2015-06-09

watchOS 2 in WWDC 2015

2015-06-09 (火)、Apple は WWDC 2015 において watchOS 2 の発表を行ない、Developer SDK をリリースした。新 OS では、Apple Watch 単独で動くアプリの開発が可能になる。

新しい Timepiece

時計盤に 3 種の新フェイスが追加された:

  • Photo Face (写真を表示)
  • Photo Album Face (アルバムから写真を表示)
  • Time-Lapse Face (風景の動画表示)

Complications - Time Travel

Complications は、アプリの情報を文字盤に表示する。Apple Watch 版ウィジェット。今までは Apple が提供する「情報」しか文字盤に出すことができなかったけど、それがアプリにも開放される。

Time Travel は、Apple Watch の文字盤に出ていた「過去の情報」に Digital Crown を回してアクセスする機能。カレンダーや Complications で提供される情報に対して、より深いアプローチができるようになる。

開発 SDK

アプリ単体での開発に伴って、Apple Watch の各種デバイスへのアクセスが可能になった。

  • Wi-Fi への直接接続 (iPhone なしでネットワーク接続)
  • マイクへのアクセス
  • オーディオ、ビデオの再生
  • 加速度センサーへのアクセス
  • Taptic Engine (バイブレーション) の制御
  • Digital Crown からの制御

また、HealthKit・HomeKit との連携も出来るようになる。

Siri

Siri を使って Glance を直接開けるようになる。

また、Siri でアプリに対する応答も可能になる (個人的には、この機能に凄く注目しているんだけど、WWDC のデモだけじゃどこまで出来るのか分からなかった)。

落ち穂拾い

  • メール・メッセージに返信機能が付く
  • 友達一覧が 2 画面に増えた
  • アラームが鳴った時、サイドボタン押でオフ (充電中のみ?)

あとがき

watchOS 2 にワクワクする新機能の発表はなかった。Apple Watch に欲しかった機能が提供されただけ、という見方も出来る。

ぼくは、2016 年に出るであろう watchOS 3 の為の種まきが順調に進んだ、という感想を持った。来年が楽しみ。

WWDC 2015 で発表された開発環境

2015-06-09 (火)、Apple は WWDC 2015 において Swift 2 を発表した。

Swift 2 はオープン・ソースで提供される。

WWDC 2015 において、この発表は、一番の熱狂をもって迎えられた。

Swift 2 に新しい最適化機能が備わったとか、コメントに Markdown が使えるようになったとか、@testable というコードが書けるようになったとか、Protocol Extensions が使えるようになったとか、そういった種々の変更よりも Swift がオープンソースになったことの方が大ニュースだった。

XCode 周りでは、UI テストツールが使えるようになった。

GameplayKit, Model I/O, ReplayKit などが追加された。HealthKit, HomeKit にも改良が加えられた (HomeKit は iClouds と連携する)。Car Play 対応も進んだ。

でも、やっぱり Swift 2 オープンソース化の歓迎の声ほどには盛り上がらなかった。開発系のネタは WWDC 以降、チラホラ出てくると思うのでゆっくりフォローしていこう。

iOS 9 in WWDC 2015

2015-06-09 (火)、Apple は WWDC 2015 において次期 iOS 9 の発表を行ない、Developer Beta をリリースした。Public Beta は 7 月。リリースは 2015 年 9 月。

新機能を列挙的に書いてゆく。

Siri

新 UI。

Proactive Assistant

Apple 版 Google Now。ユーザーの利用履歴 etc. からより賢い動作を行なう。

  • ヘッドフォンを差したらロックスクリーンに音楽コントロールを出す
  • 自動車に乗った場合はオーディオ・ブックを出す
  • カレンダーに渋滞情報 (移動しそうな時?)

検索 API

アプリ内のコンテンツ検索が可能になる。

検索結果からアプリの中へ遷移が可能 (Deep Linking)。Android の Intent を Apple 風にアレンジした感じ。

そういや、iOS 8 の検索は「検索」をホーム画面を下にスワイプして出すけど、iOS 9 のデモではホーム画面を「左」にスワイプしてたように見えた。う〜ん、これはどうなるんだろ。

写真

写真の「拡大表示」時にも下にサムネイル一覧が現れて、写真の選択が楽になる。

Apple Pay - Wallet

Passbook アプリは Wallet へ名称変更。Store Cards や Rewards Cards (日本の会員カードかな) も扱う。

Apple Pay は 2015 年 7 月、英国へも進出。ロンドンの地下鉄・バスも対象になる。

Square が秋に Apple Pay 対応。

今年出るかな〜と思ってた Apple Pay API は出なかった。

ノート

簡易リッチテキスト・エディターになって、iPhone,iPad,Mac で同期!

テキストのタイトル・強調、チェックリストの作成、画像の取り込みに対応。そして、手描きのドローイング機能も!

マップ

乗換案内機能をサポート。ただし、対象は米国及び中国の主要都市のみ。まだ日本には対応しない。Google Transit も日本対応は遅れたので、来るとしたら来年かな?

