「ロングテール」という言葉を生みだした Chris Anderson (クリス・アンダーソン) が、新著「Free (フリー)」を発売した。読みたいと思っていたところ、知人が買ったというので借りて読ませてもらった。
フリー
「フリー」は、ロングテールの時と同じく、ネットの特殊性に注目して「フリー (無料)」で物やサービスを提供できるやうになったことを数多くの事例を混えながら説明している。
「ロングテール」の時のポイントは、ネットの世界では在庫が無限に持てることだった。在庫を持つことの費用が限りなくゼロに近いことが、現実世界と違っていることがポイントだった。
「フリー」のポイントは、ハードディスクとネットワーク帯域が無限に持てるようになってきたこと。保存と運搬 (通信) に対して、費用が限りなくゼロに近づき始めたことがポイントと言う。
まあ、これは話の序の口。データ保存と通信の費用がゼロになる。というだけでは、お金もうけは出来ない。そこで、どう知恵を絞って「無料」から「お金」を生みだすか? その工夫を読むところが本書の面白いところ。例えば、価格の下落スピードが以前とは比べものにならなくなったので、先を見越して特売価格を付けても (その時は赤字のように見えて) 安価の見返りに得られる膨大なシェアなどに後押しされて、最終的には黒字になった、という風に話が進んでいく。通して読むと、「フリー (無料)」の大枠が見える構成になっている。
もしちょっと立ち読みしたいなら、本のところどころに入っている一ページ・エッセイがおすすめ。実際の企業を取り上げていて、「フリー」から金儲けしたエピソードがまとめられている。その中には、ネットの世界に限った話ではなくて、新聞社のエピソードだったり、自転車レンタル会社の話なんかもある。ロングテールは、かなりネットの中で閉じた概念だったけど、今回のフリーはネットの世界に限らない。同じやうな産業構造を見つければ、一工夫できてしまう。本書の魅力は、その間口の広さもあるかもしれない。
ご無沙汰で~す。
ReplyDeleteこの本、気になっていたのですよ~。
早速、買ってみようかな?
お仕事、大変みたいですけど、頑張ってくださいませ。
これを越せると、楽になれるかも???
どうも〜、お久しぶりです。
ReplyDeleteこの本、面白いですよ〜。ネットに関わる者なら、とりあえず一回は読んどかないと、って本です。
> お仕事、大変みたいですけど、頑張ってくださいませ。
ありがとうございます。無理をしてボロボロなんで、なんとか早くケリつけたいです (泣)