2013-02-20

(朗報) iPad 上の Safari で Blogger ブログの表示にモバイル版が使われなくなった

Blogger のテンプレートには、PC 用のウェブ・ブラウザーで使う「普通」のテンプレートと、モバイル用のウェブ・ブラウザーで使う「モバイル」版テンプレートの二種類がある。

モバイル版テンプレートは主に iPhone を始めとしたスマートフォンのブラウザーに適用される。モバイルで見るには邪魔なサイドバーが消されたり、ブログのトップ画面ではブログ記事がスニペット表示されるなど、モバイル向けの工夫が凝らされている。

Blogger in mobile version

欠点と言えば、サイドバーテンプレートのカスタマイズに自由度が小さいことか。

iPad での表示

数か月前から、iPad の Safari で Blogger ブログを見ると「モバイル版」の画面が表示された。iPad は画面が広いので、モバイル版のテンプレートを適用する必要があると思わない。ぼくは自身のブログを含めいくつかの Blogger ブログを見てみたけれども、どれも「モバイル版テンプレートは逆に見づらくなっていた。

それが数日前から、iPad の Safari で見る場合でも「普通」のテンプレートが使われる様になった。つまり、元に戻った。

Blogger ブログを iPad で見るなら、やっぱり「普通」のテンプレートの方が見やすい! ありがたい。

2013-02-19

Terminal 上の Emacs でウィンドウの大きさをマウスで変える方法

Emacs を Terminal (ターミナル) 上で開かなきゃいけないケースが時々ある。ssh で他のマシンにログインしていて帯域が狭い時とか、screen の中で Emacs を使いたいとか、そもそも X を起動していないとか。

で、ウィンドウを二つ作ったけれど片方のウィンドウを大きくしたい (もしくは、片方のウィンドウを小さくしたい)。

そんな時、M-x xterm-mouse-mode を使う。このマイナー・モードを ON にしてやると、ターミナル上でもウィンドウの選択・拡大縮小が可能になる。

蛇足

ウィンドウの大きさを変えた後、ウィンドウ・サイズを均等に戻したかったら C-x + (M-x balance-windows) が便利。ターミナルで使えることはもちろん、X 上の Emacs でも使えるのでお試しあれ。

あとがき

ターミナルでウィンドウの大きさを変えたいというのは、元は @naoya_ito さんのツイートによる。

最初、emacs -nw の話だと思わなくて変なリプライ返しちゃったけど、Emacs 好きとしては是非解決したいと思い調べてみた。@naoya_ito さん曰く、昔は出来なかったっぽいので、最近の変更なのかもしれない。少くとも、手元の 23.1.50 では動いた (今の Emacs の最新は 24 系)。

2013-02-17

NTT R&D: 身の回りのあらゆる "モノ" の情報を収集する

NTT レゾナント主催のブロガー・イベントで、NTT R&D フォーラムを見学した。展示のレビューを書く。

超小型無線センサー端末

まずはサンプルの写真をどうぞ。

NTT R&D Forum 2013

モック (携帯電話) の頭にくっついている立方体。これが主役のデバイス。サイズ 5 x 5 x 5 mm の立方体。携帯電話につけてもこのサイズ!!

巨大サンプルがあったので写真撮影。

NTT R&D Forum 2013

手前の淡い黄色のボックスが振動センサー。これは温度センサー、受光センサー、磁気センサー、加速度センサーなどに取り替え可能。

上に見える青紫色の平面が太陽電池。そう、このデバイスは、こんなちっちゃな太陽電池だけで動いちゃう。やろうと思えば、太陽光ではなく振動や温度から作る電気で動かすことも可能だとか (昔、手の振り・振動を電池にして半永久的に動く腕時計なんてあったね)。

NTT R&D Forum 2013

こちらが無線 IC。データ通信の「ビット送り」の時にだけ電力を消費させるのが省電力の鍵。

あとがき

まず小ささがいい。そして半永久的な電池がいい。最後にセンサーを取り替えられるのがいい。

色んな物に取り付けられる。色んな応用が考えられる。

これを搭載したら物を探すのが楽になりそう。リモコン、ドライバー、のり、印鑑 etc. アプリに物を登録しておいて、なくしたドライバーを探すの。電波強度から、ドライバーから遠いか近いかを判断させたりしてね。振動センサーを付けて、机を揺らしたら反応アリ! なんて見つけ方もアリ (と、これはスタッフの方のアイデア)。

2013-02-16

NTT R&D: このつぶやきを書いたのはどんな人?

