Pages

2006-05-13

Google Trends, 7 つの楽しみ方

のレビューを、過去記事「clmemo@aka: Google 新サービスを 4 つ公開」で

とても面白そうなサービスなんで、別に記事を書く予定。しばしお待ち下され。

と宣言した通り、書いてみる。

Google Trends とは何ぞや?

一言で言えば、「キーワード」の流行をグラフ化してくれるサービス。

まず、Google Trends のページに行き、「キーワード」を入力、「Search Trends」を押す。すると Google Trends は、その「キーワード」のウェブ検索頻度を「Search volume」という折れ線グラフで、ニュースで取り上げられた頻度を「News reference volume」として表示する。「Search volume」は Google 検索の、「News reference volume」は Google News のデータを基にしている。

「News reference volume」のピークには旗が立てられ、グラフ右横に、対応するニュースへのリンクが置かれる。

折れ線グラフの下には、「キーワード」を多く検索した「都市」(or 「地域」 or 「言語」) が上位から順に (検索量を棒グラフにして) 表示される。

更に、複数のキーワードをカンマで区切ることで、キーワード同士の比較も行える。キーワードの比較は最大 5 つまで。

それでは Google Trends の楽しみ方を、ぼくなりに 7 つにまとめてみたので、どうぞお付き合い下され。

キーワードに関する流行を調べる

まず「load of the rings」を Google Trends にかけてみた。

「The Lord of the Rings (邦題: 指輪物語)」は、J. R. R. Tolkin の書いた 20 世紀を代表するファンタジー。2004 年 3 月には、Peter Jackson 氏による映画版の完結編が、アカデミー賞に 11 部門ノミネートされ、11 部門受賞という離れ業を為しとげた。

「Search volume」グラフを見ると、検索量が下降線を辿っていることが分かる。これは映画が封切られた直後 (米国公開は 2003 年 12 月) に検索が最も多くかけられ、時期が経つにつれ検索が少くなったということでせう。映画が公開されて、はや二年。最近は、特に検索量に変化が見られない。この一年は流行にはなっていないということか。

このやうに、検索量の変化から、「キーワード」に対するトレンド (流行) の隆盛を計ることができる。

キーワードに関するニュースを調べる

先の「lord of the rings」の結果で「News reference volume」をご覧あれ。2004 年 1 月末に最初のピークがある。「A」のフラグが立っているので、右サイドの対応するニュースを見てみやう。映画「The Lord of the Rings: The Return of the King」がアカデミー賞にノミネートされたことが分かる。

続いて 2004 年 3 月頭。「B」のフラグの立ったニュースのピークがある。こちらのピークは、アカデミー賞 11 部門を受賞したニュースが報じられたことによる。

このやうに、「キーワード」がニュースでどのように取り上げられたか。どのような特徴的なニュースがあるかを調べることができる。

ニュースを調べようとすると、Google News が頭に浮かぶ。でも Google News は、最近のニュースしか検索しない。U. S. 版の Google News なら時期を絞り込むこともできるけど絞り込める期間は短い。時期を絞らず「最近二年位い」で、「キーワード」にどんなニュースがあったかを調べるのに、Google Trends は最適でせう。

ただし、今の所、「News reference volume」は英語のニュースしか対象にしていない。日本語のニュースも早く使えるようになるといいな。

ちなみに、「上場企業」のニュース情報を集めるんだったら、Google Finance もあることをお忘れなく。

検索とニュースの違いを見る

三度、「lord of the rings」の結果から。2004 年初めの「Search volume」と「News reference volume」をご覧あれ。二つのグラフは、同じ形をしていない。「lord of the rings」がアカデミー賞にノミネートされたというニュースが、「Search volume」では検索量の多さに埋もれてしまってる。

これは、「検索」と「ニュース」が必ずしも「同じ」ではないということ。ニュース記事と検索の傾向の差を見てみるのも面白いかもしれない。また、「検索量」が多いから (もしくはニュース量が多いから) 「このキーワードはこの時期に流行」と決めつけていたけれど、そういう判断は、物事の一つの側面しか見ていなかったのかもしれない。Google Trends を使えば、状況に応じてより正しい流行情報が手に入れられるかも。

ところで、同じようなことができるサービスに、Yahoo!ブログ検索の「注目度」がある。Google Trends が「ウェブ検索された回数」「ニュースで取り上げられた回数」をグラフ化しているのに対し、Yahoo!ブログ検索は「ブログに記述された回数」をグラフ化している。ここら辺の違いを比べてみるのも面白いでせう。

時間や場所に注目する

「lord of the rings」の結果を参照するのも、これで最後。

「News reference volume」の下にある棒グラフを見てみやう。「Cities (都市)」「Regions (地域・国)」「Languages (言語)」のタブがある。今、「Cities (都市)」タブが選択されていて、「New Zealand」は「Auckland (ニュージーランド第一の都市、ちなみに首都はウェリントン)」からの検索が一番多いことが分かる。「The Lord of the Rings」の監督は、ニュージーランド生まれ。ワールド・プレミアもニュージーランドで開かれた。そういったわけで、ニュージーランドからの検索が多いのでせう。

