オーディオ製品の試聴に使うディスク選びに困っている。ここで言うオーディオ試聴用ディスクといふのは、オーディオ試聴会等で「お気に入りの一枚があればかけますよ」と言われた時に出したり、自分で製品 (アンプやスピーカー) を買う時に候補を絞り込むためにかける一枚のこと。
なぜ困るかというと、まず自分が好きな曲でないと聞く気にならないし、曲が長すぎると他の人の迷惑になる。かといって、録音が新しく、曲が短いものを選ぶと、自分の好きな曲といふわけにいかない。ここら辺の落とし所が難しい。
ぼくはクラシック音楽が好きなので、まずクラシックの曲が上手く鳴ってくれることを願う。
というわけで、ぼくが考える「クラシック音楽好きのオーディオ試聴用ディスク」の条件を書いてみたい。
- 好きな楽曲であること
- 適切な演奏時間であること (長すぎない、短かすぎない)
- 録音が新しく優秀であること
- 大編成 (オーケストラ) を含むこと
- 小編成 (弦楽四重奏等) を含むこと
- 弦の器楽ソロ (ヴァイオリンやチェロ) を含むこと
- ピアノの器楽ソロを含むこと
- 合唱を含むこと
- ソロ・ボーカル (テノール、バス、ソプラノetc) を含むこと
- 一曲目に「お気に入りの曲」が収録されていること
好きな楽曲であること
これは外せない条件。どんなに良い曲でも、良い録音でも、好きでもない曲を長々と聞くのは疲れる。そもそも、好きでもない曲が良く鳴ったところで、嬉しくもない。演歌が最高に良くなるスピーカーを見つけられても、クラシックが良くならないんじゃ楽しくないでせう。
好きな曲が良く聞こえてこそ、その周辺 (ぼくで言うならポップスや映画サントラ) が楽しめる、と信じている。
適切な演奏時間であること (長すぎない、短かすぎない)
概ね 5 分を越えない方が良さそう。
10 分を越える曲を試聴会でかけると、周りの人が退屈して迷惑になる (いくら当人が名曲・名演だと思っていても)。また、長すぎる曲はスピーカー等の比較試聴時にも時間がかかる点が問題。当人の集中力も続かない。
一方、短か過ぎるのも考えもの。長年同じディスクスを使っていると、ここのチェロがとかオルガンがとか、は聞くべきポイントがいくつか見つかってくる。短かい曲だと、そのポイントが少なくなってしまう。
録音が新しく優秀であること
録音は優秀である程いい。新しい録音なら、なおいい。古い録音 (特に 50 年代以前) は、音が割れていたり、低音が入っていなかったり、マイクに入り切っていないことが多いので避ける方が良い。
大編成 (オーケストラ) を含むこと
小編成では良く鳴っても、大編成になると苦手、というオーディオ機器が多い。沢山の楽器が鳴っていても、音を飽和させずに再生できるかを聞きたい。多くの楽器の音色を聞くことが出来るのも良い。
音場の広がり・奥行きにも気を付けてみたい。
小編成 (弦楽四重奏等) を含むこと
楽器一つ一つが生々しく鳴っているかしらん? 演奏者の立ち位置 (音像定位) が分かるかしらん? 大編成では分からないことが、小編成だと分かる。
弦の器楽ソロ (ヴァイオリンやチェロ) を含むこと
特に貴方が弦楽器好きなら。弦楽器の弦の質感が再現されているか、がポイント。
ピアノの器楽ソロを含むこと
実はピアノは再生するのが大変な楽器。音のレンジも広いし、小さな音から大きな音まで出るし、和音まで奏でてしまう。これを越える楽器は、教会設置のオルガンしかないんじゃないかと思う。閑話休題。ピアニストのタッチが見えるか? 低域の音が沈み込むように表現されるか? 高域の音は輝いているか? 色々とチェックするポイントは多い。
ソロ・ボーカル (テノール、バス、ソプラノetc) を含むこと
楽器が鳴るのと、人の声とは全く別物。自分の好きなパート (テノールとかソプラノとか) が、ちゃんと歌えているか?
合唱を含むこと
ソロと合唱はまた違う。沢山の人が歌うのは、小編成と大編成のオーケストラほどの違いがある。
一曲目に「お気に入りの曲」が収録されていること
再生ボタンを押したら、すぐに再生が始まると便利。特に比較試聴する時に、毎回、スキップ・ボタンを押すのは面倒。
ぼくが使っている曲
少し前までは、ベートーヴェンのコリオラン序曲 (ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団) を使っていた。あまり話題にならないけど、良い曲・良い演奏だと思う。大編成で、何度も聞いてるおかげで聞き所のポイントを掴んでいるのが大きい。ただ、録音が古いのと演奏時間が長い (7 分強) が難点。より良い楽曲を探していた。
今、ぼくが使っているのは、モーツァルトのレクイエムから「怒りの日」。レクイエムはぼくが大好きな曲の一つ。「怒りの日」は演奏時間も 1 分半〜 2 分と短い。その中に、大編成のオーケストラと合唱団が入っている。余裕のある時は、その次の「奇しきラッパの響き」も聞く。まずトロンボーンのソロから入り、バス・テノール・メゾソプラノ・ソプラノが順に一人ずつソロで歌う。「怒りの日」と比べて小編成になるのも魅力。
難点は、ピアノのソロが聞けないこと。一曲目に収録されていないこと。この 2 点。
まあ、全ての理想を満たすものを探すのは難しい、ということで。
録音は、サー・ロジャー・ノリントン指揮ロンドン・クラシカル・プレーヤーズ。1991 年録音。実は何気に、この版に収録されてるドゥールース版アーメン・フーガも大好きだったりする。
モーツァルト:レクイエム(ドルース版)
モーツァルト
曲名リスト
1. フリーメーソンのための葬送行進曲K.477(479a)
2. レクイエム ニ短調K.626(ドルース版)
3. モテット「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618
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