10 回目のオーディオ・オフ会
2026-01-17 (土)、 なお&トラさん さん邸でのオーディオ・オフ会に参加しました。 前回、オーディオ・オフ会が 2015-04-04 (土) ですから、10 年以上ぶりの訪問となります。
Apple Music のプレイリスト
今回のオフ会で聴いた曲を見つけたものだけですが、Apple Music のプレイリストにまとめてみました。もし良ければ聴いてみてください。
経緯
お互い忙しかったのかもしれません。連絡を取る回数がいつしか減って、今、連絡しても大丈夫かしらんと変な遠慮が入り、気がつけば 10 年の月日が経っていました。
再会のきっかけは年賀状でした。 実は毎年、年賀状だけは出し続けていました。 2025 年の 1 月に「年賀状ありがとう」の返信を頂いて、また会いたいですね、というメッセージのやり取りをしました。 しかし、2025 年の 1 月は大きな風邪で寝込んでしまい、そのままお流れに。。。
そして、2026 年。 今年も去年末から 1 月にかけて大きな風邪を引き、実家で 1 週間近く寝込みました。 なんとか治って、実家から東京に戻ろうとしたところに、なお&トラさんから電話が一本。 あっという間にオーディオ・オフ会の日取りが決まりました。
サブシステム
最初にサブシステムで LP を 9 枚、聴かせてもらいました。 サブシステムはパラダイムのブックシェルフ・スピーカー Persona B を主軸にした構成です。
なお&トラさんと言えば、絵のような、写真のようなオーディオ表現を得意とされています。 裏を返せば、楽器の響きをメインに出さない音作りを好まれる印象でした。
サブシステムは過去の方向性を踏襲していて、スピーカーとスピーカーの間に音場が作られ、その空間で全ての音が明瞭に鳴っていました。 意外に思ったのは、ピアノの音がとても良く響くこと。 これは過去の方向性に対して大きな変化だと思いました。
ピアノの響きは中域がやや厚く、フワッと音が広がる空気感が出ています。 ピアノという楽器が弦から音を取り出し、響板をふるわせ、フレームを鳴らして響きが生まれる。 そんな様子を目の当たりにするような感覚です。 加えて、ピアノの低音は沈み込むよう。 すごく深く音が落ちていくように感じました。
少し気になったのは、左右のバランス。 右の響きが左に比べて、やや強いように思いました。
聴かせて頂いた LP から、いくつかピックアップして感想を書いてみます。
まずは、アシュケナージが弾くベートーヴェンのピアノソナタ第 23 番「熱情」。 アシュケナージはどちらかと言うとベートーヴェンを淡泊に弾く、という私の印象? 思い込み? が覆りました。 音の一つ一つが明確な意志を持って、なんと丁寧に扱われていることか! ドイツ的な音楽づくりではないのですが、ベートーヴェンの音楽づくりを真摯に取り組んでいるのだと知りました。 Decca 録音というのもあるかもしれませんが、鍵盤のタッチと底つきまで見えるようでした。
Yuko Mabuchi Trio のアルバム「Yuko Mabuchi Trio」から What is This Thing Called Love?。 ジャズのアルバムです。 ハイハットの空気感は弱め。 ドラムのアタック感がいたって自然。 そしてピアノが良い。 バランスとしてピアノを主役に立てるシステムだと感じました。
カティア・ブニアティシヴィリのアルバム「ラビリンス」は、私も愛聴の一枚。 映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」からエンニオ・モリコーネ作曲の「デボラのテーマ」。 とても深い低音が味わえる一品。たまりません。
同アルバムから、フランソワ・クープランの「神秘的な障壁」も聴きました。 クープランはバロック時代の作曲家。 ピアノのなかった時代。 クラヴサンという楽器のために作曲された小品です。 CD を探すとチェンバロやクラヴサンで演奏した録音が見つかります。 ブニアティシヴィリはこの曲をピアノで演奏しました。 舟に揺られて行っては戻り行っては戻りを繰り返すような音楽が、ピアノでロマンティックに演奏されていて「ラビリンス」の中でもお気に入りの一曲です。 自分のオーディオ・システムで聴いていた時は気がつかなかったのですが、ブニアティシヴィリは強弱を大きくつけているのですね。 ニュアンスが掴めると、より音楽が楽しくなり、更にこの演奏が好きになりました。
ラモーのクラヴサン曲集から La Dauphine。 演奏は Albert Fuller。 チェンバロの演奏です。 チェンバロというと高音が耳にきつく低音が出ない、と思っていたのですが、全ての音が明瞭に聞こえるのにキツく感じなくて、低音もしっかりと鳴っていてとても楽しく音楽を味わいました。
メインシステム
メインシステムでは、私が持参した CD を 4 枚、なお&トラさんおすすめの CD を 5 枚、聴かせてもらいました。 メインシステムで使っているスピーカーは三菱のダイヤトーン 2S-3003 に改造を加えたもの。
サブシステムと比べると圧倒的に音場が広い! 目の前に音楽が広がります。 サブシステムで顕著だったピアノの「楽器としての響き」は抑えられ、音楽の描写力がより精緻です。 音楽の描写をメインに据えるオーディオ・マニアとしての芯は変わらないのだなぁと思いつつも、10 年前の記憶と比べてみると、少し響きが加わり、写真のような少し人工的な描写から自然な描写へと進化したように感じました。
ピアノの響きだけを取るならサブシステムの方が好きなのですが、全体的にはメインシステムの方が好み。 なぜ? と問われると答えづらいのですが、音楽を聴いていて楽しい。 おそらく音場の広さ・描写力の高さと響きのバランスの取り方が私の好みに合っているのではないかと思います。
