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2013-12-15

社員として自宅勤務をやってみた体験談

ぼくが今、勤めているアクトインディ株式会社ではエンジニアとデザイナーに自宅勤務が許されている。自宅勤務は、リモート勤務・在宅勤務とも世間では言うのかな。最近では米 Yahoo! が在宅勤務を禁止にして話題になった。

ぼく自身の視点から、在宅勤務制度を利用してのメリット・デメリットを書く。

基本的なルール

自宅勤務を行なうに当たって、社内ルールがある。

  1. 自宅で勤務を行なうに十分な環境を整えていること
  2. 上長に許可を得ていること
  3. 他の人との作業に支障が出ないこと

自宅勤務制度は、ぼくが入社した時に既にあった。「自宅勤務で 2、3 倍のパフォーマンスを出す」というエンジニアが始めたのがきっかけと聞いている。彼は十分な成果を出すことで、自宅勤務する権利を得た。後から入ったエンジニアやデザイナーは、彼の成果を継承する形で「自宅勤務」が使えている。

自宅勤務は大低、入社 2 か月くらいの経って、その人の仕事振りを見て許可が下りる。人によって自宅勤務を選ばない人もいる。「自宅勤務に自分は向かない」「自宅勤務より会社の方が集中できる」等々、自分でジャッジしている。

仕事振りが良くても自宅勤務が出来ない場合もある。それは、自宅に勤務する環境が整っていない場合。開発用のアプリが入っていない、環境構築が出来ていない、セキュリティ・ソフトが入っていない等々。セキュリティ・ソフトなどは会社側が用意できるけど、自宅マシンがデスクトップの場合は環境構築の段階でつまずくケースもある。

周りから認められ、開発環境も整ったら、大低週頭に誰がどの日に自宅勤務するかを話し合う。基本、週二回の自宅勤務が認められている。仕事の進捗と周りとの関係から自宅勤務する日は多くなったり少なくなったりする。自宅勤務でパフォーマンスの上がる人は、突発的に忙しい時に一週間丸々自宅勤務に当てるケースもある。社内でのコミュニケーションが多く必要な場合は、自宅勤務する日を一日に減らしたり、0 にする場合もある。そこら辺は、各自の作業内容と状況に応じて変えている。

ぼく自身の自宅勤務

ぼく自身は、自宅勤務したからといって 2 倍のパフォーマンスを上げたりは出来ない。そんなスーパー・エンジニアじゃない。でも、自宅勤務するメリットは享受している。

第一に通勤時間の消滅。ぼくは今、朝、一番乗り換えが良い時間帯に出社しているけれども、それでも自宅・会社間で 90 分かかっている。帰宅時は、各駅停車や乗り換えの便の関係で 2 時間近くかかる。この通勤時間がなくなるのは大きい。普段よりもフレッシュに仕事を開始できる。開発効率は当然上がる。帰宅に体力を使わないので、翌日の出社が普段より少し楽になるのも嬉しい余録。

第二にリラックスした空間。会社には会社なりの緊張感がある。それはそれで良い。けれど、リラックスした空間で作業することで生まれるモノもある。それは思考の余裕だったり、集中力だったり、様々。ぼくのケースを言えば、ぼくは音楽が好き (see life@aka, 安宅の音楽日記)。BGM をかけながら作業をするのが好き。とてもリラックスできる (ちなみにヘッドフォンが苦手なので会社では音楽をかけていない)。このブログも音楽をかけながら書いている。リラックスした空間と、集中が高まることで音楽が耳に入って来なくなる瞬間、どちらも好き。

第三に邪魔されないエンジニア・タイム。最低限、Skype などで連絡は取り合っているけど、それ以外の接触がない。ロジックを考えたり、新しい事を挑戦するのに試行錯誤する時、誰にも邪魔されず集中できる時間が確保できるのは嬉しい。

iOS 開発での一例を挙げてみる。デザイナーに他の仕事が入っていて来週までこちらの開発に関われなくなった。その週、ぼくはデザイナー不在でも行なえるコーディングと、デザイナーの人が作業に入った時に必要と思われる下調べを行なった。そして自宅勤務に当てた二日間には Core Data 周りのコーディングを行なった (Core Data は iOS を始める人にとって最初の関門だと思う)。翌週、ぼくはデザイナーと一緒に仕事をした。下調べのおかげでデザイナーの要求に応えたり、逆にエンジニア側の要求をデザイナーに伝えることが、比較的スムーズに行なえた。その週はデザイナーとのコミュニケーションを多くする方が作業効率が上がったので自宅勤務は申請しなかった。

ぼくにとって、自宅勤務は倍とはいかないまでもパフォーマンス・アップに繋がる良い効果をもたらしている。ただ、振り返ってみると、ぼくは自宅勤務の日に、重いタスクの片付けや下準備を多くやっていたように思う。そうすることで、自宅勤務が明けた後、「普段の会社の業務」がよりスムーズになるように調整していた。逆を言えば、会社の中で途中の割り込みが入ると困る作業を入れていた。

変則的なリモート勤務

リモート勤務を自宅以外で行なったこともあった。

ゴールデン・ウィークや夏期休暇中のこと。連休と連休の間に平日が入ることがある。ここに全て休みを入れれば幸せなのかもしれないけれど、そこまで休みも取れない、仕事に軽くタッチしないといけない... なんて状況もあった。こういう時に、リモート勤務を使わせてもらった。

具体的には、ぼくは長期休暇に実家の新潟や生まれ故郷の香川へ帰省する。当然、長く休めれば休めるほど家族と過ごせる時間が増える。悲しいことに、大きめの休みが平日で泣き別れになっていた。そこで、休みが始まったら帰省。一日、休みをもらって、残る平日をリモート勤務。開発環境 (ノート PC) とネット環境 (モバイル WiMAX) があればどこでも作業はできる。そして後半の大きな休みに入って、余裕を持って帰省先から戻る。

大きなタスクがなかったのも幸いだったけど、大きな休暇を取りつつ、長期休暇特有の浦島状態にならないメリットは大きかった。

自宅勤務をしないという選択肢、自宅勤務のデメリット

今、ぼくは自宅勤務をしていない。これから数か月は自宅勤務をしないつもり。

というのも、仕事内容が少し変わった。

会社でコミュニケーションを取る方が、自宅勤務よりも捗る。だから、自宅勤務をしていない。

自宅勤務はエンジニアにとって「有効な手段」ではあっても、「最良の手段」とはならない。ケース・バイ・ケースで有効活用する時を選ぶのが良いと思う。

最後に自宅勤務に向かないケースやデメリットを書いておく:

  • 他人とのコミュニケーションを密に取る必要がある場合
  • 仕事に対して自分が未熟である場合
  • 自宅での作業が向かない場合 (アパートの隣の家に友達が来たのか、騒がしかったことが一回)
  • オフィス街と違って、住宅街のランチは時間がかかる (ことが多い)
  • 一人で作業していると寂しくなる時がある
  • 社内に持ち込まれたお土産やおすそわけにありつけない!! (数に余裕があると残ってる場合もある)

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