NTT レゾナント主催のブロガー・イベントで、NTT R&D フォーラムを見学した。展示のレビューを書く。

Twitter のつぶやきからプロフィール特定

展示では、サービスに Twitter のアカウントを入力したら、性別・年代・居住地・既未婚・職業の五項目を表示するデモを行なっていた。他のブロガーさんが、的中率が高いと喜んでいたので顔を出してみる。

スタッフ曰く、現在 70% の正解率。最近 150 ツイートを使って判別するとのこと。さて、ぼくの Twitter アカウント @at_aka を入力してみた。

  • 性別: 男性 (正解)
  • 年代: 不明 (ヲイ)
  • 居住地: 関東 (正解)
  • 職業: 会社員 (不正解)
  • 結婚: 未婚 (正解)

え〜と、3/5 正解だから正解率 60%。いいんじゃないかな?

職業... 今はまだ無職なのよね。就活中。まだ会社員ではないのだよ。学生でもないけれど。ツイートを見て、「不明」(無職というカテゴリーはなかった) とするのは流石に無理があったかな。

年代不明。ちょっとショックだな〜。スタッフの人に何歳に見えますか? と聞いてみたら、20 代との答え。リップ・サービス?! う〜ん、34 なんだよね。

仕組み

ざっくり言えばベイジアン・スパム・フィルターと同じ。

このスパム・フィルターでは、最初にスパムでないメール数万通とスパムなメール数万通を用意する。そして、スパムでだけ使われる特徴的な単語を抽出させる。正常なメールも用意する所がミソで、スパムにもスパムでないメールにも両方で使われる言葉を除外できる。本当は統計的な処理が入っていろいろ複雑なんだけど、そこら辺の説明はパス。

同じ様なことを各プロフィールごとに行なう。

年代であれば、20 代・30 代・40 代・50 代のツイートを用意する。スパム・フィルターはYes/No の 2 つしか判定しないけれど、少し応用すれば 20 代しか使わなくて 20 代以外は使わない言葉。30 代に特徴的な言葉。40 代に〜、50 代に〜 とデータが抽出される。

スパム・フィルターが、時々スパムを通してしまったり、正しいメールをスパムと誤認する様に、最初の方は精度に難がある。そこで、もう少し学習をさせる。そして、出来上がったのが、正解率 70% のプロフィール特定機能。

あとがき

Twitter で知り合いを検索してみた。かなり当ってた。

サービスとして公開したら、色んな人の情報が赤裸々にされてしまいそう。隠れて Twitter やってる人が、都道府県や職業まで当てられたら怖い。今回のデモでは 150 ツイートしか取って来ていないけど、1000 ツイートとか 1 万ツイート取得したら、精度が更に上がりそう。

また、デモでは五項目しか調べていなかったけど、趣味・年収・子供はては性格分析までやろうと思えば出来ちゃいそう。CIA とか本気で開発しそう (映画の見すぎ?)。正解しすぎるのも問題ね。

NTT R&D: さまざまなデバイスを駆使した「場所」に関する情報集配信

NTT レゾナント主催のブロガー・イベントで、NTT R&D フォーラムを見学した。展示のレビューを書く。

Wi-Fi アクセス・ポイントを使った情報配信

この展示では、情報の集収と配信の二つのトピックを扱っていた。ぼくは主に配信の説明を受けたし、こちらの方が面白かったので、配信側のレビューだけ行なう。

情報配信の手順は次の通り:

