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2022-09-08

Apple イベント Far out で新 Apple watch, AirPods, iPhone が発表された

2022-09-08 (木) 02:00、Apple はイベント Far out を開いて新型 Apple Watch と AirPods Pro、そして新 iPhone の発表を行なった。

今回発表された新製品は次の通り:

  • Apple Watch Series 8
  • Apple Watch SE (第2世代)
  • Apple Watch Ultra
  • AirPods Pro (第2世代)
  • iPhone 14 / iPhone 14 Plus
  • iPhone 14 Pro / iPhone 14 Pro Max

各プロダクトについて簡単にまとめる

Apple Watch Series 8

Apple Watch Series 8 が発表された。色はアルミニウム・モデルがミッドナイト、スターライト、シルバー、(PRODUCT) RED の 4 色展開; ステンレススチール・モデルはシルバー、ゴールド、グラファイトの 3 色展開。チタニウム・モデルは発売されなくなった (後述の Apple Watch Ultra がチタニウム・モデルで提供)。予約開始は 2022-09-08、販売開始は 2022-09-16。

Apple Watch Series 8 では皮膚温センサーが追加された。いわゆる体温計センサー。センサーは 2 つ搭載される。1 つは背面クリスタル部分に、もう 1 つはディスプレイのすぐ下に。2 つセンサーで外部環境の偏りを減らし精度を高めるという。センサーの精度は 0.1 度単位。

皮膚温センサーは周期記録アプリと連携して、女性の基礎体温の測定を行なってくれる。また、体温情報から推定される過去の排卵日や生理不順について通知を飛ばしてくれるようになる。

Apple Watch Series 8 ではジャイロスコープと加速度センサーもアップデートされた。加速度センサーは最大 256G の加速度まで検出が可能なものに変更されている。

これらの新しいセンサーを使って、車の衝突事故検出が可能になる。転倒検出機能と同じように、車の衝突事故に遭ったら Apple Watch が緊急通報サービスに連携をしてくれる。対象となるのは走行中のみで、事故の種類は正面衝突・側面衝突・追突・横転をサポートする。

イベントでは、watchOS 9 の新機能も 2 つ発表された。

1 つ目は低電力モード。起動する機能を限定することで、通常最大 18 時間しか保たないバッテリーを、最大 36 時間まで保つようにする。起動する機能はアクティビティの記録や転倒検出など。watchOS 9 を搭載した Series 4 以降の Apple Watch で利用可能になる。

2 つ目は国際ローミング対応。セルラー版の Apple Watch が海外でも通話可能になる。利用するには iPhone のローミング・プランに Apple Watch を追加する。対応する通信事業会社のロゴの中に、日本の SoftBank があった。au と DoCoMo は対応するかどうか分からない。watchOS 9 を搭載した Series 5 以降の Apple Watch で利用可能になる。

Apple Watch SE (第2世代)

Apple Watch SE の第2世代が発表された。色はシルバー、ミッドナイト、スターライトの 3 色展開。予約開始は 2022-09-08、販売開始は 2022-09-16。

チップは Series 8 と同じ S8 チップ。背面を再設計してナイロン複合材で作るようにした。

Apple Watch Ultra

Apple Watch Ultra が発表された。通常利用の Apple Watch から一歩進んで、より苛酷な環境での業務やスポーツに対応したモデル。チタニウム製のみの提供。カラー展開なし。GPS + Cellular モデルのみ (GPS モデルは提供なし)。予約開始は 2022-09-08、販売開始は 2022-09-23。価格は 124,800 円 (税込)。

Apple Watch Series 8 との違いは次の通り:

  • 49 mm ディスプレイ
  • 大きなデジタルクラウンと突出したサイドボタン
  • アクションボタン
  • デュアル・スピーカー
  • 3 マイクアレイ
  • 2周波 GPS
  • 水温センサー搭載の水深計
  • 防水 (WR100 + EN13319)
  • 36 時間バッテリー

ディスプレイ・サイズは Series 8 の 45mm より大きな 49 mm。

デジタルクラウン、サイドボタンの変更は手袋をしたままでも操作しやすいように、とのこと。アクションボタンはサイドボタンと逆側の位置に新しくついたボタン。カスタマイズ可能で、ワークアウトを起動するなどといったことが可能になる。

