Pages

2010-11-01

十万円ほどの PC が欲しいと言われて困った

先日、twitter 友達とのツイートして思ったこと。別に批判とか意見ではなく、そのツイートで考えたことをつらつらとメモ書きしてみるだけ。

発端

始まりのツイートはこう始まった。「友人から10万程度でおすすめのパソコン聞かれた。」

その後、「(友人の) 友人は素人さん」「Windows を使っている」「(友人の) 友人の友人も使うことがある」「Mac 移行は大変 (アプリも使えなくなるし) & 取説が不親切」等々、色々と条件が出てきた。

こういう場合、大きく分けて 3 つの選択肢があると思う。そして、どれも一長一短で最良のものがないなぁ、というのが本エントリーの結論。

選択肢について

  1. メーカー製の Windows PC を買う
  2. ショップメイド (通販・Dell 含む) で Windows PC を買う
  3. Mac に移行する (今なら MacBook Air が魅力的ね)

以下、各々の選択肢について長所・短所を書いてゆく。

メーカー製

長所は安心感。安定している。壊れにくい。サポートがしっかりしている。そういった「安心感」がウリ。あと、実際に売り場で触れる安心感も大きい。PC に詳しい人を連れていければ尚よし。

短所は、上に挙げた「安心感」が幻想に近いこと。特に十万円台ともなると、メーカー製といえども変な部品を使っていることがある。ぼくは NEC、富士通、Sony の PC で痛い目に遭った。他のメーカーが良いわけじゃない。単に使ったことがないだけ。きっと他のメーカーも五十歩百歩と考えている。

メーカー製 PC で出会った不具合は下記の通り:

  • 1 年の間に 5 回近くハードディスクがクラッシュした
  • Linux に移行したら X が起動しなかった (某シリーズの後期 3 モデルだけかなり特殊なグラフィック・チップを使っていて、そのうちの一モデルを買っていた)
  • ディスプレーの使い回しが出来なかった (ディスプレーを次の PC でも使い回そうとしたら、ディスプレー・ケーブルと電源ケーブルがセットになっていた)
  • Windows の OS をバージョン・アップしたら Mathematica と競合を起こして止まった (クリーン・インストールが必要になった)
  • Windows OS のサービス・パックのバージョンを上げたら、音が鳴らなくなった (サウンド・チップのメーカーが倒産? してて、新サービス・パック用のデバイス・ドライバーが提供されていなかった)
  • Microsoft Office を再インストールできなかった

最後の Office の件は話が少し長くなる。一つ前の項目で「音が鳴らなくなった」ので、OS をダウングレードさせるべく OS の再インストールを行なった。そこで Office をバックアップ CD-ROM からインストールしようとしたところ、ディスクが不良品だった。当然 Office のインストールは出来なかった。メーカーのサポート・センターに連絡したところ、5 年以上も古いモデルだったもので「Office のバックアップ CD-ROM」の在庫がないと返された。どうしようもないので、今、その PC に Microsoft Office は入っていない (そのお金は新しい PC を買うためにとってある)。

と、このやうに、メーカー製の PC と雖もサポートは完璧ではない。むしろ、宜伝費や (ほとんど使わない) デフォルト・インストール・アプリ、各々のメーカーの「色」を出すための特殊仕様のために、同価格のショップ・メイド PC よりも安定性は劣るのではないかと思う。

ショップ・メイド

Dell を最大手として、ぼくがで静音 PC を買うのに使った OLIOSPEC のように小さなショップまである。基本 BTO。そこが長所。どの部品を使うのか自分で決められる。メーカー製のやうにわけの分からないチップを使われる心配がない。少し知識があれば、安定性で定評のある部品を使って PC を組むことができる。

短所は「不安感」。サポートは最小だし、PC の知識は必須。初心者一人に買わせるのは、無茶を通り越して無謀。ショップ・メイドを利用する場合は、最低でも一回はショップ・メイド PC を買ったことのある人間が購入者をサポートする必要がある。それも、困ったと言われた時にすぐ行ける距離に居られること。