News

新アプリ。新聞・雑誌の購読アプリとトピック型フィードリーダーを合体させたようなもの。The New York Times, ESPN, CONDE NAST などが対応を表明。

見栄えの良さがウリ。美しいタイポグラフィ、写真の組版、ビデオのうめ込み。スクロールに応じて表示位置が柔軟に変わるマルチメディア。Kindle がまだ「電子書籍」なのに対して、News は未来のメディア。新聞もそうだけど、National Geographics とか、「美しい版面」にこだわってる雑誌には改新的なプラットフォームかも。

Apple は雑誌系アプリで何度も「成功」を納めていないだけに、今回の成否も気になる。そろそろアタリになるかな。

最初はアメリカ、イギリス、オーストラリアで展開。英語圏かぁ。

Keyboard in iPad

iPad のキーボードが進化する。

  • キーボードの QuickType (予測語) の左右にカット、コピー、ペーストのショートカット
  • Bluetooth キーボード用にショートカット
  • キーボード上が「タッチパッド」になる

キーボードの盤面がタッチパッドになるってなに気におそろしい。使い勝手が大きく変わりそう。

Multi-tasking in iPad

iPad にマルチタスク機能が来る。

ホームボタンのダブルタップで画面右にタスク・スイッチャーが現れる。この時点で、今まで使ってたアプリは左側に、アプリ・スイッチャーは右側にある構成。アプリを選択すると、右側がそのまま選択されたアプリになる。1 画面で分割 2 アプリ。

アプリの画面サイズは 50:50 に変更可能。

動画再生中に通知が来たら、動画はピクチャー・イン・ピクチャー (小さな画面で動画を再生しつつ、通知に対応したアプリを開く)。

コレはヤバイ。

省電力モード

3 時間、利用時間がのびる。らしい。

あとがき

日本で始まらないサービス/アプリ (乗換案内、Apple Pay、News)、iPad のみの機能 (新キーボード、マルチタスク) など iOS 9 はインパクトが大きいものの、散発的な感じをぬぐえない。ただ、その散発一つ一つの潜在的な脅威は大きい。

今年の 9 月が楽しみ。

OS X 10.11 El Capitan Developer Beta リリース

2015-06-09 (火)、Apple は WWDC 2015 において次期 OSX 10.11 El Capitan の発表を行ない、Developer Beta をリリースした。Public Beta は 7 月。フリー・アップグレードは 2015 年秋。

目の覚めるような新機能こそなかったものの、細かい UX 改善とパフォーマンス・アップが行なわれているのが目を引いた。

新機能

  • Spotlight: 自然言語検索に対応 (Siri の技術の転用か)、ウィンドウのリサイズ対応
  • Safari: タブを左端へドラッグするとピン留め、タブから「再生停止」
  • Spread Screen: 画面分割機能を向上、ウィンドウ操作の UX 向上

パフォーマンス

  • 1.4 倍高速
  • アプリ・スイッチャーが 2 倍高速化
  • PDF プレビューが 4 倍高速化

Metal for Mac により、レンダリングは 50% の高速化・40% の効率化。

落ち穂拾い

新システム・フォントとして Apple Watch が採用した San Francisco を使うっぽい。また、「新日本語入力」という文字があった。こちらは説明なし。

Apple Music 6/30 に日本上陸

2015-06-09 (火)、Apple は WWDC 2015 の「One more thing」として「Apple Music」を発表した。Apple Music は、Apple が提供する音楽ストリーミング・サービス。

気になるのは値段。

  • $9.99/月 (月額 1,200 円相当)
  • $14.99/月 (ファミリー・プラン、最大 6 人まで)
  • 最初の 3 か月は無料

サービス・インは 2013-06-30 (火) -- 日本では 7/1 (水) にズレこむかもしれない。

100 以上の国でスタート。日本の Apple Store にも Apple Music のページが 既に 開設され、「まもなく登場」とある。Twitter のアカウントも用意されている。Apple Music の国内スタートは確実!

サービス

Apple Music は、iPhone, iPad, iPod Touch, Mac そして Windows (for iTunes?) で使うことができる。そして、Android アプリが 2015 年秋にリリースを予定している。iOS 用には Apple Music 用に iOS 8.4 がリリースされる。

主なサービス機能は次の通り:

  • Apple Music ライブラリー: 曲を聴く (プレイリスト作成可、オフライン OK)
  • ラジオ「Beats 1」: ロック、J-Pop、ジャズ、クラシックまで幅広いジャンルを網羅
  • Connect: アーティスト専用のページ (情報発信、お気に入り追加、共有)
  • リコメンデーションを受ける

Apple Music ライブラリーは iTunes で発売されている曲と同じなのかな。全ての権利問題が解決されてるのかどうかは分からない。サービス・インしたら、また記事を書く。

あとがき

ぼくはクラシック音楽をメインに聴くので、Apple Music がどれくらいクラシック音楽に最適化されているのかが気になる。作曲家や演奏者も「Connect」ページが作られるのかな? ぼくの好きなピアニスト (例えばギーゼキング) の曲は入っているのかな? 交響曲やソナタは全楽章続けて聴くことが出来るのかな? 心配半分、楽しみ半分。6/30 が待ち遠しい。

ミルシテインが演奏するバッハの無伴奏ヴァイオリン ソナタとパルティータ (EMI; 1955,1956 年録音) を聴きながら