スピーカーにはサイレン機能が追加される。アクションボタン長押しで、86 デシベル (180 m 先にも届く) の音を出す。

Series 8 では 1L GPS のみを使っているところ、Ultra では最新の 5L GPS と従来の 1L GPS を使う 2 波 GPS に対応。より精度の高い位置情報を取得する。

防水は Series 8 の 50m を上回る 100m 防水。ダイビングの国際技術標準規格である EN13319 に準拠。水温センサー搭載の水深計が追加され、水の中に入ると自動的に水深・水中にいる時間・水温を自動計測する。Huish Outdoors 社と Apple が協同開発したスキューター・ダイビング用アプリ Oceanic+ アプリが今秋後半リリース予定。

バッテリーは Series 8 の 18 時間の倍の 36 時間。今秋後半公開予定のバッテリー最適化設定を使うことで、最大 60 時間まで伸ばすことが可能。

バンドは目的別に 3 種用意。探検化向けのアルパインループ、海向けのオーションバンド、持久系アスリート向けに軽く作られたトレイルループ。

AirPods Pro (第2世代)

AirPods Pro の第2世代が発表された。予約開始は 2022-09-09、販売開始は 2022-09-23。価格は 39,800 円 (税込)。

AirPods Pro 第1世代との違いは次の通り:

  • H2 チップ
  • アクティブノイズキャンセリングの強化
  • 6 時間バッテリー

充電ケースにもアップデートがある:

  • U1 チップ
  • 30 時間バッテリー
  • Apple Watch の充電器に対応
  • ケース横にストラップループ

AirPods Pro 第2世代では、ノイズキャンセリングの外部音取り込みモードに適応型環境音除去機能が付く。これは工事音などの環境騒音に限定したノイズキャンセリング。アクティブノイズキャンセリングは、第1世代と比べて最大2倍良くなったと説明があった (どういう基準で2倍なんだろ?)。

また、イヤーチップに XS サイズが新登場。より小さな耳の人へも、イヤーチップの対応の幅が広がる。

充電ケースに付いたU1チップは、探すアプリでの「正確な場所を見つける」に対応する。

iPhone 14 / iPhone 14 Plus

iPhane 14 および iPhane 14 Plus が発表された。色はミッドナイト、スターライト、ブルー、パープル、(PRODUCT) RED の 5 色展開。ディスプレイ・サイズは iPhane 14 が 6.1 インチ、iPhone 14 Plus (新モデル!) が 6.7 インチ。iPhone 14 は 2022-09-09 予約開始、2022-09-16 販売開始; iPhone 16 Plus は 2022-09-09 予約開始、2022-10-07 販売開始。価格は 119,800 円 (税込) から。

主な仕様および新機能は次の通り:

  • ディスプレイ: Super Retina XDR ディスプレイ
  • チップ: A15 Bionic
  • バックカメラ: メインカメラ 12MP + 超広角カメラ 12MP
  • フロントカメラ: フロントカメラ 12MP + TrueDepth カメラ
  • ネットワーク: 5G + eSIM
  • ジャイロスコープ (UPDATE): ハイダイナミックレンジに対応
  • 加速度センサー (UPDATE): 256G まで測定可能に
  • 通信衛星対応 (NEW!)

チップは iPhone 13 と同じ A15 Bionic。Apple Watch でも導入された衝突事故検出機能に対応する。また、通信衛星を使った緊急 SOS が利用可能になる。

