2008-11-14

感圧式と静電式 〜「Touch Diamondで考えるスマートフォンの未来」ブロガーミーティング

予告通り、昨日一昨日「Touch Diamondで考えるスマートフォンの未来」ブロガーミーティングに参加した。

今回のブロガー・ミーティングは全 2 回構成で、昨日はその第 1 回目に当たる (第 2 回の開催は 12 月)。

第 1 回のアジェンダはこんな感じ。

  1. Microsoft の Windows Mobile 6.1 (Touch Diamond の OS) のプレゼン (30 分)
  2. HTC Touch Diamond のプレゼン (30 分)
  3. 実際に Touch Diamond を触ってみる

全体的に、「Touch Diamond」に触れてもらうことに主眼が置かれていた。ブロガー・ミーティングの題名になっている「スマートフォンの未来」を考えるのは、第 2 回でメインに行なうとのこと。

感圧式と静電式

Touch Diamond のタッチパネルは感圧式だった。感圧式は、タッチパネルを押した時の圧力を感知して、どこがタッチされたか判定する。一方、iPhone や iPod Touch が採用しているタッチパネルは静電式 (静電容量式)。静電式は、人が持ってる徴弱電流を感知して、どこがタッチされたか判定する。

(Touch Diamon) 感圧式の長所は次の通り。

  • 爪で操作可能。爪の長い人でも大丈夫。iPhone は、爪で操作できない。
  • タッチペンで操作可能。小さなボタンを押したりする時、便利。iPhone は、タッチペン使用不可。
  • 手袋つけて操作可能。これからの冬の寒い時期、手袋つけて操作するのは大変。iPhone は手袋つけると操作できない。
  • 押してる感がある。タッチパネルを少しグッと押す操作感。同じボタンを複数回押す時 (例えば携帯風の日本語入力で...)、何度押したか感覚的に掴みやすい。
  • 誤入力しにくい。ちょっと指が触っただけで、何かのボタンを押してしまうということがない。

逆に、iPhone の静電式の長所 (言い換えれば感圧式の短所) は次の通り。

  • マルチ・タッチできる。ピンチ・イン、ピンチ・アウトができる。Touch Diamond はマルチ・タッチ非対応
  • 力を入れずに入力できる。指をなぞるだけで OK。感圧式ではできない。

かうして挙げてみると、感圧式の方が優れているやうに見える。でも、ぼくは、「使いやすいのは圧倒的に静電式」と言いたい。これは、スペック云々といふ話じゃなくて、片方の方式から他の方式へ切り替えた時の、ぼくの経験的な話。特に入力方式を切り替えた時のストレスの違い。

ぼくは感圧式のデバイスとしてソニーのデジカメ DSC-T300 を使っている。この操作感に慣れた所で、iPhone を買った。この時、iPhone を使うのに時にストレスは感じなかった。

デジタルスチルカメラ(DSC-T300)

逆に、iPhone に慣れた今、DSC-T300 や今回の Touch Diamond に触るとストレスを感じる。タッチパネルに「力を入れない」と操作できない面倒臭さ。これが一番の原因。まず、押す側として「力」が必要。そして、支える側として同じ「力」が必要。だから使いづらい。画面の端を押す時なんか、ちゃんと支えてないといけない。感圧式デバイスだけを触ってた時は気にならなかったけど、iPhone を触った後だとストレスに感じる。だって、iPhone なら軽く触れるだけで良かったから。支えはいらない。ちょっと無理なかっこうでも入力できる。一回り大きな iPhone でも、入力する気になる。

iPhone では、確かに同じボタンを複数回押すのは難しい。携帯電話のように「お」を打つのに「あ」キーを 5 回も押すのは、大変。でも、代わりにフリック入力がある。フリック入力なら「お」はワン・アクションで入力できる (「あ」キーを下にはじく)。とても軽快かつ合理的。

もう一つ、Twitter のクライアント・アプリ Twittelator で入力中に誤って「送信」ボタンを押してしまい、入力途中の文章が Twitter に送られることが良くあった。この問題は、「送信」ボタン押下後、「Send Tweet」という確認ボタンが現れるやうになって解決した。

言いたいことは、静電式の欠点の多くは、UI の工夫でどうとでもなるといふこと。そして一度静電式に慣れると感圧式のストレスは耐えがたいといふこと。

感圧式のタッチパネルを採用していると、従来の UI に満足して新しい UI の模索が進まない気がする。ユーザーも、変化がないから新機種への移行がスムーズに進むでせう。一方、新しい UI を採用すると、初めて使うユーザーはとまどうでせう。でも、ユーザビリティ向上の可能性が生まれる。iPhone にはそれがあると思うし、これからのタッチパネル採用デバイスは静電式を取り入れてくれたらいいな。そう、Touch Diamond を触って思った。

2 comments:

  1. 面白い記事ですね!
    実は、Touch Diamond の購入を考えていたのですが、見送る決心がつきました。
    私が購入を考慮した動機は、タッチパネルよりも、SIM フリーにあったのですが、代金がひも付きでないと高いという日本携帯の欠点はそのままだったので、ちょっと迷っていたところです。

    タッチパネルが iPhone とは確実に異なるということがわかった @aka さんの記事は、とても参考になりました。

    情報、ありがとうございま~す。

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  2. タッチパネルの件については、ブロガー・ミーティングでも意見の分かれるところでした。特に爪の長い人には、iPhone よりも良いという声が多かったように思います。私は深爪なので、その不便さが分からないのですけど ^^; タッチパネルの感度は、他の感圧式に比べると高いと思いました。購入を考えているなら、iPhone と Touch Diamond は自分の手で触るのが確実だと思います。

    SIM フリーの件はよく分からないのですけど、Touch Diamond は世界中 (日本でも複数通信業者) からリリースされるので、料金についてはちゃめさんに合うものが出るかもしれません。希望的観測ですけどね :p

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