GHz)
メモリー1 GB256 MB
ストレージ250 GB (HDD)16/32 GB (フラッシュ)
LAN有線 LAN ポート (10/100 BASE)
Wi-Fi (802.11 b/g/n)
Wi-Fi (802.11 a/b/g/n)
Bluetooth2.1 + EDR2.1 + EDR
キーボードなし
付属デバイスマイク
ステレオ・スピーカー
ヘッドフォン端子
マイク端子
マイク
モノラル・スピーカー (?)
ヘッドフォン端子
加速度センサー
環境光センサー
デジタル・コンパス
AGPS
CD ドライブなしなし
USB ポートUSB x3なし

操作性の比較

「HMV のページにログインして購入履歴を見る」作業を例に操作性の比較を行なってみませう。

起動

IdeaPad も iPad も、電源オフにさえしなければ、起動は至ってスムーズ。そこからロックの解除となると、指一本でロックを解除できる iPad に少し歩がある。

IeaPad には内蔵カメラを使った VeriFace という機能があるらしく、それを使うと iPad よりも手軽にロックの解除ができるかもしれない。ただし、ぼくは時間がなくて VeriFace の設定までは出来なかった。

ネット接続性

iPad 3G は 3G 回線のある所ならどこでもネットにアクセスできるので場所を選ばない。だからブックオフで急に調べものがしたくなった時も問題ない。

IdeaPad は Wi-Fi 接続しか出来ないのが痛い。どんなに小さかろうと、Wi-Fi スポットを探さなくては使えないのでは意味がない。世の中には、「どこでも Wi-Fi」の類が出ていて欠点を補おうとしている。確かに「どこでも Wi-Fi」は便利だが、「どこでも Wi-Fi」起動までに時間がかかること、「どこでも Wi-Fi」のバッテリー容量も別に管理しなくてはいけないこと、そして IdeaPad と「どこでも Wi-Fi」との二台持ちになること、等々、手軽さからは離れてしまう。

ウェブ・ブラウザー

一旦ネットに繋がるやうになったら、ウェブ・ブラウザーを開く。iPad には Safari という選択肢しかない (最近、Opera がアプリとして加わった。また Firefox も準備中と聞く)。対して IdeaPad は Windows 7 で動くウェブ・ブラウザーが全て動く。即ち、iPad で動くウェブ・ブラウザーに加えて最新の Firefox, IE, Google Chrome etc. が選べる。また、Plug-in や拡張機能への対応も iPad 版より IdeaPad の方が優れている。

ウェブ・ブラウザーでは選択肢の広さで IdeaPad が一つ抜きんでている。また、IdeaPad 上のブラウザーのほとんどが Adobe Flash に対応していることも、iPad に対する大きなアドバンテージ。

キーボード操作

ウェブ・ページを開くと HMV のページにアクセスしたい。ここでは、ブックマークに保存していない場合を想定しやう。Google に行って、「HMV」と入力する。HMV のページにアクセスしたら、「注文履歴」を選択してログイン・ページを出す。メール・アドレスとパスワードの入力を行なう (HMV のページはメアドとパスワードをキャッシュに保存してくれないので、毎回入力する必要がある Xp)。

入力においては、ハードウェア・キーボードを持つ IdeaPad が絶対的に優利。二週間もすれば完璧なブラインド・タッチが可能になる。難を言えば、「Enter」キーが小さい。ぼくは二週間使って Enter キーの隣にある キーを押し間違えることを直すことができなかった。

iPad のソフトウェア・キーボードは、iPhone より大きく打ち易いが、ハードウェア・キーボードには敵わない。誰か iPad のソフトウェア・キーボードでブラインド・タッチを可能にする方法を教えて欲しい!!

入力する文章が長くなれば長くなるほど、IdeaPad の優位性は高くなる。一方、ほんの少しの入力 (Twitter) などでは、起動までの時間・ネット接続性の良さが iPad の欠点 (キーボード入力の悪さ) を補って余りある。

マウス操作

HMV のサイトで「注文履歴」や履歴一覧から注文した「注文番号」をクリックして、ウェブページを閲覧する。

ここの操作性では段然 iPad が良い。大きな画面をタッチしてスクロール、リンクをタップしてオープン、全ての操作が直観的で素晴らしい。タッチパネル・タイプの一番良い点が、このマウス系操作性の直観性でせう。

IdeaPad ではキーボード下についているタッチパッドでマウス操作を代替する。他の ThinkPad 系を借りた人の話だと、このタッチパッドの感度が悪くて嫌だと云う。少くともぼくが借りた IdeaPad S10-3 ではそのようなことは感じなかった。タッチした通りにマウス・カーソルが動いて文句はなかった。

IdeaPad のタッチパッドで文句があるのはクリック・ボタン。どうにも押しにくい場所にあって、使い勝手が悪い。操作の流れの中で、スムーズに押せる位置にクリック・ボタンが置かれていないように感じる。少くとも二週間使って、全く慣れることが出来なかった唯一の点と言っても良い。仕方がないので、USB マウスを外付けしたけれど、それでは「コンパクトなネットブック」の良さを大きく減じてしまう。

総括

ウェブを閲覧するだけなら iPad + 3G が素晴らしい。そこにキーボード入力の割合が増えてくると、IdeaPad の良さが浮かび上がって来る。

また、iPad がまだ iOS4 のマルチタスクに対応していないことも大きいけれど、複数のアプリを動かそうとすると IdeaPad の操作性 (というか Windows 7 の操作性) に軍配が上がる。

どれだけシンプな操作を好むのか (iPad)? それとも、シンプルな上に事務的な作業も併存させたいのか (IdeaPad)。そのどちらを選ぶかで iPad + 3G を好むか IdeaPad を好むかが分かれるように感じた。

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