2007-12-24

QUAD のスピーカー 11L を買った

今日はクリスマス・イヴ。というわけで、自分にクリスマス・プレゼントを買った。イギリス QUAD (クオード) 社のスピーカー。11L。

ブックシェルフ・タイプ。サイズ、幅 190 mm, 高さ 330 mm、奥行き 265 mm。重さ 1 台 6 kg。インピーダンス 6 Ω。色は Rosewood。定価 105,000 円。開店一周年記念かつ展示品一台のみということで、65,000 円で購入。

スピーカーはペアで買うから、2 台で 12 kg。重い荷物を手で持って、エッコラショっと持って帰った。

なんでスピーカーを買ったかというと...

本当は、今日は、スピーカーを買いに行ったんじゃなかった。友達が新しく入荷したという真空管アンプ「Air Tight」の音を試聴しに行くといふので、つき合った。ぼくは本当は、オマケな存在のはずだった。二人 (と店員さん) で、Air Tight の音を楽しんだ。

この時、試聴に使ったスピーカーは二種類。Tannoy 社の Stirling (スターリング) と Sonnus faber 社の Grand Piano Domus (グランドピアノ・ドムス)。前者は友達が選んで、後者はぼくの希望。どちらのスピーカーも、お値段はペアで 50 万円位い。とてもじゃないけど、手の出るスピーカーじゃない。いつかはこんなスピーカを、とは思うけど、今は無理。オーディオ・ショップの試聴室の中だからこそ聴ける贅沢、と割り切りたい。

そんなはずなのに、いざ帰ろうかといふ時に聞いてしまった。

「安いスピーカーはないですか?」

思えば、これが間違い (?) の始まりだった。店員さんは、それならと QUAD 11L を提示してくれた。

QUAD との出会い

少し時間を遡って、2007-08-25。ぼくは QUAD のスピーカーを初めて聴いた。その時のモデルは、QUAD ESL 988 (or 989)。

QUAD の ESL スピーカーは普通のスピーカーと大きく違ってる。ESL は、大きな板のような形をしていて、その中に膜が張られている。そして、クーロン力を使ってこの膜を前後に振動させ、音を出す。一般のスピーカーのやうに、コイルや振動板や「フレミングの左手の法則」を使わない。

この ESL スピーカーの音に、ぼくは一発で魅かれた。嫌味なく響く低音が魅力だった (ぼくは Bose のやうな低音が苦手)。ピアノの音がスッと出てくる。オーケストラは高音から低音まで、まんべんなく鳴る。こんなスピーカーを買いたい。

でも、高かった。

一番安いモデルで、一台 525,000 円。ペアで買うと 100 万円を越える。

しかも、大きい。

ESL 988 が、幅 67 cm、高さ 94 cm、奥行 31.5 cm。ESL 989 は幅と奥行が同じで、高さが 133.5 cm。スピーカーを二つ並べたら、幅が 130 cm に達する。スピーカーは左と右を離して置くものだから、130 cm ではすまない。幅 2m 位いはみておかないといけないかな? 6 畳一間なら、壁一面がスピーカーになっちゃう。

今は財布も部屋も余裕がないけれど、頭と耳には「QUAD ESL」が刻まれた。

そこで、QUAD 製スピーカーのファンになったかといふと、さにあらず。ぼくは「ESL 方式」のスピーカーのファンになった。むしろ、QUAD 社の作る「普通のスピーカー」には興味を示さなかった。店員さんが QUAD 11L を勧めてくれるその日まで、ぼくは QUAD の ESL 以外のスピーカーで試聴したことはなかった。

QUAD 11L

QUAD 11L は、CEC 社のプレーヤーと Luxman 社のアンプで試聴した。試聴ディスクは、二枚。これを Sonnus faber の Concertino Domus (スピーカー、ペアで定価 178,000 円) と聴き比べした。ちなみに、Concertino Domus は、来年の夏に購入予定だったスピーカー。

試聴ディスクの一つ目は管弦楽曲で、ワルター指揮コロンビア交響楽団のベートーベン作曲「コリオラン序曲」。低音の「ジャーン・ジャン」って所が聴きどころ。ティンパニーの鳴り方とかコントラバスの厚みに注目。弦の響きは、Concertino Domus に軍配。ただ、管弦楽としての厚みと低音は QUAD 11L の方が出ていた。好みを言えば、少し低音が出過ぎ。まぁそこは、高音のよく出るアンプを (将来) 買うことで解決することにした。

試聴ディスクの二つ目はピアノ曲。アンドレ・ワッツの弾いたリストの「ラ・カンパネッラ」。この人のリストは、高音部が絶品。ピアノの響きを二つのスピーカーで聴き比べると、Concertino Domus の圧勝といふ感じ。聴き所の高音に関して言えば、QUAD 11L は高音に伸びがない。

なんか、QUAD 11L が悪さうに書いているけれど、QUAD 11L と Concertino Domus には価格差 (定価 105,000 円と 178,000 円。実売価格では 65,000 円と約 160,000 円) があるんだからしょうがない。むしろ、夏まで待って 16 万円のスピーカーを買うより、今、6 万 5 千円で買いたい。そう思わせる実力が QUAD 11L にあると思った。だから、買った。

あとがき

スピーカー QUAD 11L を買った。手元には、友達から譲り受けた CD プレーヤー ONKYO C200 がある。

あとはアンプさえ揃えば、音が出る。

というか、アンプがないので、今、音が出ない。

みなまで言うな。分かってる。

CD プレーヤーを譲ってくれた友達が、アンプを一月に貸してくれる予定になっている。とりあえず、音はもうすぐ出る。そして来夏、アンプを買う予定。はてさて、どうなることやら。

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