タブを切り替えることで、「キーワード」の地域性を調べることができる。一般に、「都市」よりも「国」、「国」よりも「言語」の方が対象の範囲が広くなると思う。

また、ページ右上のプルダウン・メニューから、「地域」「時間」に予め制限がかけられる。例えば、英語・ドイツ語・フランス語・イタリア語が話されるスイスにおいて、どのような「言語」の検索頻度が高いか? ということも調べられる。

日本なら、東京テレビだけで放映された番組の検索地域性とかを調べたりしても面白いでせう。

複数のキーワードを比較する

複数の検索キーワードをカンマ区切り (,) で入力できる。Google Trends の最大の売り。例えば、Apple 社の iPod と Macintosh を比べてみやう。

検索では、「Mac」の検索回数が多く、変動がほとんどない。一方「iPod」が順調に検索回数を増やしており、2005 年後半 (iTunes Phone の発売時期?) に「Apple」の検索回数を抜いている。ニュース記事に目を向けると、企業名の「Apple」の参照回数が多い。検索では優秀な製品が企業名よりも多く検索され、ニュースでは企業名の参照回数が多い。考えてみれば当たり前かな。

他の例:

検索キーワードの細かな違いを見る

Google Trends は、Google 検索のように曖昧検索をしない。例えば、Google Maps について調べてみやう。

Google Maps は、ご存じ Google の地図サービス。(Map ではなく) 複数形の「s」がついた「Maps」が正式名称。これを両者比べてみると、正式名称で検索している人達が多いのが分かる。とはいえ、「Google Map」で検索している人達も、それなりにいる。ニュースを見ると、流石に正式名称を使っていることが分かる。

注目して欲しいのは、「Regions」タブ。ほとんどの国で、正式名称が多く使われているものの、一部の国で「Google Map」が「Google Maps」を圧倒している。それらの国名 (地域) を挙げると「香港」「台湾」「日本」。漢字を使ってる国ばかり。複数形の「s」をつける意識が薄そうなのが見てとれる。

このように、Google Trends は検索キーワードを厳密に区別する。キーワードによっては、面白い結果が見られるかもしれない。

ちなみに、Google Trends はキーワードの語順を無視する。例えば「Google Maps」も「Maps Google」も同じキーワードとして扱う。入力通りの語順を守らせるには、キーワードをダブル・クォーテーション (") で囲む。

Advanced Search

いくつかの特殊記号がサポートされてる。

  • -foo: キーワード「foo」を除く
  • A | B: 「A or B」OR 検索
  • (a b | c d): 「a b か c d」グループ化

細かい説明より、実例をどうぞ。

4 comments:

  1. 古い記事のコメントですみません。
    google trend searchは実際使ってみて
    これならば頻用する、できるという代物です。
    最近人気のディープインパクト、松坂大輔、
    藤原紀香を検索するとその人気の推移がわかり面白かった。
    またカーボンナノチューブを検索すると東京都文京区に検索が集中しています。

    最近の私のgoogle動向は行ったことのある
    地名をgoogle mapで検索、飲食店チェック
    とpersonalized homeをカテゴリー別
    に分類、name this tabによって区分け
    ウエブクリップにオプション追加が主な使い方です。

    ReplyDelete
  2. どうも。どんな古い記事でも、コメント頂けると嬉しいです :)

    Google Trends は、どんなキーワードを選ぶかがポイントですよね。私は、最近 007 のボンド・ガールになった Eva Green とアカデミー女優の Charlize Theron を比べて遊びました。カーボン・ナノチューブの検索が文京区に集中しているというのは面白い結果ですね。何か文京区に研究施設でもあったかしらん ;)

    Google Maps の飲食店チェックは使えますよね。Google Earth も楽しいですよ :)

    ReplyDelete
  3. 最新トピックスですー満杯になったGmailを一括削除できることになったということ、
    google answersが終了するそうです。

    google trendを選挙速報に使われているそうですけど、面白い使い方です。

    今夜の収穫は@akaさんのリンクにlast FMを見つけたこと、しばらく忘れていました。
    意外にみんなに知られていない曲にbeatles
    のI'll be backという名曲がありまして、
    私は愛聴しています。
    @akaさんもよろしければ試聴してみてください。

    ReplyDelete
  4. 最新トピックス、ありがとうございます。Google Answers の終了はびっくりですね (といいつつ、そんなサービスがあったことを忘れていましたが ^^;)。Google Trends の選挙速報とは面白いですね。よく考えついたものです ;)

    > Beatles の I'll be back

    私が持ってるのは BBC Live です。I'll be back は入っていなかったような... 試聴できる所を見つけたら聴いてみますね。

    ReplyDelete