10 月 4 日に引越をした。新居を決めるにあたって、賃貸物件検索サイトを複数利用したのでレビューする。利用したサイトは以下の 3 つ。
2010 年 8 月、Home's のブロガー・ミーティングに参加したので、まず Home's を使って検索を開始。その後、他にも同種の検索サイトがあることを知り併用した。使い方のコツはどのサイトも同じで、「理想とする条件を遠慮せず検索条件に追加すること」。よほどのことがない限り、物件が見つからないことはない。
大雑把な比較
Home's と Door の検索が使い易く、物件数も多い。スマイティの使い勝手はいま一つだった。
Home's には「Home's賃貸」だけでなく他の調べ物をするためのサイトも用意されているので、これらのサイトの併用も非常に役に立つ。賃貸検索だけに集中してしまうと、見逃す情報も多い。
ぼくの理想
住み慣れた場所から離れる理由もなかったし、むしろ通いなれた病院や図書館 (公民館) を引き続き使いたかった。なので、近所で賃貸物件を探した。検索条件に入れた項目を下に記す。
- マンション
- RC (鉄筋コンクリート)
- 1K 〜 2LDK
- 家賃: 5 万〜7 万円
- 光ファイバー
- バス・トイレ別
- 室内洗濯機置き場
- 駐輪場あり
まず、音楽が好きでオーディオにも凝っている。大音量と言わずとも、気兼ねなく音楽を楽しみたい。だから、遮音性の高い物件を探す。一般に、アパートよりもマンションの方が、鉄骨よりも鉄筋コンクリートの方が、遮音性が高い。
自炊をすることになると思うので、キッチンは必要。今までの経験から、油物を料理すると油が部屋に舞う。この油がオーディオ (特にスピーカー) に付くことを嫌った。そのため、キッチンと居室に敷居が欲しい。結果、ワンルームという選択肢は消える。
技術系ブログを書いている身としては、ネット回線は速い方がいい。光が使えることを条件に加える。
音楽を聞きながらコンピューターをいじりたいので、大きめの部屋にオーディオと PC ラックを置きたい。理想と現実を見るなら、キッチン 1 つに、大きな部屋が 1 つあればいい。つまり 1K。部屋の使い方次第では、2 部屋を通しで使える可能性もあるので、候補は 2LDK まで広げる。
過去にユニット・バス (バス・トイレ一緒) を使っていて嫌になっていたので、バスとトイレは別に。車を持つ気はない (関東は電車の方が便が良いからね)。けれど、最低限の移動に自転車は是非欲しい。だから駐車場は要らないけれど、駐輪場はありで。車があればコイン・ランドリーを使って洗濯出来るけれど、自転車では無理。だから洗濯機を置けるようにする。
以上の条件を加味した上で、目標家賃は 5.0〜5.5 万円。ただし、好物件ならば、共益費込みで 7.0 万円までは許す。
家賃相場
駅によって家賃の相場が違う。同じ様な物件でも、例えば相模原と橋本 (一駅違い) では橋本の方が相模原より 1〜2 万円は家賃が高い。家賃が月一万円でも安けりゃ、住みなれた場所を離れても良いかとも思う。
ぼくの場合、自分の住んでる所が比較的家賃相場が安かったので、引越先を近所に留めた。
人によっては、場所を大きく変えた方が家賃が安くなって良い物件が見つかるかもしれないので、相場は予め調べておく方が良いと思う。
路線・駅検索よりも地図検索
路線・駅検索は路線・駅を選んでから、検索条件を入力。結果はリストになって現れる。リストには家賃や築年数、間取り図などの最低限の情報が表示される。
地図検索は地図で大まかな場所を選んでから、検索条件を入力。結果は地図上にアイコンで現れる。アイコンをクリックして詳細情報を表示。
住む場所が大まかに決まったなら、地図検索が便利。まず物件の位置がピンポイントで分かる。次に近所のコンビニ・スーパー・銀行を簡単に調べられる。生活のしやすい環境は、物件の検索条件には入っていない。地図検索で、住みやすそうな物件をいくつかチェックし、間取り・家賃を見ていくと良い。