US モデルでは物理 SIM スロットが廃止され、eSIM オンリーになる。

衝突事故検出機能

マイク、気圧計、GPS、そしてアップデートされたジャイロスコープと加速度センサーを使って車走行中の衝突事故を検出する。

衛星経由の緊急 SOS

通信衛星を使って緊急 SMS を送信する。SMS といっても標準の SMS 送受信プロトコルは使用しない。専用のショートテキスト・アルゴリズムが使われ、送るメッセージも選択式の Q&A を使ってシンプルなやり取りしか行なわない。とはいえ、送信された情報は緊急サービスに通信衛星を使って適切に届けられる。

iPhone に通信衛星用の大きなアンテナは付けられない。そこで専用のアプリが提供される。このアプリは通信衛星のある位置をユーザーに教えてくれる。ユーザーはアプリに従って通信衛星のある方向に iPhone を向けることで、通信衛星との接続を行なう。このサービスは US とカナダで 2022 年 11 月から開始される。最初の 2 年間は無料で提供とのこと。

iPhone 14 Pro / iPhone 14 Pro Max

iPhane 14 Pro および iPhane 14 Pro Max も発表された。色はスペースブラック、シルバー、ゴールド、ディープパープルの 4 色展開。iPhone 14 Pro および iPhone 14 Pro Max の予約開始は 2022-09-09、販売開始は 2022-09-16。価格は 149,800 円 (税込) から。

主な仕様および新機能は次の通り:

  • ディスプレイ: Super Retina XDR ディスプレイ + 常時表示ディスプレイ
  • チップ: A16 Bionic
  • バックカメラ: メインカメラ 48MP (NEW!) + 超広角カメラ 12MP + 望遠カメラ 12MP
  • フロントカメラ: フロントカメラ 12MP + TrueDepth カメラ
  • ダイナミック・アイランド (NEW!)
  • ネットワーク: 5G + eSIM
  • ジャイロスコープ (UPDATE): ハイダイナミックレンジに対応
  • 加速度センサー (UPDATE): 256G まで測定可能に
  • 通信衛星対応 (NEW!)

チップは A16 Bionic。ディスプレイは常時表示ディスプレイに対応。メインカメラが 12MP から 48MP に向上。ノッチ部分が島状になり機能が追加。ダイナミック・アイランドと呼ばれる。

常時表示ディスプレイ

iPhone のディスプレイが常時表示ディスプレイになった。従来の画面オフ時にロック画面が (少し薄暗い発光で) 表示され続ける。この間、ディスプレイはリフレッシュレートを 1 Hz まで落とすことで、電力の消費を抑える。ロック画面には iOS 16 で導入されたロック画面のウィジェットも表示される。

カメラ

バックカメラのメインカメラが 12MP から 48 MP に変更される。また、疑似的な 2 倍望遠機能を提供する。

フラッシュがカメラの焦点距離と連続するようになり、加えて 2 倍明るくなった。

ダイナミック・アイランド

ノッチが小さくなり大き目のパンチホールのようになっただけでなく、その周囲を iOS の補助的な情報通知・アクション用のパーツとして提供する。これをダイナミック・アイランドと言う。

通知などがダイナミック・アイランドが広がるようにアニメーションして表示される。各アプリのアクティビティー (AirPods の接続状況やミュージックアプリの再生状況、タイマーの状態など) は、ダイナミック・アイランドが少し横に広がった形で、情報を表示するようになる。これをロングプレスすると、ダイナミック・アイランドが広がり、ちょっとしたウィジェットのようにその場でアプリ操作が可能になる。

複数のアプリが同時にバックグラウンドで起動していたら、ダイナミック・アイランドは 2 つの要素に分裂する。

あとがき

iPhone 14 Pro に導入されたダイナミック・アイランドは通知画面やコントロール・センターが刷新された時以来の大きな変更になると思う。音楽を聞きながら、タイマーをかけながら、etc. 最近のスマホではメインのアプリの他に別の作業をすることも多いので、状況の把握・アプリのコントロールが一手間で出来るようになるのは有難い。とてもたのしみ。

2022-06-07

WWDC 2022 で iOS 16, iPadOS 16, macOS Ventura, watchOS 9, 新 MacBook が発表された

2022-06-07 (火) 02:00、Apple は WWDC のキーノートを放送して、各種新 OS (iOS 16, iPadOS 16, macOS Ventura, watchOS 9) と新デバイス (M2 チップ, MacBook Air, MacBook Pro) を発表した。

iOS 16

まずは iOS 16 の新機能。

ロック画面

ロック画面が刷新される。新しいロック画面は自分でカスタマイズできるようになる。長押しで編集画面が起動し、時刻のフォントや色を変更できるようになる。用意されているロック画面の中には、選択した写真が 1 日中シャッフルされる「写真シャッフル」、1 枚だけ写真を選択してフィルターをかけたりできる「写真」、天気アプリと同じように現在の気象状況をアニメーションで表示する「天気」、Apple Watch のアストロノミー文字盤と同じように地球や月を表示する「アストロノミー」などがある。