  1. サービス A に、Wi-Fi アクセス・ポイントの情報 (Mac Address や SSID) を登録
  2. Wi-Fi アクセス・ポイントを各所に配置
  3. アプリをデバイス (Android 機や iOS 機など) にインストール
  4. デバイスが Wi-Fi アクセス・ポイントを発見したら、サービス A に問い合わせ
  5. サービス A に登録済の Wi-Fi アクセス・ポイントなら、アプリに情報を配信

アプリとサービスを作ってしまえば、Wi-Fi アクセス・ポイントを配置するだけで各所の情報を提供できる。例えば、美術館の様な場所に沢山アクセス・ポイントを置き、アクセス・ポイント A を検知したら、美術品 A の情報を表示。アクセス・ポイント B を検知したら、美術品 B の情報を表示。という風な具合に情報配信できる。

このやり方の良い点は、「Wi-Fi アクセス・ポイント」という既存のデバイスを使っていること。同じことを RFID でやる考えもあるけれど、RFID は手軽に手に入らない。Wi-Fi アクセス・ポイントなら比較的簡単に入手できる。小さなスタートアップでサービスを開始するには負担が小さい。また、位置情報を GPS で手に入れる方法もあるけれど、GPS は室内に弱いという弱点がある。アクセス・ポイントなら室内でも利用可能だし、電界強度の強さに応じて情報配信する距離をある程度制御できる。

あとがき

スモール・スタートアップ向けに既存のデバイスを使ってしまうアイデアに脱帽。これなら、すぐにでも始めることが出来るんじゃないかな? 電源の取りにくい室外に弱い欠点を逆手に取って、GPS が苦手とする「室内」に強い! へと発想転換したのも面白い。

NTT R&D: 大容量ストレージ関連の展示

NTT レゾナント主催のブロガー・イベントで、NTT R&D フォーラムを見学した。展示のレビューを書く。

Sheepdog, OpenStark Swift

下記、二つの展示について。

  • S-3 安価なサーバで高信頼なストレージを自動構成: Sheepdog
  • S-4 ハイブリッドクラウド対応のストレージ基盤: OpenStack Swift

企業レベルで使う「複数のストレージ・サーバー」に関する技術を紹介していた。ぼくはその手の技術をほとんど知らない。ほとんど用語の勉強になってしまった。せっかくなので、メモとして残しておく。

  • Sheepdog Project: オープン・ソース・プロジェクト。NTT R&D が開発。汎用の PC サーバを集約して奥大なストレージプールを構築する。サーバが故障したら、自動的にそのサーバが持っていたデータを他のサーバに復旧する。
  • OpenStack Swift: オブジェクト・ストレージを提供するオープン・ソース・プロジェクト。大規模・低価格化がウリ。NTT がソースコードを寄贈?
  • オブジェクト・ストレージ: Amazon S3 や Dropbox が使っているストレージ技術らしい。オブジェクト・ストレージとは何ぞや? というのが一番の疑問なのだけど、説明を聞いても ? ばかり飛んでいた。

オブジェクト・ストレージについては、こんな説明で納得すれば良いのかな。

一般的に、オブジェクト・ストレージは高パフォーマンスの技術ではなく、ファイルシステムの標準化も欠落している (中略) 変更が頻繁に行われるデータには全く不向きで、従来のデータ・ストレージに比べると、より多くのストレージ容量を消費する。しかしこの技術は、巨大なデータ蓄積のアーカイブを より安価に、かつ省電力で高パフォーマンスNASよりも小さな設置面積で実現する。

オブジェクト・ストレージは、データにアクセスする際、物理アドレスの替わりに独自の識別子を使う。データは、名前と固有のIDに基づいてアクセスされる。ストレージ・システムはメタデータとオブジェクトIDを読む。単一のグローバル・ネームスペース、キャッシュ・コヒーレンシ、高速ネットワーク、などは一切不要である。

オブジェクト・ストレージの特長、特にその拡張性、設置場所からの独立性、HTTP経由でのアクセス性は、ストレージクラウドに良く適合するものとなっている。

JDSF | データ・ストレージに関する総合情報サイト | Japan Data Storage Forum より引用

あとがき

ストレージの世界も色々と技術革新があるようで... アンテナを伸ばしておいた方が良いのかなぁ、と自責した。

NTT R&D: Paas 利用で作業 3 日が数秒に!: Cloud Foundry

NTT レゾナント主催のブロガー・イベントで、NTT R&D フォーラムを見学した。展示のレビューを書く。

Cloud Foundry

PaaS という用語がある。Platform as a Service の略。サービスを公開するためのプラットフォームを提供する。PaaS の代表例としては Google App Engine や Heroku が挙げられる。

