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2018-06-05

WWDC 2018 で iOS 12 が発表された

2018-06-05 (火) 02:00、Apple は WWDC 2018 で iOS 12 を発表した。キーノート終了後にデベロッパー・ベータ版の配布が開始された。

パフォーマンスの向上

iOS 12 ではパフォーマンスの向上に力を注いだ。

iPhone 6 ベースで、アプリの起動が 40%、キーボードの表示が 50%、カメラの起動が 70% 高速になる。

USDZ フォーマット

AR 用のファイル・フォーマットとして USDZ ファイル・フォーマットを採用する。

キーノートでは、ウェブ上に置かれた「ギター」の AR ファイルを開くデモを行なった。AR データのギターを自分の部屋に置くとどんな感じになるかを見せていた。実際の大きさを目に見える形で表現していて面白かった。これが普及すれば、家具のカタログとかすごいことになりそう。

ARKit 2.0

ARKit 1.5 から機能強化が行なわれた。

  • 改善された顔検出
  • リアリスティックなレンダリング
  • 3D オブジェクトの検出
  • AR 画面の共有

「AR 画面の共有」では複数のユーザーが別々の端末から同じ AR 画面を見たり操作する機能。キーノートでは、2 人で 1 つの「AR ゲーム」を遊ぶデモが行なわれた。火事になった AR 上のビルに対して、片方のプレイヤーがヘリを飛ばして救助に当たる。もう一人のプレイヤーの画面には、最初のプレイヤーが飛ばしているヘリの姿がちゃんと表示されていた。

Siri

ショートカット

「自分用のフレーズ」を録音して、特定の機能を Siri から呼び出すことが可能になる。サードパーティー・アプリでもショートカットは作成可能。

ショートカット・アプリ

ショートカットをより細かく設定するためのアプリ「ショートカット」が新しく出来る。複数のアプリの操作を 1 つのショートカットにまとめることができる。デモを見た感じ、Workflow アプリを Siri に最適化させたような感じ。

通知 (プッシュ通知)

グループ通知が可能になった。アプリごと、もしくはトピックごと、もしくはグループごとに、複数の通知を 1 つにまとめて表示する。まとまった通知は、1 つ 1 つ確認することも可能だし、全部をまとめて削除することも可能。

スクリーン・タイム

アプリの利用状況をレポート (報告) する機能。どのアプリをよく利用しているか、通知をどれくらい受け取っているか、などの情報をまとめてくれる。また、アプリの利用時間上限を自分で設定する機能も提供される。

ペアレンタル・コントロール機能の一環として、子供の利用時間制限・利用時間上限設定・(教育用アプリなどの) 許可アプリの設定・コンテントやプライバシーのコントロールも行なえるようになる。

Measure アプリ

AR を使って物の長さを測る新アプリ。サードパーティー・アプリでは AirMeasure などが同種のアプリとして有名。

AR を使って、2 点間の距離を測ることができる。平面の物体に対しては、自動的に検出してワンタップで縦横・面積を求めてくれる。

また、iOS 11 のコンパス・アプリに入っていた水準器機能は、この Measure アプリに移動する。

写真アプリ

検索機能が強化され、検索候補 (サジェスチョン) が表示されるようになる。検索候補は検索ページに行くと自動的に現れる。対象は場所、イベント、カテゴリーなど。

また、新しく「For You」タブが提供される。「For You」タブでは、過去の写真をピックアップする Featured photos や、エフェクトのサジェスチョン、共有した写真のアクティビティ、写真の共有サジェスチョンなどが行なわれる。

友達から写真を共有されると、「共有のお返しをする」というサジェスチョンが現れる。

メッセージ・アプリ

Animoji

Animoji の新機能「舌検出」。Animoji に「舌」の動きも反映させることができるようになる。

新しく 4 つの Animoji が追加される。

  • ゴースト (幽霊)
  • コアラ
  • T-Rex (ティラノサウルス)
Memoji

自分専用の Animoji を作成することが可能になる。モンタージュのように、目の色や髪の形などの組み合わせを変更して変化をつけることができる。

FaceTime アプリ

グループ・ビデオ通話が可能になる。最大 32 人まで。

通話画面では、ビデオ通話参加者がタイルとして配置される。そして、話している人のタイルが大きくなる。また、タイルをダブル・タップすることで固定表示に変更することが可能。グループチャットには Animoji で参加することも可能。

iPad 対応

ニュース、株価、ボイス・メモの 3 つのアプリが iPad に対応する。ただし、ニュース・アプリはまだ日本では配信されていない。

Apple Books アプリ

iBooks アプリが Apple Books アプリに名称変更され、リニューアルされる。

購入ページが一新され、コレクション管理にアクセスしやすくなる。

あとがき

今回は Apple 純製アプリのアップデートが多かったように感じた; Measure、Apple Books、ニュース、株価、ボイス・メモなど。システム全体に関わる変更としては、ショートカット機能とプッシュ通知のグループ化機能が興味を引いた。ショートカット機能は Siri 機能のサードパーティー・アプリへの開放に近く、どういった連携が出てくるか楽しみ。プッシュ通知のグループ化は、通知エリアがプッシュ通知で一杯になってしまうのを防いでくれそう。