加えてロック画面にウィジェットを配置できるようになる。ウィジェットは Apple watch のコンプリケーションのように配置領域が決まっている。その中なら、ドラッグで移動可能。開発者は WidgetKit でロック画面に表示するウィジェットを開発できる。

これらのロック画面は複数作成可能。作成したロック画面は長押ししてスワイプするとで切り替えられる。

ライブアクティビティという新しい機能も追加される。現在の状況を表示・コントロールする専用ウィジェットのようなもの。ライブアクティビティを使って、ミュージック・アプリの再生コントロールをロック画面に表示する、なんてことが可能になる。大量のプッシュ通知を表示する代わりに、ライブアクティビティで表示する (例えばバスケのスコアをプッシュ通知で飛ばしていた場合とか) なんて利用例も挙げられていた。

集中モード

前述のロック画面と融合する。1 つのロック画面につき 1 つの集中モードを紐付けられるようになる。ロック画面を選択すると自動的に集中モードも動き出す。

集中モードフィルターなる機能も提供される。集中モードをアプリにも適用するというもの。Safari で「仕事」の集中モード中に仕事関連のタブだけ表示するという利用方法が挙げられていた。

メッセージ・アプリ

送信したメッセージの編集・削除が送信直後に限って可能になる。また、スレッドを未読に戻すことが可能になる。

音声入力

音声入力を始めてもキーボードが閉じないようになる。音声入力での誤入力をキーボードからすぐに修正できるようになる。

句読点の入力も自動で行なうようになる。もう「。」を入力するのに「マル」とか言わなくても良い。絵文字の入力も対応する。

テキスト認識表示 (Live Text)

ビデオ動画でもテキスト認識表示が可能になる。ビデオを一時停止した状態で、テキスト認識表示を呼び出せる。

テキスト認識表示用の Live Text API が提供されるので、アプリの中から直接 Live Text が使えるようになる。

ウォレット・アプリ

メッセージアプリでキー情報を送ると、キーをウォレットに追加できるようになる。

おそらくアメリカ限定 (で日本に来るのは先) で iPhone の Tap to pay を使って非接触型決済を行なえるようになる。つまり、Square みたいな端末の代わりを iPhone 本体がやってくれる。それから、Apple Pay で後払い (6 週間の 4 回払い) に変更することができるようになる。最後に、Apple Pay で注文の追跡が可能になる。

マップ・アプリ

複数地点を経由する経路案内が可能になる。登録できる経由地は最大 15 か所。

マップ・アプリとウォレット・アプリが連携。マップ・アプリで経路確認中に交通系カードの料金が足りなかったら、ウォレット・アプリの中から入金することが可能になる。

最後に MapKit が大幅にアップデート。俯瞰表示とか Look Around とか、ダークモードに対応した地図をアプリ内マップから使えるようになる。

ファミリー共有

新デバイス設定時に iPhone を近付けると、家族用アカウント作成の画面が現れ、初めから適切なペアレンタルコントロールを設定できるようになる。

子供から利用時間の延長やアプリのインストール要請のメッセージを受け取った時、メッセージ・アプリ内で対応が可能になる。

写真アプリ

iCloud 共有写真ライブラリーが提供される。今までは iCloud の共有「アルバム」があった。それのライブラリー版。共有された写真の権限は全員が等しく持ち、全員に同期される。編集・削除・キャプションの記入・キーワードの追加などが同期される。共有写真ライブラリーに入れる写真は、自分のライブラリーの全てを選ぶこともできるし、手動で設定することも可能。手動で入れる場合、カメラ・アプリで撮影後に移動させることもできる。