Cloud Foundry は VMWare 社がオープンソースで開発している PaaS を作るための仕組み (と言えばいいのかな?)。

NTT では、この Cloud Foundry をベースに PaaS プラットフォームを公開する予定とのこと。デモを見せてもらったけれど、3 秒とは言わないけれど、あっという間にサービスを公開する環境が整った。

あとがき

ぼく自身は PaaS という用語に疎かった。世には Cloud Foundry を始めとして、様々な PaaS があるらしい。サービスを提供するにはレンタル・サーバーを貸りて必要な言語・ツールをインストール & アップデートする必要があると思っていたけれども、PaaS ならその直前までの準備が整っている。

PaaS。少し勉強してみても良いかな。これなら、楽に自分用のサービスが作れそう。

NTT R&D につっこみ: 電子書籍を使おうよ!

NTT レゾナント主催のブロガー・イベントで、NTT R&D フォーラムを見学した。本エントリーは、運営についてのリクエスト。

大きな技術発表会だと、一つの冊子が配られる。講演のタイム・スケジュール、展示の簡単なまとめ (1 ページから半ページ)、そして会場地図が収録されている。NTT R&D フォーラムでも例外ではない。

この冊子。電子書籍化できないものか? 重くはないけれど、かさばる。メモとペンを持ち、面白ければカメラも取り出し (プレス関係者は写真撮影可)、必要なら名刺交換する。こんな時に、一冊の冊子を持つのはちと辛い。

そして、一番の問題は地図!!

地図は (どの冊子でもそうかと思うけれど)、冊子の最初の方にある。そして、冊子の中身の大部分を展示内容のまとめが占めている。

冊子を読みながら、「この展示が面白そう」と思う。その展示はどこか? 冊子の先頭に戻って場所を探さないといけない。地図を見ている。会場が広いので、効率よく周りたい。隣の展示はなんだろう? 地図から展示内容は分からない。

電子書籍化 (もしくアプリ) して欲しい!! 展示内容から地図へ。地図から展示内容へ。リンクを張ってくれるだけでいい。

この話をスタッフの人にしたら、著作権の問題が... ムムム。確かに NTT R&D フォーラムは「NTT グループ社員向け内覧会」。電子化された情報は簡単にコピーできるので、心配する気も分かる。

ならば、せめて地図と展示のタイトルの相互リンクだけでも。それだけでも iPhone に入れることができたら、フォーラムを周るのが少し楽になる。

NTT に限らず、技術内覧会や Google Developer Days の様にオープンに技術を公開しているイベントにも言いたい。是非、電子書籍化の検討を!!

NTT R&D: ワークショップ 技術革新は市場変化にどのようについていくのか 〜 もしくはアイドルおたくの生態

NTT レゾナント主催で参加した NTT R&D フォーラムにおけるワークショップをレビューする。

概要

日本技芸のリサーチャー・濱野 智史 (はまの さとし) 氏を迎えての二部構成。第一部は濱野氏によるパネル・ディスカッション。第二部はブロガー参加によるワークショップ。各一時間ずつ、計二時間。

パネル・ディスカッションのネタは、濱野氏が著作者の一人に入っている「平成史」という本の内容から。

平成史 (河出ブックス)
小熊 英二、貴戸 理恵、菅原 琢、中澤 秀雄、仁平 典宏、濱野 智史

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河出書房新社 2012-10-11
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ぼくは「平成史」をまだ読んでいないので、パネル・ディスカッションでメモしたことからこのエントリーを書く。

濱野氏は「平成史」で、最近 20 年間の情報社会の変化を担当した。一行で書けば

世界の在り方は大きく変わったけど、日本の仕組に変化はない

今回のパネル・ディスカッションのキーワードは、同書で「もれおちた人々」と呼んでいる人々。昭和であれば「会社に入って昇給して、結婚して、家を買って、定年退社する」というスタンダードな道があった。しかし、平成の世の中、この道から「もれおちた人々」が多くなった。その一例として恋愛弱者を挙げていた。

パネル・ディスカッションにあたっては、「もれおちた人々」の代表としてアイドルおたくを招いていた。三人いて、みな若い。そして話題は、「逆転の発想」! アイドルおたくのために NTT R&D フォーラムのサービスが使えないか模策しようというもの。

ついていけなかった...