ぼくは実家の PC を最初ショップ・メイドにしようと思ったが、実家まで新幹線で 2 時間かかるので諦めた。というより、帰省しないとサポートしてくれないような PC は買いたくない、と親に拒否された。

一度、動き出せば下手なメーカー製より安心できるのだけど、購入者の心理的障壁はとても高い。

マック

初めて PC を買う人間には、Mac が一番良いと思う。OS と PC の両方作っているから、安定性が高い。OS のバージョン・アップでデバドラが云々という不具合など絶対に起こさない。とにかく作りが素直。電話サポートの質も非常に高い。取説が不親切という説もあるが、それは Windows に慣れているからで、初めて Windows と Mac の両方を使うことになったら、どちらも大した差はないと思う。

閑話休題

Windows から移行する場合の話をしているんだった。話を戻そう。

Windows から Mac に移行する時の障壁は、大きく分けて 3 つある。

  1. Mac の使い方を勉強しないといけない (少くとも Windows で出来たことは全部できるようになりたい)
  2. Windows 用に買ったアプリが無駄になる
  3. 日本語入力が賢くない

一点目については、Mac 使いのサポートが必要になるでせう。Windows に出来て Mac に出来ないことはない (少くとも素人レベルでは) ので、最初の数日教えてあげれば移行はスムーズになると思われる。

二点目はとても痛い問題だけれども、素人レベルであれば乗り越えられる壁だと思う。昨今、ウェブ・サービスとフリー・ソフトの台頭が目覚ましく代替手段が増えた。Microsoft Office には Google Docs や Open Office。写真管理には iPhoto を使っても良いし、Picasa をダウンロードしてもいい。ウェブ・ブラウザーにおいて Mac でリリースされていないのは、(メジャーどころでは) Internet Explorer だけ。むしろ、ここは Safari, Google Chrome, Firefox へ移行してもらった方がセキュリティー的にも安全かつ健全。あと必要なのは年賀状ソフト位いかな? これは買い替えるしかないかもしれない。

Mathematica、Photoshop、Microsoft Visual Studio のやうに一万円、下手すると十万円を越えるソフトウェアをインストールしている人は... いや、もう素人というレベルじゃないよね。

三点目。Google 日本語入力を使いませう。

Windows から Mac への移行は素人にとってもそれほど大変ではないと思う。けれど、それには Mac 使いが最低一人サポートに入ることが前提。

ちなみに、来年、Lion が出るあたりに実家の PC を Mac にしやうと計画している。ぼくの親が無事、Mac へ移行できるかその顛末をエントリーにしたいと考えている。

あとがき

「素人」と「十万円台」という条件で PC を買い替えやうとすると、誰もが安心できる商品がない。近くに居てすぐサポートにかけつけられるなら、ショップメイドや Mac が良いと思う。でも、そうじゃない場合、どこかに不本意な思いを残しながらメーカー製 PC を選ぶか、「これがイイよ!」と言いながら(でも、貴方は後で泣くほど苦労するけどね)と心の中で呟くことになる。

というわけで、最初に書いた結論に至る。「どれも一長一短で最良のものがないなぁ」。

2 comments:

  1. 私なら大手メーカー品を勧めますね。買うのもパソコン専門店ではなく初心者向けPC教室とか持っている家電量販店。Macなんて勧めた日には後々面倒を見なければいけませんからね。

    買ったあとのサポートはすべて売ったお店に責任をもってもらいましょうw

    P.S.
    うちの父はずいぶん前にMacに移行しました。

    ReplyDelete
  2. > 買うのもパソコン専門店ではなく初心者向けPC教室とか持っている家電量販店。

    なるほど。そういう攻め方もあるのですね。

    > Macなんて勧めた日には後々面倒を見なければいけませんからね。

    うん。そこら辺、素人がどういう反応を示すか来年の夏試してみるつもりです。

    ReplyDelete