エディターを初めて触る人達にとって、Emacs は近寄り難く、暗黒大陸のように見えることと思う。使い方を聞こうにも、周りには Emacs など聞いたこともない人達か、説明が新幹線のようなパワー・ユーザーのどちらかしかいない場合も多い。
そんな人には、とりあえずメニューとツールバーを使って急場を凌いでもらうとして...
そこから先に進もうという人には、たつを氏のまとめた Emacs のキーバインド集がおススメ。
ただし、数が多いので一朝一夕に覚えるというわけにいかない。いいかえると、メニュー使いとコマンド使いの間には、少し広めの溝がある。
その溝を埋めるための最適なチュートリアルが Emacs には備わっている。
Emacs のチュートリアル
Emacs のチュートリアルを始めるには、メニューから「Help > Emacs Tutorial (choose language)...」を選ぶ。すると下のミニバッファーに「Language: 」と表示されるので、「japanese」と入力して RET キーを押す。
※ キーボードからチュートリアルを始める場合は、Ctrl キーを押しながら i を押し、次に Ctrl キーから手を離して T (大文字の t) を打つ (これを Emacs では C-h T と表記する)。
Emacs のチュートリアルは良く出来ていて、基本コマンドの使い方を実習しながら学ぶように作られている。例えば、最初に学ぶのはスクロールのやり方で、こんな課題が出される。
>> では C-v (次の画面を見る)をタイプして次の画面に進んで下さい。 (さあ、やってみましょう。コントロールキーを押しながら v です) 以降、一画面を読み終えるたびに同様にして次の画面に読み進んで下さい。
Emacs Tutorial より引用
次に学ぶのは、逆スクロールのコマンド (M-v) で、スクロール・逆スクロールを使ってチュートリアル内を動き回る課題が出される。その次は、カーソル移動で... と続いていく。
大半のエディターのチュートリアルは、読み終えても内容が身体に染みつかない。せいぜい頭に知識として残る程度。だけど Emacs のチュートリアルはコマンドの説明と実習が一緒になっているので、身体に馴染む。
チュートリアルを一通り終わらせると、ユーザーは、カーソル移行・エラーからの復帰・ウィンドウ分割・コピー & ペースト・アンドゥ・ファイルのオープンと保存・バッファー移動・検索・ヘルプについて基本的なコマンドを覚えることになる。また数引数やコマンド (M-x foo) の使い方やモードラインの読み方、自動セーブファイルの扱いなどの説明も入っているので、Emacs への知識も深まる。
チュートリアルの所用時間は 30 分程度。Emacs 初心者は、時間に余裕のある時に、是非一度トライして欲しい。
ちょっと脱線しますけど。
ReplyDelete私が初めて使った UNIX は VAX-780 で動く 4.2BSD だったのですが(4.1BSDかも)、これには learn というコマンドがついていました。vi とか cc とかの基本的なコマンドの対話的なチュートリアルをやってくれるもので、なかなか面白かった記憶があります。最近の UNIX like OS ではあまり見ませんけど、あればあったでいいんじゃないかなと思います。
へえー。learn コマンドなんてのがあったんですか。初耳です。
ReplyDelete今、私が使っている Fedora にも learn コマンドは入っていませんでした。何で learn コマンドは廃れてしまったんでしょうね。もったいないですね。