Pages

2010-12-02

オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 2 回・後編)

オーディオ・オフ会 なお&トラさん邸訪問 (第 2 回・前編) の続き。メイン・システムで LP を聞かせてもらった。

実は今回、なお&トラさんの方から「また音を聞きに来ませんか?」とお誘いがあった。どうやら、前回の音はなお&トラさんからすると及第点に達していなかったらしい。そして翌日、スピーカー 2S-3003 のネットワークを交換してみたところ、劇的に音が改善された、と。そう誘われれば断る理由はない。更に進化したというメイン・システムの音を聞きに出かけた次第。

メイン・システムのある部屋に入ると、以前来た時と何も変わっていなかった。スピーカー内部をいじくったんだから、何も変わるはずないのだけど、拍子抜けするほど全く同じだった。これはぼくにとって逆に良い。例えば、スピーカー・ケーブルを変えたり、スピーカーの位置を変えたり... そんなことをされていると、何が原因で音が良くなったのか (もしくは悪くなったのか) 分からないから。アナログ・プレーヤーのカートリッジだけは変えたらしいけど、ともかくネットワーク以外ほとんど変化なし、と頭に入れて音楽をかけてもらった。

(※) なお&トラさんのメイン・システムの概要は過去記事を参照のこと

試聴タイム

音楽が鳴って驚いた。以前と比べて、音が一皮も二皮も剥けている。触れれば切れる様な「生」の音が飛び出してきた。前回、非常にゆったりとしたオーディオ・システムだった そして とても柔らかい音だった と評したけれど、その感想は全く改めないといけない。ゆったりさ、柔らかさはなくなり、パリッとしてエッジのはっきりした音へと変貌していた。以前の音をよく描けた「絵」だとするなら、今回の音は「写真」に近い。

スピーカーのダイヤトーン 2S-3003 はモニター・スピーカーだと言う。モニター・スピーカーにも種類はあるらしいけれどここに聞く 2S-3003 の音は、スタジオで録音したばかりの音をチェックし一つの音も聞き漏らさない様にする「モニター・スピーカー」の音に近いと感じた。

聞く音楽の全てが、フレッシュになった。そして、これがなお&トラさんの目指す音なのだと知った。

もう一点。大きな変化があった。それは奥行きに対する表現力が格段にアップしていたこと。前回聞かせてもらった Singers Unlimited のアルバム「A Capella」から「Both Sides Now」を聞く。この曲は多重録音で録られていて、コーラスは一線に並んで歌っているものと思っていた。ところが、そうではなかった。コーラスは前列と後列。二列になって歌っていた!! 前回聞いた時は気が付かなかった。否、気が付けなかった。これは良い変化だと思った。

ア・カペラ
シンガーズ・アンリミテッド ジーン・ピュアリング ドン・シェルトン レン・ドレスラー ボニー・ハーマン

B000053SQD
Amazonで詳しく見る by G-Tools

他にもいくつか聞かせてもらったけれど、語る言葉がない。

変わらなかった部分も多い。低音から高音までのバランスの良さ。音像定位の明確さ。音の解像度の高さ。響きの良さ。そして雑味のないこと。前回聞いて良いと思った点は変わらず (もしくは少し良くなって)、スピーカーの方向性は大きく変わった。

あとがき

今回の音の変化について、良いか悪いかに悩む。前回聞いた音は「聞き疲れしない音」だった。今回聞いた音は、「リアルな音」だった。リアルな音は必ずしも「聞き疲れしない音」ではない。

例えば本当のクラシックのコンサートに行く。3 時間のプログラムを聴く。コンサートは音が良いだけに集中する。だから集中力を使う。すると疲れる。生の音は音のレンジが広い。耳も疲れる。曲目にも依るけど生演奏は必ずしも、聞き疲れしない音ではない。

なお&トラさんの音は、そんなクラシック・オーケストラの音が部屋にやってきた感じ。それは凄い。そして、なお&トラさんはその変化を気に行っている。聞き疲れしたら、セカンド・システムもあるしね。とっても良いと思う。

で、ぼくはどうだろう? これ程リアルな音を目指したいのか? いや、目指せるのか? 少し考えさせられた。

とはいえ、なお&トラさんの領域に近づくまで、ぼくは十年以上かかることでせう。十年後のぼくに、また聞いてみよう。今は、素晴らしいリアルな音に感動し、少しでも近づく努力を重ねるだけ。それで良いと思う。難しく考えなったって、自分の好きな音は勝手にやって来るものと信じよう。

2 comments:

  1. 今回はお誘いしました。この2S-3003は導入してまだそれほど経たないため、なかなか自分のものにできません。いわゆる私とスピーカーが同化する、主客未分の状態をいかにつくるか、にあると思うのです。それをまだまだながらかなりなところまで来ましたので、今の時点の音を聴いてもらいたかったのです。お褒め頂きましたが、また少ししてからもお誘いしたいと思っています。もう少しで私の分身のような音をお聴かせ出来ると思うのです。今とはちょっとした差でしょうが、その差異が分かってくださる安宅さんに聴いておいて欲しかったのです。ありがとうございました。

    ReplyDelete
  2. nao さん、コメントありがとうございます。

    導入間もないスピーカーの扱いには試行錯誤がつきまといますよね。私なんか、2008 年末に Bosenderfer スピーカーを買いましたが、未だ「自分のものにすることができません」。そう思うと、nao さんの 2S-3003 の変化度は非常に高いと感じます。これがオーディオ歴の差なのでしょうね。

    また、今の音をして、「まだまだ」とのこと。頭が下がります。
    スピーカーに進化がありましたら、またかけつけますので、お気軽にお誘い下さいませ。「nao さんの分身」という音。とても楽しみにしています。

    ReplyDelete