セーフティー・チェック

DV などから逃げている人などを想定した機能。探すアプリの位置情報共有を停止したり、全デバイスの iCloud でサインアウントを実行できたりする。

ホーム・アプリ

iOS 16 でリデザインされる。部屋タブがなくなる。ホームタブが充実し、ホームタブから各部屋にアクセスできるようになる。新しいカテゴリー (気功・照明・セキュリテティーなど) が用意される。これらはアプリ上部に表示される。

アクセサリーのアイコンと色が大きく追加される。

CarPlay

2023 年後半に登場する予定の新 CarPlay についてチラ見せあった。新しい CarPlay は車とより密接に連携する。車載のディスプレイに CarPlay の出力を行なうことができるようになる。逆に車から計器の情報などを受け取って、速度・回転数・気温などを表示・操作できるようになる。iPhone から車のラジオやエアコンの操作ができるようになる。

Personalized 空間オーディオ

iPhone の TrueDepth カメラを使って耳を撮影。その情報を使って、パーソナライズされた空間オーディオのプロファイルを作成する。

クイックノート

iPad からしか作れなかったクイックノート。iOS 16 からは iPhone でもクイックノートの作成が可能になる。

iPadOS 16

天気アプリ

iPad にも天気アプリが提供される。

共同制作機能

共有シートから共同制作用のリンクを送れるようになる。このリンクを作って共同制限するようになると、その状況をメンバー間で確認できるようになる。共同制作しているメンバーと簡単に FaceTime を開始することも可能になる。

対応アプリは、メモ・Safari・Pages・Numbers・Keynote・ファイル・リマインダーアプリなど。開発用 API も用意されるので、サードパーティー・アプリでも共同制限機能は使えるようになるはず。

Freeform アプリ

Apple 製のホワイトボード・アプリが提供される。

デスクトップクラス・アプリ

iPad の動きがよりデスクトップ OS に近くなる。

システム全体を通しての取り消しややり直し、カスタマイズ可能なツールバーの提供など、インラインで動作する検索と置換など。ファイル・アプリではメニューからファイルの複製・名称変更・書き出し・プリントなどがサポートされ、拡張子の変更やフォルダーサイズの表示が可能になる。

ステージマネージャー

macOS および iPad で提供される新しいマルチタスクの仕組み (M1 を搭載した iPad Air, M1 を搭載した iPad Pro で利用可能)。

利用するアプリをグループ化して管理できるようになる。利用中のグループのアプリは、画面のセンターに重ねて表示される。利用外のグループはセンターから見て左側に並べられる。

利用中アプリの重ね方には自由度があって、全く重ねないようにすることもできれば、アプリのウィンドウ・サイズを小さくして重ねることもできる。アプリのサイズは従来より自由度が高いものの、iPad では (Mac のように) 完全に自由というわけではない。

外部ディスプレイもサポートされる。外部ディスプレイと iPad を合わせて、同時に最大 8 つのアプリを扱うことができる。

watchOS 9

文字盤

4 つの新しい文字盤が追加される。

アストロノミー文字盤。大きなディスプレイを活かすように刷新された。世界中の現在の雲量を表示する。

ルナー文字盤。大陰暦 (中国歴、イスラム歴、ユダヤ歴) に対応する。

プレイタイム文字盤。アーティスト Joi Fulton 氏のデザインによる。デジタル数字がアニメーションする; タップすると数字が跳ね回る、手首を下ろすと数字が眠る。

メトロポリタン文字盤。Digital Crown を回すと、文字盤の数字がダイナミックに伸びる。

ポッドキャスト・アプリ

「検索」と「今すぐ聴く」が追加された。今までは iPhone のポッドキャスト・アプリで登録したポッドキャストしか聞くことができなかったけど、これからは Apple Watch 単体でポッドキャストを見つけることが可能になる。

ワークアウト

ランニング・ワークアウトに 3 つの指標 (上下動・歩幅の長さ・接地時間) が追加される。新しく増えた指標にアクセスできるよう、UI も変更。Digital Crown を回すと測定値の新しい表示を見ることができるようになる。

カスタム・ワークアウトの作成が可能になる。ここで言うカスタム・ワークアウトは距離と時間のインターバルを設定したワークアウトの作成のこと。閾値を設定して、閾値を下回ったり上回ったりしたらアラートを投げる、といったカスタマイズも可能とのこと。