Home's 及び Door は検索のトップページから地図検索が行なえる。どちらかというと、Door の方が地図検索の能力が上。Google ストリート・ビューとの連携がスムーズで、近所の様子と物件の外からの眺めが見られる。スマイティは「路線・駅検索」の検索結果から地図表示に切り替えを行なう。
不動産会社検索
ネットだけでは物件を貸りられない。不動産屋に行く必要がある。そこで問題になるのが、どの不動産屋が良いか。一応、検索サイトがあるので調べてみると良い。夜遅くまで営業している不動産屋や、引越業者の紹介がある不動産屋を見つけることができる。
この検索は良く出来ていると思うが、「口ロミ」が集まっていない。とても残念。是非、多くの人に使ってもらい、口コミ情報を知りたいもの。
不動産屋に行ってみる
ネットで調べた物件を予めプリント・アウトして持っていくと話がスムーズに進む。自分の希望も、口頭で述べるより、予めテキストにして紙で見せる方が良いかもしれない。例えば、ぼくの場合は「音楽が聞きたい」「パソコンをよく使う」なんてポイントをまとめておく感じね。いざ、人を前にして話すと、一つ二つポイントを忘れちゃうことがあるので、その対策。
ぼくの場合、iPad を持っているので、絞り込んだ物件のウェブページを予め Safari で開いて不動産屋に行った。自分の要望を言った後、ネットで調べている旨を伝え、iPad で候補物件を見せる。不動産屋は独自のシステムを持っているので、iPad の情報から不動産屋の「物件情報」をプリント・アウトしてくれる。流れがスムーズで良かった。
更に、自分の要望と候補を伝えた後、不動産屋の意見も聞く。新着の物件、ネットで見落としていた物件、一部要望を満たさないけれど非常に良い物件などがあれば紹介してもらう。実際、不動産屋の「閃き」の中に隠れた好物件が入っていたりする。
ぼくの場合も、新居はネットで調べた物件ではなく、不動産屋が紹介した物件になった。ただし、これはネット検索が無意味というわけではない。ネットで候補を出していたからこそ、不動産屋もぼくの要望を汲みやすく、「別案件」を出せたのだと思う。
複数の不動産屋に行くべきか?
時間があれば行く方が良いと思う。ぼくは二店舗回った。不動産屋 (もしくは店員) によって、同じ要望・候補物件を伝えても考え方が違う。例えばこんな感じ。
- 場所に拘らず、鉄筋コンクリート造で大きめの部屋を「別案件」として提示。家賃は上限一杯だけれども、好物件多し。
- 「住み慣れた場所を離れたくない」というぼくの意思を尊重し、近所の「別案件」を提示。家賃は安く、部屋は狭い。
心は好物件に傾いたけれど、最後は狭くとも安い物件を選んだんだから、世の中なにがあるか分からない。
物件を見て回る
不動産屋で候補が絞れたら、実際に物件を見せてもらう。行く時はメジャー必須。ポイント (?) を列挙する:
- RC (コンクリート造) はコンクリートの芯からの距離で長さを測る。つまり、壁の厚さを含めて「広さ」を表示する。従って、RC は間取り図の広さより小さめになる。また、コンクリート造では下階のコンクリートが厚く、上階に行くほどコンクリートは薄くなる。下階の方が遮音性は高くなるが、より狭くなる。具体的には 1 階の部屋で、9.2 畳表示が実寸 7.8 畳、7.7 畳表示が実寸 6.5 畳だった。これはメジャーを持っていって測るしかない。
- RC であっても、部屋の仕切りもコンクリートにしているところとそうでないところがある。当然、コンクリートを使っていない部屋は、隣の部屋の音が洩れ聞こえる。窓 etc. の位置から逆算して壁の厚さを測ることができる。例えば、エアコンが部屋の端に付いていたとする。外からエアコンのパイプの位置を見ると、隣の部屋のパイプがすぐ近くにある。この場合、隣の部屋は自分の部屋と対称で、パイプとパイプの間に壁があるわけだから、そのパイプ間距離が近いということは壁が薄いことを示している。