ぼくはテレビを持っていない。テレビを見ないので、誰がアイドルか知らない。アイドルおたく達の文化外に住んでいる。

今回のディスカッションでは、アイドルおたくたちの文化をかいま見ることができた。

少し別世界に足を踏み入れた気がしたのは、きっと気のせい。

以下、列挙式に内容を...

  • 握手会に行きたい。でも行けない人もいる。バーチャルで目の前にアイドルと握手会が出来たら嬉しい
  • AKB のビデオで、推しカメラといって気に入ったメンバーだけを追った動画を見ることができる
  • アイドルの生体信号を知ることができたらシンクロできる。特に総選挙の時!
  • アイドルの家電情報を知ることができたら嬉しい

アイドルおたくは「絶体になれないと分かっているけど、アイドルの特別な人になりたい」と思う人々が多い。

ワークショップでは、ブロガー一人一人が意見を述べたり、アイデアを語ったりした。

あとがき

パネル・ディスカッション中は、発表者たちの熱気に押された。凄い話を聞いている気になった。今、メモを読みながら記事に書き出そうとしてみたところ、上手くまとめられなかった。

思うに、「アイドルおたく」をぼくの中で咀嚼しきれていないのだと思う。

今のぼくにとって、リンクすることのない話題だった。ただ一、二年経った時、今日の話題を思い出しカチリと回路が入る (ぼくがアイドルおたくになるわけじゃないよ) 可能性を感じた。こういうブロガー・ミーティングがあると知っていたら、ぼくは行かない。NTT R&D フォーラムのブロガー向けパネル・ディスカッションの枠でなかったら聞かなかった。でも、知らない世界・文化が頭にストックされた。これが活かされるかどうか? 少し時間を置く必要がありそう。

NTT R&D: 3D 映像音響システムによる遠隔地との空間共有

NTT レゾナント主催で参加した NTT R&D フォーラムの展示をレビューする。

デモに参加

本展示は、S-38 という展示番号で展示ブースを構えている。しかし、実は展示とは別に秘密のデモ (?) も行なっていた。今回、我々ブロガーはこのデモ・ルームを訪ねた。

デモ・ルームの収容人数は 10 人。ブロガーは 20 人。二つのグループに別れて、交代でデモを見た。

スタッフに、このデモをブロガー強制参加にした理由、一般公開していない理由を尋ねた。それは、先に書いた収容人数がネックであったとのこと。なるほど、デモは一定の時間を要するのに、収容人数が 10 人というのは心許ない。人数制限をしたくなるのも納得。ブロガー特権でデモを見ることができて役得。

デモ内容

やりたいことを乱暴にまとめると、Skype のテレビ会議を 3D 化すること。

部屋に入ると、3D 映像用のメガネが配られた。部屋の壁一面にはスクリーン。数メートル離れたところに、椅子が 10 脚。ぼくは、一番左端の椅子に腰を落とす。

司会の女性が現れた。彼女は廊下に立ち、後ろはガラス張りで外の風景が見える。右横にはマンガで描いたようなステレオ装置が一つ。

司会の彼女は 3D で奥行きを感じる。会議用ということなのか、3D 映画のように飛び出す (無駄な) エフェクトはない。あくまで、人間が立体的に存在し背景の中を動き回る。自然な 3D 感を演出している。大げさにいえば、「そこに人が居るよう」。という表現が近い。