メインシステムで聴いた CD も、感想を少しだけ書いておきます。
ベートーヴェン作曲「コリオラン序曲」、ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団。 オーディオ視聴における私のリファレンス CD です。 管弦楽曲ということもありますが、音場の広さに圧倒されます。 スピーカーの少し先くらいまでしか音が広がらなかったサブシステムと比べて、こちらは部屋の端から端までステージが広がりました。 ホールトーンの響きも素晴らしい。
ベートーヴェンのピアノソナタ第 23 番「熱情」をギーゼキングの EMI 録音から。 ギーゼキングは私が大好きなピアニストです。 たまたま EMI のベートーヴェン、ピアノソナタ選集を持ってきていたので、アシュケナージに対抗してギーゼキングの「熱情」を聴かせてもらいました。 ギーゼキングはピアニッシモから大音量のフォルテッシモまで、ダイナミックレンジの広い演奏をしていたそうですが、EMI の「熱情」はその広いダイナミックレンジを捉えることに成功していません。 音量が大きくなったところで無惨なほどに音が割れてしまいます。 私のシステムではそこまで気にならなかったのですが、写実的に描くオーディオシステムでは録音の粗が逆に目立ってしまいました。 割れる音の中から、ギーゼキングはこんな音を鳴らしたかったんだろうなぁ、という意志は良く伝わってきて、録音が残念なことに涙する体験となりました。 無念です。
マイケル・ジャクソンの「ヒール・ザ・ワールド」。 曲の冒頭。 どこかの公園で録音したのでしょうか? 子供たちが後ろで遊び回っている様子が伺え、少女の語りが入ります。 音がね。輝いているようです。 感動して涙が出そうになりました。 マイケルの音作りの妥協のなさを堪能しました。
Solas のライブアルバム「Reunion」から Ni Na La。 Ni Na La は Solas のファーストアルバム「Solas」の 1 曲目に収録されている曲です。 アイリッシュ・トラッド曲なのかな? ライブアルバム「Reunion」は、その Solas の 10 周年記念ライブを録音したもの。 10 年の活動の中でグループから離れたメンバーもいて、そういう人達がこのライブで再び姿を見せているそうです。 録音はファーストアルバムの方が良いですが、ライブ盤には会場の熱気が記録されていて聴いているとこちらまで心がウキウキしてきます。 家のシステムではライブ会場の音が少し団子状になって聴こえます。 しかし、こちらのメインシステムでは音と音がしっかり分離されていて、ライブ会場にいるような感覚になりました。 ただ、ギーゼキングの「熱情」でも書いたように録音の粗を出してしまうのか、音が少しキツく感じることがありました。
ラストはイーグルスのライブアルバム「ヘル・フリーゼス・オーバー」からホテル・カリフォルニアを聴かせてもらいました。 目の前に観衆がいて、奥のステージに演者であるイーグルスがいる。 そして、観衆は観衆向けのマイクで録音されていて、イーグルスの演奏は全く別のマイクで録音している。 そういう音作りが目に見えて驚きました。 そんな気づきもイントロが終わるころには消えてしまい、音楽に合わせて体を揺らしていました。
あとがき
今回、ブログ環境を作り直したり、Apple Music のプレイリストを作ってみたりと、ブログの記事を書き始めるまでに随分時間がかかりました。 そして、ブログの記事を書き始めてからも、筆が進まず書き終えるまでにまた 3 週間近くかけてしまいました。 なんとか形になってホッとしています。
10 年ぶりということで自分のオーディオ勘が鈍っているのではないかと心配しましたが、いざオーディオ機器を前にすると 10 年前の印象を思い出すことができて驚きました。 これはオーディオが好きということも一因だと思いますが、インプットしたものを「ブログという形でアウトプットする」ことで記憶が定着したのではないかな? なんて思っています。 前回の記事でも月一くらいでブログの更新をしたいと書きましたが、続けられればと思います。
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- clmemo@aka: オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問
- clmemo@aka: オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 2 回・前編)
- clmemo@aka: オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 2 回・後編)
- life@aka: なお & トラさん邸オーディオ・オフ会 (第 2 回) でかけた CD について
- clmemo@aka: オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 3 回)
- clmemo@aka: オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 4 回)
- clmemo@aka: オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 5 回)
- clmemo@aka: オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 6 回)
- clmemo@aka: オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 9, 8, 7 回)
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