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2012-02-18

NTT R&D: コミュニティ ICT

NTT R&D フォーラムで見た展示をレビューする。

コミュニティ ICT のデモ

「コミュニティ ICT」はネット家電が一般普及し、SNS などが当たり前になった近未来を想定している。ちなみに ICT は Information and Comunication Technology の略。

コミュニティ ICT

写真に見える「物」がネット家電の一例。電子ドア鍵・カメラ・火災報知器・固定電話・スマートフォン。近所に住む A さんと C さんは信頼し合っていて、SNS で言う所の「お友達」になっているとする。

ぼくが受けたデモでは、火災が A さん宅で発生した場合を例に話が進められた。火災は火災報知器によって探知される。ところが A さんは不在だった。火災報知器は A さんのスマートフォンに火災発生のメールを送る。

ここからが「コミュニティ」の強み。A さん宅の火災報知器は、お友達の C さん宅の火災報知器も鳴らす (自分の家の火災と他人の家の火災とでメロディーが違うと良いだろうね)。加えて、C さん宅の固定電話を鳴らしたり、C さんのスマートフォンに「A さん宅で火災発生」のメールを送る。

メールを見て火災発生を知った A さんは、自宅カメラにアクセスして火災の状況を知る。ちょっとヤバイ。電話か何かで C さんが消火にかけつけてくれることになった。A さんは、電子ドア鍵のロックを C さんのために開鍵する。C さんは A さん宅に入って無事消火する。

技術の話

ドアやカメラ、火災報知器等がネット対応にならないと話は進まない。だから、ここではそれらの機器がネット対応になった、という前提で技術の話に入る。

キモになるのは 3 点:

  1. 複数ゲートウェイ間の管理連携 (普通、家のネットワークは家の中で閉じている。他人が入れない様になっている。大雑把に言うと、ゲートウェイ (玄関) という仕組みが家の中と外を区切っている。信頼している相手に対して、ゲートウェイを開く技術が必要)
  2. ネット家電の管理。この例では火災報知器の動きを管理すること。
  3. 相手機器の管理。この例では、他人の家の火災報知器を鳴らし、スマートフォンにはメールを送ること。

あとがき

今まで家族の間で機器や情報を共有しよう、というアイデアはあった。TV はみんなで見るし、家の鍵は植木鉢の下に置いておくという具合に。家の外からビデオ予約をし、PC にアクセスする人もあった。少しプライバシー範囲を広げて、カレンダー情報や現在地情報を友達・家族と共有するサービスもある。

でも、この「コミュニティ ICT」はプライバシーの垣根を今まで以上に大きく越えている。アクセスできる想定機器が非常に幅広い。近所付き合いが下手になった昨今、受け入れがたいサービスにも思える。逆にこういうサービスを通じて、近所付き合いが円滑になる可能性もあるかもしれない。

ぼくはどうか? 隣の家の人の顔も知らない。ちょっとこのサービスは使えないかな。

むしろ核家族化が進む現代、遠距離の親族とのコミュニティーを作るのに面白い仕組みかもしれない。祖父宅に火災報知器を付けておいて、祖父の留守中に火災が発生したら息子はカメラで現状を確認して消防へ電話するとか... ね。

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