10 万円代の CD プレーヤー比較 その 1 の続き。「このエントリーを読む前に...」、「エントリーについて」及び「試聴ディスク」は過去エントリーを参照のこと。
試聴機器
試聴は、オーディオスクェア 横浜店で行なった。
試聴機器は、アンプに Primare I21 を、スピーカーに Vienna Acoustics の T3GB を使った。ぼくは今、アンプに Primare I30 を使っている。一ランク下の Primare I21 を使えば、自分の環境に近くなり良いと考えた (本当は I30 を使えれば良かったけど、置いてなかった)。T3GB はまたまた写真が手に入らず、残念。
PRIMARE I21 インテグレーテッドアンプ プライマー [185,000 円]
CD プレーヤーの比較
CD プレーヤーの中には、第一回で比較対象にした CD プレーヤーも含まれている。これはアンプとスピーカーを変えてどう感じるかを確かめたかったため。大枠、印象が変わることはなかったけれど、認識が深まったり、他に良い点・悪い点を見つけたりということはあった。
CEC CDプレイヤー(シルバー) CD3800-SL [69,300 → 52,000 円]
第一回で聞いた時よりも良く感じる。つまり、LUXMAN L-550AII + Sonus faber Minima Vantage より Primare I21 + Vienna Acoustics T3GB の方がぼくの好みに合っているということだらう。あと、試聴環境が変わったのもあるかもしれない。
解像度は低い。平面的な音で、奥行きがない。
定位は安定した。前、聞いた時は定位が安定しなかったのに。アンプの違いかな? Primare は左右のセパレーションをはっきり出すアンプだから、定位の良さに繋がるのかもしれない。
管が滑らか鳴ったのが印象的。
CEC ベルトドライブ方式CDプレーヤー TL-51XR(CEC) [126,900 円]
3800 と比べて、解像度が高く、音場は左右・奥へと広く深い。特に低域の解像度が高くなったように感じる。これは SN が上がったのかも。楽器の分離感も高くなり、一つ一つの楽器を聞き分け易くなった。ボーカルはより力強くなり、アタック感も上がった。残響感が良い感じに残る。
CEC TL-51XR の上位機種 TL53Z は聞くことができなかった。
- Myryad Z112-CD [157,500 円]
第一回での最有力候補。
TL-51XR に比べて透明感が向上。見通しが良くなった。また、奥行きも少し増した。残響は TL-51XR に比べると薄いけれど、不満はなく、むしろ奇麗に感じる。弦が小編成になった時、特に聞きやすかった。
Myryad Z112-CD は Primare CD21 を聞いた後に、もう一度聞き直した。音場が広く、楽器の分離感が高い。奥き行きの表現もまずまず。CD21 と比べると、平面的に感じる代わりに、音にキレを感じた。
ヤマハ CD&SACDプレーヤー CD-S2000(S)シルバー CD-S2000S [176,400 → 139,800 円]
最初、CD-S1000 だと思って聞いていた。なので全く印象が変わって驚いた。CD-S1000 で不満に思っていた点がほぼ解消されてる。前回のレポートは何だったのかと頭をひねるが、店員さんに CD-S2000 であることを教えてもらって納得した。
CD-S1000 と同じく空間表現能力に秀でている。空間が広い。加えて解像度が高い。重みも加わった。CD-S1000 にあったフワリ感がなくなった。欠点は、低域がふくらんで締まっていない点。
CD-S1000 の購入を考えているなら、少し無理してでも CD-S2000 を買うべきだと思う。CD-S1000 のフワリ感を気に入っているのでなければ!
PRIMARE CD21 CDプレーヤー プライマー [180,000 円]
空間がすごく広い。音場の左右の広さは驚き。これは CD-S2000 を聞いた直後に感じたことなので、よほど空間が広く感じるのだらう。聞きやすい。音は清涼。Myryad Z112-CD と YAMAHA CD-S2000 の良さを兼ね備えて、プラスαした感じ。
ただし、使っているアンプが Primare I21 ということで、相性の良さが最大限に発揮されている可能性もある。今回の試聴では、その真偽までは分からなかった。
二回目の比較試聴での最有力候補。
- Unison Research Unico CD P [200,000 円]
Unison Research 社の真空管を使った CD プレーヤー。
Primare CD21 を聞いた後、Myryad Z112-CD を聞き直している。本機の試聴は Myryad Z112-CD の後。
奥行きがグッと増す。管の表現が細やか。弦の表現が滑らか。音の質感がとてもいい。
- SYNTHESIS PRIDE [262,500 円]
(今回の試聴で) ステージ感を強く感じた唯一の CD プレーヤー。奥行きの表現は、Myryad Z112-CD より少し上か。ただ、他が凄いので音が平面的な印象を拭えない。アタック感が強く、音のキレが凄く良い。細やかな音も聴こえる。
今、音場に対して広さだけでなく奥行きも求めているので、候補から外した。しかし、素晴らしい CD プレーヤーであることには変わりない。Synthesis が無名なのは非常にもったいない。
- Myryad MXC6000 [441,000 → 220,000 円]
Myryad 社の元リファレンス CD プレーヤー。後継の MXC7000 が発表されたため、展示処分品として半額近いプライスになっていた。Myryad Z112-CD をあれだけ気に行ったのだから、最高品を展示処分とはいえ、22 万円。無理して買うのもアリ?
ステージが半端なく広い。楽器の分離感も圧倒的。狭さという言葉を感じさせない。Z112-CD の良い所は更に良くなっている。
奥行きには不満。Z112-CD より良くなっているのだけど、他の部分も同じやうに良くなっているので、相対的に奥行き不足が解消されたとは言えない。
音は滑らかになった。「自然」に音が鳴る感じ。Z112-CD はこれに比べると、頑張って音を作っています、と感じる。
エソテリック SACD/CDプレーヤー X-05 [428,400 円]
値段相応。聞き易い。音場表現能力が高く、空間が広い。ステージ感がある。見通しがとてもよく、舞台を見ているよう。残響感は残りすぎず、カラっとしている。
あとがき
第二回目はここまで。やはり、アンプ・スピーカーを変えると、少し視点が変わる。自分の持ってるシステムと全く同じものが店にあるならまだしも、そうでないならアンプ・スピーカーも変えて変化の具合を見てみるのも重要だと思った。
個人的な好みは、予算内で Myryad Z112-CD と Primare CD21。特に Primare CD21 はアンプとの相性も良さと相まって、グッと来た。けれど、CD プレーヤーにアンプを Primare で揃えてしまうのは負けなんじゃないか、という声も聞こえて辛い。予算オーバーを覚悟するなら Myryad MXC6000 も十分候補。ただし、この子は (特価なのもあって) 他の人が先に買ってしまった。
Esoteric は相変わらず別次元の音を出している。次に買う本気の CD プレーヤーは 50 万円代を想定しているので、このクラスになるはず。その間をどんな CD プレーヤーで埋めるか? 難しいところ。
比較試聴の第三回は軽めなので、あまり期待しないで。。。
No comments:
Post a Comment