彼女は動き回りながら、デモの説明をする。すると、彼女のいる位置から正確に声が聞こえる。彼女が左前に来れば左前から声が聞こえるし、奥へと下がれば奥から声が聞こえる。びっくりしたのは、その声がちゃんと「彼女」の口から発声されているのが分かること。

彼女はマンガのステレオ装置から音楽を流し (これは演出だね)、タンバリンを持って動き回る。タンバリンの音も、左右だけでなく前後に正確に「音の出る位置」が分かる。

更にデモは進んで、デモ体験者がスクリーンと椅子の間にあるスペースに立つよう促された。そのスペースに立てるのは一人だけ。順番にデモを受ける。ぼくもこの「スペース」に立ってみた。それは驚きだった。スクリーンに映っている映像が、ぼくの見る位置によって変化する。前に進めば、オーディオ装置が手に届くほどに見える。その位置から、画面の端を見ると、廊下の先とその後ろの風景が見える。後ろへ下がれば、ぼくの位置に合わせて司会者・風景が遠ざかってゆく。

技術的な裏話

女性は 3D 用のカメラで撮影して補正。背景は合成で作成。それを 3D プロジェクターでスクリーンに映し出す。

音声はスクリーン後ろにあるスピーカー・アレイから出ている。スピーカー・アレイとは、同じスピーカーを沢山ならべたもの。今回のデモでは、96 個のスピーカーが横一列に並んでいる。司会側にはマイク・アレイがあるとのこと。数は聞かなかったけれど、おそらく同じ数のマイクが並んでいて、マイクとスピーカーが一対一に対応しているのではないか。一列に並べられたマイクが受け取めた音を、一列に並んだスピーカーが音を出すことで、音の「三次元的再現」を可能にしているのだと思う。

オーディオに少し足を突っ込んでいる身からもう少し補足。音の三次元的な再現は 2 本のマイクと 2 本のスピーカーがあれば理論的に可能とされている。これがステレオ・サウンド。例えば、弦楽四重奏を聴けば、第一ヴァイオリニストがどの位置に座って、ヴァイオリンをどの高さに持っていて、第二ヴァイオリニストがその斜め後ろに座っている... といったことが再現可能。ぼくがそのオーディオ体験をしたのは、しっかりしたオーディオ・ルームと高級オーディオ・システムを使った。

値段だけを言えば、100 個近いスピーカーとマイクと壁一面のスクリーンと 3D カメラと 3D プロジェクターの合計金額は同じ位いかもしれない。けれど、2 本のスピーカーで同じことをやろうとすると、かなりのノウハウが要る。そのノウハウを会議室に持ち込めるかというと難しい。このデモで使っているシステムは、普遍性という意味では非常に高く、正に企業やイベントなどで使うのに適していると感じた。

閑話休題。

スクリーンの前には黒いボックスがある。これが、ある範囲内にいる人の位置情報を取得している。取得した位置情報に従ってリアルタイムに計算が行なわれ、その「位置にいる人」に見えるべき映像と音声が送られる。

裏話を一つ。少し歩いて隣の部屋を見せてもらった。そこには別グループのためにデモを行なっている司会者の女性がいた。デモ室の様子はスクリーンに二次元映像で表示。音声は無線のイヤホンで聞いている。グリーンバックの前に立ち、一人タンバリンを打つ姿は少しシュールだった。

今回は、一方向の 3D 映像音声配信だった。これを双方向で行なうためには、司会者側にも 3D プロジェクターとスピーカー・アレイ。そしてデモ被験者側に 3D カメラとマイク・アレイが必要になる。システムとしては大がかりだけど、双方向になった時のデモもいつか見てみたい。

最後に、スタッフが挙げた欠点を列挙する。

  • 利用者は 1 人しか対応していない
  • 裸眼立体を行ないたい (多人数対応が出来るはず)
  • 多人数対応ではデータ量が人数分だけ増える

あとがき

装置が大がかりなので、Skype の様なパーソナル・ユースにはまだまだ技術革新が必要と感じた。

大企業の会議室、映画館などでのイベント上映、CEATEC などのイベント・ブースに人を置かず会社内から 3D プレゼンを行なう... 等々アイデアは開がる技術。これからの発展が期待。