preview-latex は GNU Emacs の TeX 入力支援ツールの一つで、数式やアクセント記号を画像で表示する ( See screenshot)。 AUCTeX のメンテナーである David Kastrup 氏を中心に開発が進められ、今年始めに AUCTeX プロジェクトに併合された。現在、preview-latex を配布に含めた AUCTeX をバージョン 11.80 としてリリースするため作業中。3 月頃から、「あと二週間で 11.80 リリース」という話が (何度も) 出てるけど、未だリリースされず... 今年中のリリースなるか? (きっと無理だな Xp)
さて、preview-latex の正式最新版は 0.9.1 (2005-04-03)。だけど、 AUCTeX にマージされてから、いくつかの (重要な) バグ・フィクスが入ってるので、開発版 AUCTeX のインストールの仕方を書いてみる。なお、開発版 AUCTeX 単体のインストール方法は AUCTeX のインストール 2005/9に書いた。preview-latex のインストールに躓いたら、 AUCTeX のインストールそのものに失敗してないか、まず確かめて下さい。
せっかち者のための Quick Start
インストールの流れは、 AUCTeX のインストールと全く同じ (楽になったものだ ^^)。
$ cvs -z3 -d:ext:anoncvs@savannah.gnu.org:/cvsroot/auctex co auctex $ cd auctex $ ./autogen.sh $ ./configure $ make # make install
.emacs ファイルに、次のコードを入れる。
(load "auctex.el" nil t t) (load "preview-latex.el" nil t t)
preview-latex は、バックエンドで TeX を走らせ DVI ファイルを得る。その DVI ファイルから数式などを画像に変換している。この時、デフォールトでは Ghostscript が使われるが画像の生成スピードが遅い。もしか dvipng がインストールされていれば、次の設定を .emacs に足そう。体感スピードが上がるはず。
(setq preview-image-type 'dvipng)
なお、dvipng のインストール方法については dvipng 1.6 を使ってみる を参照のこと。
preview-latex を使ってみる
ちゃんと動くか試してみましょ。サンプルのソースは下記のものを使う。ファイル名は foo.tex。
\documentclass{jarticle} \begin{document} \section{preview-latex のテスト} 有名なピタゴラスの定理は、三角形の長辺 $x$ の (以下略) \begin{equation} x^2 = y^2 + z^2 \end{equation} \end{document}
foo.tex のバッファーで C-c C-p C-d。
Cache preamble? (y or n)
と聞かれるので、 y と入力。すると、次のように、数式とセクション部分が画像でプレビューされる。日本語も OK。
カーソルを画像部分の中に入れると、ソースが表示される。そのまま色の変わった部分から、カーソルを外に出すと、また画像に戻る。
ソースを編集したら、 C-c C-p C-p でその場所だけ preview-latex を実行する。
プレビューを解除するには、 C-c C-p C-c C-d。
古い preview-latex は tex-fold と競合して Emacs を殺してくれたが、開発版では修正されてる。また、もっと古い preview-latex だと、 \usepackage{preview} という一文が必要だったが、それも要らなくなった。
残念なことに、開発版の preview-latex は YaTeX と一緒に動かない。preview-latex 0.9.1 もどうだろう? preview-latex と同じようなツールに XSymbol があるので、 YaTeX 使いはこちらを使うとよいかも。ただし、開発版の GNU Emacs と相性が悪い気がするので僕はもう XSymbol は使っていない。
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