マルチスポーツワークアウト機能が追加される。複数のワークアウトを自動的に切り替えるワークアウト。センサーを使って、次のワークアウトに移るタイミングを感知する。

フィットネス・アプリ

今までフィットネス・アプリは Apple Watch を持っている iPhone にしかインストールされなかった。iOS 16 からは、Apple Watch を持っていなくてもフィットネス・アプリが使えるようになる。

睡眠アプリ

睡眠ステージを分析・記録できるようになる。睡眠ステージは覚醒・レム・コア・深いの 4 つ。

Apple Heart and Movement Study の参加者は [[リサーチ・アプリ (Apple)]] で睡眠ステージのデータを提供できる。

心電図アプリ

心房細動履歴 (AFib History) により、心房細動が起きていた時間を記録する。ヘルスケア・アプリでこれらの記録を確認できる他、PDF で出力も可能。医師に情報共有するのが楽になる。

この機能は間もなく FDA の承認を取得予定とのこと。

服薬アプリ

服薬の記録を取るアプリが新しく追加される。服薬時間に通知を受け取れる他、服薬のスケジュールをコンプリケーションから確認できる。

服用する薬に相互作用がある場合、薬を登録する時に通知を取ばしてくれる。これは薬同士の相互作用の他に、アルコールとの相互作用についても調べてくれる。情報ソースは大手医療出版社のエルゼビア社。

M2チップ

M1チップの後継チップ、M2チップが登場する。

M2チップのスペックは次の通り:

  • メモリー・コントローラー: 100GB/s の帯域幅
  • ユニファイド・メモリー: 最大 24 GB
  • CPU: 8 コア CPU (4 高性能コア + 4 高効率コア)
  • GPU: 10 コア GPU (M1チップより 2 コア多い)
  • 次世代のニューラルエンジンとメディアエンジン

新 MacBook

M2チップを搭載する MacBook Air と MacBook Pro が発表された。

MacBook Air

デザインが刷新された。色は 4 色展開 (シルバー、スペースグレイ、スターライト、ミッドナイト)

  • 厚さ: 11.3mm
  • 重さ: 1.24kg
  • MagSafe: あり!
  • Thunderbolt ポート: 2 つ
  • ディスプレイ: Liquid Retina 13.6 インチ・ディスプレイ
  • カメラ: 1080p FaceTime HD カメラ
  • オーディオ・ジャック: ハイインピーダンスのヘッドフォンに対応
  • マイク: 3 マイクアレイ
  • スピーカー: 4 スピーカーサウンドシステム (空間オーディオに対応)
  • キーボード: Magic Keyboard + TouchID
  • タッチパッド: 感圧タッチパッド
MacBook Pro 13 インチ

デザインはそのまま。M2チップ (8コアCPU+10コアGPU) 搭載により、メモリーの最大搭載量は 24 GB。ストレージは最大 2 TB。

macOS Ventura

ステージマネージャー

iPadOS 16 の説明を参照。

メール・アプリ

メール送信の取り消し、送信時間のスケジュールが可能になる。

フォローアップ提供機能が加わる。返信を受け取っていない場合、追跡するよう自動的にリマインドする。

Safari

共有タブグループ機能が追加される。グループタブを他のメンバーと共有できる。編集権は全員に与えられる。

パスキー

パスワードを置き換える新しい仕組み「パスキー」が発表された。

パスキーは TouchID/FaceID を使って作成される。そしてパスキーを作成すると、そのサイトでしか使えない固有の電子鍵が作られる。

Hand Off

FaceTime で Hand Off が利用可能になる。iPhone で受けた FaceTime を Mac や iPad に引き継げるようになる。

連携カメラ

iPhone のカメラをウェブカメラとして利用できるようになる。

Mac が自動的に iPhone を検知。iPhone のカメラを使うことでセンターフレームやスタジオ照明機能がどの Mac でも実現可能になる。

連携カメラを使うとデスクビューという機能が使えるようになる。iPhone の超広角カメラを使って、正面と同時に手元の机を撮影する機能。

連携カメラは FaceTime だけでなく、Zoom や Microsoft Teams でも利用可能になるとのこと。

専用スタンドを Belkin と開発中で、2022 年末リリース予定。

あとがき

iOS 16, iPadOS 16 では大きな変更は見えないように思う。とても安定的なアップデートになりそう。

2022-03-09

Apple イベントで新 iPhone SE, 新 iPad Air, M1 Ultra, Mac Studio と Studio Display が発表された。

