2010-10-02

VivLab の LP プレーヤー用アーム「リジットフロート」

ぼくは LP を聴かないので、LP プレーヤーを持っていない。だから、難しいことは分からないのだけど、ぼくをオーディオに引きずり込んだ人間は CD とともに LP も愛している。そして彼の部屋に遊びに行っているうちに、最低限の知識は付いてきた。

一般に LP プレーヤーと呼ばれているものは、ターンテーブルと呼ばれる LP 盤を回す機体がある。そのターンテーブルにはトーンアームと呼ばれる部品が付属し、LP 盤の上に針を持っていく腕の役割を果たしている。細かいことを言えば、トーンアームの先にはヘッドシェルとカートリッジが付く。ヘッドシェルはカートリッジを付け換えるためのシェル (殻) の役割をし、カートリッジには針を取り付けられる。電流の流れを説明すると、もっと各部品の役割がはっきりするのだけど、今回はトーンアームの話なので割愛。安い LP プレーヤーは、ターンテーブル・トーンアーム・ヘッドシェル・カートリッジそして針が一体になっていて交換ができない。高価な LP プレーヤーはこれらの部品一つ一つを交換・結合して、自分好みの LP プレーヤーを完成させる。その時、LP は高音質であったり、躍動感があったり、ボーカルに力強さがあったりして CD を越える。だから LP の好事家はこの世から消えない。

閑話休題。

日本のオーディオ・メーカーに Viv Laboratory という小さなメーカーがある (以下 Viv Lab)。本ブログでも 2 回取り上げたことがあるけれど、素晴らしいスピーカーを販売している。

その Viv Lab がトーンアームを発売予定とのこと。本家ウェブページに情報はまだ上がっていないけれど、2010/09 月号の「analog」という雑誌で紹介されていた (p.244)。概要は以下の通り:

  • 名称: リジッドフロート
  • 価格: 250,000 (ヘッドシェル別売)
  • 発売: 2010 年 10 月中旬予定

雑誌にはプロトタイプの写真が載っている。次号では試聴レポートを掲載予定とのこと。

しかし、ぼくはこのトーンアームがただものでないことを知っている。というのも、去年の 9 月に Viv Lab を訪問した際、プロトタイプのプロトタイプを見せてもらって、音を聞かせてもらったから。

実は Viv Lab の開発者も LP 好き。(ぼくをオーディオに引きずり込んだ) 友達が LP を持っていっていると、途中で内諸だけどとこのプロト・プロトタイプを取り出した。それはアームの長さが 30 cm を越すもので、とても商品にはならない (開発環境の制限でプロト・プロトタイプのアーム長は 30 cm を越えていた)。これだけ長いと、スピーカーの振動 (音は振動ということを忘れないで!) をアーム自身が拾ってしまう。すると、針先が揺れるから、ちゃんと LP を針がトレースできない。なのに、このプロト・プロトタイプは長さもお構いなしに音楽を持って来た。それまで使っていたトーンアームとてかなり高いもののはずだけど、段違いに音楽が楽しくなった。

開発者曰く、まだ改善するアイデアがある、30 cm という長さはあくまでプロト用だから発売の時には常識的な長さにしないと (短くするだけで性能の向上は当然予想される)、等々。で、最後に来年には出したいと言っていた。そして待ちに待った 2010 年の 10 月。一年の期間を経て製品化が行なわれる。当然一年前を越える製品として完成しているに違いない。

そういうわけで、トーンアームに興味のある方は今号及び来号の「analog」をお見逃しなく。あと、製品が正式に発売されれば、Viv Lab の試聴室でも試聴ができるやうになると思う (予約は必要)。

analog (アナログ) 2010年 10月号 [雑誌]

B0041HJPZY
音元出版 2010-09-15
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2 comments:

  1. アナログオーディオとは縁がなくなってしまった私ですがこういうのを見ると血が騒ぐのは昔とったナントカですか。

    トーンアームは溝を正確にトレースしつつ、針先が正確に溝の振幅を拾えるよう溝との相対距離は決して動いてはいけないというかなり難しい役割がありますね。その存在自体を表に出してはいけない黒子ですね。

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  2. > ...こういうのを見ると血が騒ぐのは...

    フフフ。この記事を書いたかいもあったというものです。

    > トーンアームは溝を正確にトレースしつつ...

    ですねぇ。難しいことはよく分からないので、詳しくは書いていないのですが、アナログの世界って本当に難しいですよね。

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