2009-04-02

【SPI・国語(長文)対策】冒頭で「煮詰まる」を見かけたら、その問題は飛ばせ

タイトルは半分ツリ。SPI いわゆる就職試験において、国語の長文問題を解く時のアドバイス。長文の最初の段落で「煮詰まる」という表現を見かけたら、その長文問題を後に回して次の問題に移ることをお勧めする。時間が余ったら、その長文問題に改めて取りかかればいい。

「煮詰まる」の罠

Yahoo! 辞書 (大辞泉) で「煮詰まる」を引いてみた。

  1. 煮えて水分がなくなる。「汁が煮詰まる」
  2. 討議・検討が十分になされて、結論が出る段階に近づく。「問題が煮詰って来た」

長文問題で「煮詰まる」という表現が出る場合、ほとんどは 2 番目の意味で使われる。「結論が出る」という意味だから、「煮詰まる」は本来文章の終わりの方で使われる。

ところが、時々、「煮詰まる」が文章冒頭で現れる。この場合、「煮詰まる」を「行き詰まる」の誤用として用いていることが大半。大辞泉でも、この誤用について解説が載っている。

近頃では、若者に限らず、「煮詰まってしまっていい考えが浮かばない」のように「行き詰まる」の意味で使われることが多くなっている。本来は誤用。

Yahoo!辞書 - に‐つま・る【煮詰(ま)る】 より引用

このやうな誤用をしてしまう「作者」は、日本語に明るいとは言えない。大低、これと似た誤用を他でも犯す。接続詞の使い方も変だったりする。長文が多くて、おまけに文章も捩れがち。「国語」の長文問題としては失格な文章と思っていい。

不幸なのは、こんな文章を読まされる受験生。まさか受験問題で「まともでない日本語」を読まされるなんて思っていないから混乱する。下手をすると、頭に血が上って残りの問題を解くのにまで支障が出てしまうかもしれない。

だから、「煮詰まる」という表現を冒頭で見かけたら、その問題は飛ばしてしまう方がいい。もちろん、文章冒頭に「正しく」煮詰まるを使う作者もいると思う。でも、リスクは小さい方がいい (飛ばしたら前の問題に戻れないタイプの試験の場合、しかたがないけれど...)。

就職試験

就職試験と、学生がそれ以前に受けて来た試験 (例えば高校受験や大学受験) では大きな違いがある。それは就職試験の質が玉石混淆であること。

就職以前に学生が受ける試験は、おしなべて質が高い。特に受験用の問題は、委員会を作って一年かけて作成している場合すらある。だから問題の一つ一つに至るまで、何人ものチェックが入っている。長文問題でも、課題長文の選定に長い時間をかけている。間違っても、日本語の誤用を含む文章を課題文に選ばない。

一方、就職試験は一年もかけて試験を作る手間なんかかけない。多くは、試験を作る会社に作成を依頼している。一部は自社で (人員もいないのに) 試験問題を作っている。ほら、玉石混淆な試験ができるプロセスが見えてきた。

非道いところは、問題文の日本語すら「中学生の作文か?」と見間違う。

学生は今まで質の高い試験ばかり受けて来たので、質の低い問題を見た時、カルチャー・ショックを受ける。「国語」の問題を得意にしている学生は、さぞびっくりすることでせう。

あとがき

質が低いと思われる問題はスキップする。国語の長文問題の場合、課題文がまともな日本語で書かれていない問題が鬼門。できることなら、文章の頭で「まともでない」文章かどうかを判断したい。そこで、日本語の誤用を判断基準にしたいのだけど、文章冒頭に現れるだけでほぼ誤用と判かる例はそうそうあるわけじゃない。

今回は、たまたま「煮詰まる」という表現がその例にあたることに気付いたのでエントリーにしてみた。こんな例は他にもあるかもしれない。もし見つけたら、コメントなりトラックバックで教えて欲しいな。

追記: 質の低い問題を出す会社には入らなければいいじゃないか

残念ながら、一流企業でも質の低い問題を出す。というのも一流企業の一部は、選考プロセスに自社開発の問題を出すことがあるから。試験作成の会社が作っているのでない分、とき〜どき、変な問題が出来てしまうことがある (やうに思う)。

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