2022-03-09 (水) 03:00、Apple はイベントを開いて iPhone、iPad、Mac に関わる新製品を発表した。

iPhone の発表は 2 つ。まず iPhone 13 モデルに新色が追加された。そして第 3 世代となる iPhone SE が発表された。iPad の発表では第 5 世代となる iPad Air が発表された。Mac 関連では M1 チップ・シリーズのフラッグシップ・モデルとして M1 Ultra が発表され、それを搭載する新しいスタンドアローン型の Mac である Mac Studio が発表された。同時に Mac Studio で使えるディスプレイ Studio Display が発表された。

以下、簡単に概略をまとめてみる:

iPhone 13 の新色

iPhone 13 系に新色が追加された。

  • iPhone 13: グリーン
  • iPhone 13 Pro: アルパイン・グリーン

これで iPhone 13 は 6 色展開 (ピンク、ブルー、ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT) RED、(新)グリーン)、iPhone 13 Pro は 5 色展開 (シルバー、ゴールド、グラファイト、シエラブルー、(新)アルパイングリーン) となる。新色はいずれも 2022-03-11 (金) から予約開始、2022-03-18 (金) 発売。

iPhone SE (第 3 世代)

新しい iPhone SE が発表された。色展開は 3 色 (ミッドナイト、スターライト、(PRODUCT) RED)。ストレージは 3 タイプ (64 GB, 128 GB, 256 GB)。価格は 57,800 円 (税込) から。2022-03-11 (金) 午後 10 時から予約開始、2022-03-18 (金) 発売。

iPhone SE (第 2 世代) からの変更点は次の通り:

  • チップ: A13 Bionic → A15 Bionic
  • モバイル: 4G LTE → 5G

A13 Bionic は 6 コア CPU・4 コア GPU・8 コア Neural Engine。対して A15 Bionic は 6 コア CPU・4 コア GPU・16 コア Neural Engine。

ディスプレイ・サイズは変わらず 4.7 インチ。細かい所では重量が第 2 世代より 4g 軽くなって 144g になった。

A15 Bionic にアップデートされたからか、写真撮影でスマート HDR 4 に対応するようになり、動画撮影では 1080p スローモーションビデオ (120fps) に対応するようになった。ビデオ再生時間も 8 時間から 10 時間に伸びている。

iPad Air (第 5 世代)

新しい iPad Air が発表された。色展開は 5 色 (スペースグレイ、ピンク、パープル、ブルー、スターライト)。ストレージは 2 タイプ (64 GB, 256 GB)。価格は 74,800 円 (税込) から。2022-03-11 (金) 午後 10 時から予約開始、2022-03-18 (金) 発売。

iPad Air (第 4 世代) からの変更点は次の通り:

  • チップ: A14 Bionic → M1
  • モバイル: 4G LTE → 5G
  • フロントカメラ: 7MP FaceTime HD カメラ → 12MP 超広角カメラ

A14 Bionic は 6 コア CPU・4 コア GPU・16 コア Neural Engine。M1 は (A14 Bionic と比較するのはおかしいかもしれないけれど) 8 コア CPU・8 コア GPU・16 コア Neural Engine・8 GB のユニファイド・メモリー。

ディスプレイはサイズ変わらず 10.7 インチの Liquid Retina ディスプレイ。フロントカメラがセンターフレームに対応するようになる。

TouchID がトップボタン内蔵、コネクターがUSB-C ポート、Apple Pencil 2 と Magic Keyboard が利用可能、というのは第 4 世代から変わらず。

