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2006-07-10

英文文末にはスペースを二つ

英文でのちょっとしたノウハウ。文末には、スペースを二つ入れるといい。メリットは文末の区切りが見易くなること。つまり、センテンスが見え易くなる。

文末のスペース

英文は単語の区切りにスペースを一つ入れる。これは常識。けれど、文末だけは (例外的に)、スペースを二つ入れるようにする。つまり、文末のピリオド (.) 、クエスチョン・マーク (?)、そしてエクスクラメーション・マーク (!) の後にはスペースを余分に一つ足すようにする。カンマ (,)、コロン (:)、セミコロン (;) の後ろには、通常通りスペースは一つだけにする。

こうすると、センテンスの終わりに余分なスペースが加わることで、見栄えが良くなり、どこが文章の終わりかが見易くなる。

少し例を書いてみませう。まず、文末のスペースが一つだけの場合。

Mr. Sherlock Holmes, who was usually very late in the mornings,
save upon those not infrequent occasions when he was up all night,
was seated at the breakfast table. I stood upon the hearth-rug
and picked up the stick which our visitor had left behind him the
night before. It was a fine, thick piece of wood, bulbous-headed,
of the sort which is known as a "Penang lawyer." Just under the
head was a broad silver band nearly an inch across. "To James
Mortimer, M.R.C.S., from his friends of the C.C.H.," was engraved
upon it, with the date "1884." It was just such a stick as the
old-fashioned family practitioner used to carry--dignified, solid,
and reassuring.

読み易いかしらん。

同じ文章を、文末にスペースを二つ入れて書いてみませう。

Mr. Sherlock Holmes, who was usually very late in the mornings,
save upon those not infrequent occasions when he was up all night,
was seated at the breakfast table.  I stood upon the hearth-rug
and picked up the stick which our visitor had left behind him the
night before.  It was a fine, thick piece of wood, bulbous-headed,
of the sort which is known as a "Penang lawyer."  Just under the
head was a broad silver band nearly an inch across.  "To James
Mortimer, M.R.C.S., from his friends of the C.C.H.," was engraved
upon it, with the date "1884."  It was just such a stick as the
old-fashioned family practitioner used to carry--dignified, solid,
and reassuring.

どうです。文末にスペースが二つある方が読み易くないですか?

上の文章例にあるやうに、省略語を表すピリオド (Mr. や C.C.H.) の後にはスペースを二つ入れない。あくまで、文末に対してスペースを二つ入れる。

ノンフレンチ・スペーシング

組版の世界にあって、文末のスペースを広めに取る規則を「ノンフレンチ・スペーシング」という。一方、文末のスペースを単語間と同じ広さに取る規則を「フレンチ・スペーシング」という。お察しの通り、フランスでは、フレンチ・スペーシングが基本。英米ではノンフレンチ・スペーシングが採用されている。

タイプライターの世界では、「多少」広めのスペースを取ることが出来ないため、スペースを二回打つという代替案を採っていた。

今回のノウハウは、タイプライターで使われていたアイデアをコンピューターに適用したもの。海外の人とやり取りすると、時々このノウハウを使ってる人を目にする。

HTML

HTML では複数のスペースは、一つのスペースと見なされてしまうので、「文末の二つスペース」を入れる意味はない。けれど、編集中の文章を読み易くする分には、十分効果的だと思う。

Emacs

Emacs では、M-e (M-x forward-sentence) や M-a (M-x backward-sentence) といった命令が、「文末に 2 つスペースを置く」ことを前提にしている。従って、Emacs は Mr. といった省略用のピリオドを文末と誤認識しない! Emacs で英文を書いているなら、是非文末にスペースを二つ入れる習慣をつけませう!

あとがき

この記事は、H & A さんのエントリーに影響を受けて書いた。よければ、こちらのエントリーもお読み下さいませ:

7 comments:

  1. ご紹介ありがとうございます。

    英文末にスペースふたつですか。
    確かに読みやすいですね。
    これはいいことを教えてもらいました。

    しかし、英文を書くことが.......。ない。しょぼん。

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  2. どうもー。
    H & A さんのブログにコメントした時点で、このネタは頭にあったんですが、少々公開が遅くなりました。

    英文は... 海外のお友達を作ると書くようになると思います ^^;

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  3.  ほほぉー。
     H & A さんの半角スペースに続いて、これは気になる情報ですね。
     面白いですね。
     どうすれば見やすいかを考えるのって。

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  4. 自分はずっと文末スペース二つでやってきました。コンピュータがワードプロセッサ(日本語ワープロじゃなくて英文のワープロ)として使われ始めた頃のなんかの記事で、そういう風なことを読んだんじゃないかと思います。
    ノンフレンチ・スペーシングというのですねぇ。
    今度、文末スペースひとつとか無し(カンマとかフルストップのあとにスペースを入れない人がけっこうたくさんいるんですよ)の人を見かけたら蘊蓄を傾けてみようかと思います:-)。

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  5. > ちゃめさん

    ほんのちょっとした違い・手間なんですけどね。
    是非、ちゃめのブログの原稿を書く時に、お役立て下さい ;)

    > rok さん

    英文ワープロの時代から使っておられたとは、生粋ですね。

    ちなみに、ノンフレンチ・スペーシングは文末に空白を広めに空けることを指しますが、タイプライター由来の「空白二つ」をノンフレンチ・スペーシングと呼ぶかどうかは自信がないです ^^;

    ところで...

    > 文末スペース無し

    なんて人が居るんですか? それはすごいですね。もしかして、文末ピリオドの後のスペースは、組版ソフトやレンダリング・エンジンが入れるべきであって、人の手で入力するのはバッド・ノウハウだ、とかそんな主張なのでしょうか ;)

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  6. カンマの後や文末にスペースがない人って、たぶん日本語感覚なんじゃないかと。

    日本語以外の言語を見慣れていない・書き慣れていないので、間隔があいてないないことの不自然さや読みにくさに気づかないのではないかと思います。

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  7. なるほど。日本語では句読点の後にスペースは入れませんものね。
    今、ふと思ったのですが、全角のカンマ(,)、ピリオド(.)とごっちゃになっている人もいるのかもしれませんね。

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