- ぼくの机は大きい。120 x 90 cm ある。これがどれほど部屋を狭くするか? また、どの位置に置けるのか? 100 円ショップに行って、レジャー用のシートを買い机の大きさに切った。部屋を見物する時、実際にシートを広げて印象を確かめてみる。窓にかかりそうか? 照明の明かりは? 特に長方形でない部屋の様子を知るのに便利。
- コンセントの位置を確かめる。特にコンセントの位置と数は、PC・TV・オーディオを置く上で必ず考えなくてはならない案件なので、間取り図 (できればプリント・アウト) に書き込んでおくと良い。また、コンセントの位置には書棚・箪笥などが置けなくなるので、それも考慮に入れること。テレビの端子・電話の端子も必要なら位置を確認。
- コンセントと一緒に、ネットの口も調べておくこと。有線 (LAN ケーブル) で繋ぐなら、やはりネットの口の位置で家具の置き場所がある程度決まってしまう。一件、困った物件に出会った。そこは最初から光ネットが使える様に LAN の口が付いていた。プロバイダー料は家賃込みで、使い放題。ところが、ルーターに繋いではダメよ! という制限付。つまり、無線ルーターに繋いで Wi-Fi を使えない。iPad も MacBook も Wi-Fi なし。ルーターを繋ぐなら、電話の口からフレッツ光と別契約してプロバイダーも新規に入りなさい... と。最新な一人暮らし向け物件には、そういう罠もあるのでご注意あれ。
- 写真を撮る。部屋の中身は当然のこと、コンセントの位置、キッチンの様子、風呂場・トイレ。気になるところは撮影必須。記憶はうつろいやすいので、意外と後で役に立つ。窓からの風景も撮っておくと Good。日当たりの良さが分かる。路線が見えれば電車の音が五月蝿いかもしれない。隣が壁の薄い民家なら、隣の部屋より、隣の家からの音が気になるかもしれない。
相談は Gmail Chat / Skype で
相談相手がいると良い。親でも良いし、友達でも良い。別の視点でアドバイスをくれる。
基本は音声チャット (電話含む) で良いと思うけど、候補物件を知らせる時には Gmail Chat や Skype などの履歴の残るテキスト・チャットで「物件ページ」の URL を送る。すると、相手も間取りが確認できる。URL と一緒に付加情報 (マンション名・家賃・気になっているポイント・写真) を送ると更に良い。その場で、気になる物件リストが出来上がる。後で読み返す時も、要点がまとまっているので、分かりやすい。
あとがき
ぼくは主に Home's と Door で地図検索して候補を絞り、不動産屋に行った。そこで新しい候補を提示され、自分の候補と合わせて候補を絞り直し。いざ部屋の下見に行って、ある程度心が決まった。その晩、親と相談していたら、ネットで面白い物件を発見。そこの下見に行く。
このタイミングで、鉄筋コンクリート造の部屋が狭いことに気付く (メジャーで大きさ測ってたのが良かった)。それまで住んでいた寮の部屋よりも若干狭くなる。これは家賃に見合わない、と困惑。ならば、別の候補も? と調べてみると、狭いと諦めていた部屋は更に狭かった。
そして方針転換。どうせ狭くなるのなら、安い部屋にしよう!
第一候補だった広くて文句なしのデザイナーズ・マンションは家賃が高すぎて白旗。第二候補に急浮上した物件は、部屋の広さと家賃がマッチせず諦める。そして、第三候補の狭いけど安いし近場でスーパーもコンビニも近い物件に決めた。
ネット・不動産屋・下見。一つでも欠けていたら、今の新居は選べなかった。三つをちゃんと組み合わせたからの好結果だと思っている。
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