M1 Ultra

M1 チップシリーズの新チップ M1 Ultra が発表された。後述の Mac Studio で採用される。

M1 Ultra は M1 Max のダイを 2 つ繋げたもの。Apple はこれを Utrla Fusion と呼んでいる。

M1 Max は最大で 10 コア CPU・32 コア GPU・16 コア Neural Engine・64 GB のユニファイド・メモリーといった構成だった。M1 Ultra はこの M1 Max が 2 つ繋がっているので 20 コア CPU・64 コア GPU・32 コア Neural Engine で 128 GB のユニファイド・メモリーとなる。

Mac Studio

高効能な Mac mini、もしくはコンパクト・サイズな Mac Pro という位置付けの Mac Studio が発表された。iMac のようにディスプレイ一体型ではない。チップは M1 Max と M1 Ultra が選択できる。M1 Max モデルは 10 コア CPU・24 コア GPU・16 コア Neural Engine・32 GB ユニファイド・メモリー構成で価格は 249,800 円 (税込) から。M1 Ultra モデルは 20 コア CPU・48 コア GPU・32 コア Neural Engine・64 GB ユニファイド・メモリー構成で価格は 499,800 円 (税込) から。どちらのモデルも GPU を 36 コア/64 コアに、ユニファイド・メモリーを 64GB/128GB にオプションでアップグレード可能。予約開始は今日からで、2022-03-18 (金) 発売。

最小構成の主な特徴は次の通り:

  • サイズ: 19.7 cm x 19.7 cm x 9.5 cm
  • 重さ: 2.7 kg / 3.6 kg
  • チップ: M1 Max / M1 Ultra (アップグレード可)
  • メモリー: 32 GB / 64 GB (アップグレード可)
  • ストレージ: 512 GB / 1 TB (アップグレード可)
  • 背面
    • Thunderbolt 4 ポート x4
    • 10 Gb イーサネット
    • USB-A x2
    • HDMI x1
    • 3.5 インチ・ヘッドフォン・ジャック
  • 前面
    • USB-C ポート x2 / Thunderbolt 4 ポート x2
    • SDXC カードスロット
  • ネットワーク: WiFi 6
  • Bluetooth: 5.0

チップに M1 Max を選ぶか M1 Ultra を選ぶかによって、前面のポートの種類が変わるので注意。M1 Max を選ぶ場合は USB-C ポートが 2 つになって、M1 Ultra を選ぶ場合は Thunderbolt 4 ポートが 2 つになる。

Studio Display

Mac Studio と一緒に Studio Display が発表された。Mac Studio 以外の Mac でも利用可能 (対応している Mac の詳細は Apple のサイトを参照してください)。27 インチの 5K ディスプレイで、A13 チップ搭載によりセンターフレームや空間オーディオ、Siri などの処理をディスプレイ自身が行なう。価格は 199,800 円 (税込) から。予約開始は今日からで、2022-03-18 (金) 発売。

主な仕様は次の通り:

  • ディスプレイ: 5K Retina (5,120 x 2,880; 218ppi); P3, TrueTone 対応
  • サイズ: 27 インチ、62.3 cm x 47.8 cm x 16.8 cm
  • 重さ: 6.3 kg
  • カメラ: 12MP 超広角カメラ (センターフレーム対応)
  • スピーカー: 6 つ (2 ツイーター、4 ベース)、空間オーディオ対応
  • マイク: アレイマイク (Hey, Siri に対応)
  • 背面
    • Thunderbolt 3 (USB-C) ポート x1
    • USB-C ポート x3

HDMI ポートは持たない。

オプションが豊富で、ディスプレイには Nano-texture ガラスを選択可能。標準のスタンドは 30 度の傾き調整に対応しているけれど、傾きと高さを調整できるスタンドと VESA マウントできるアダプターをオプションで選択することができる。

あとがき

iPad Air に M1 チップがのるとは思っていなかったし、M1 Ultra なる新チップが発表されるとは思っもみなかったので、良い意味で驚きのあるイベントだった。今回のイベントは Peak Performance と銘打っていたけれど、なるほど M1 Ultra はその名に恥じない性能に見えた。

これで M1 チップに刷新されていない Mac は Mac Pro だけになった。Apple はどんなアップデートをかけてくるのか、楽しみ。